増刊号 特集 Jazz PEOPLE index Blues PEOPLE index mail to bluesboy

雑誌の増刊号というのは、時にとても役に立つものがあったりします。
その時期のシーンの特集であったり、楽器別の演奏者の特集であったり、とにかく手軽に全体が見えるように編集されています。
マニアでなくても読みやすいものから、コアなものまで千差万別ですが、自分に合ってるものを見つけられると、その後の作品選びに非常に役に立つことがあります。
Jazz PEOPLEでは、初めてジャズに興味を持った方にも読んで貰えそうな手軽なものを中心に掲載していきたいと思っています。


モダンジャズ読本’98 / スウィング・ジャーナル社 1997年12月15日

歴代SJ編集長の座談会なんかは若い読者がひいてしまいそうで、25年間愛読者である私にも巻末企画のように思えましたが、
SJ誌の50周年という区切りに一冊出しておこうというのりで出した感じがするので、まぁ仕方ないですか。
定番の名盤の初出記事紹介、1997年のベスト選定、切り口別の名盤紹介、輸入盤でのベスト100、お薦めのオーディオ機器等々、
色々詰め込みすぎで焦点ボケしてるのがやや不満ではありますが、初めてジャズに興味を持った方が読むとすれば、
手っ取り早く全体像がつかめるので一応お薦め本として載せることにしました。←なんだか偉そうっすね、、すんません。(冷や汗)

ジャズというといきなり過去の歴史的名盤なんかがドドーンと前に立ちふさがり、それらを聴かずしてジャズを語る無かれと言う風潮が
随分長いことあったような気がして、それが新しく若いファンが根付くのを邪魔していた感じがするのですが、最近は逆になんとかして
新しいジャズファンを掘り起こしていこうといった流れに変わってきたような気がしています。
今の時代を生きている人が、今の時代に活躍している現役のミュージシャンに興味を持つようにと、編集姿勢も変化してきたように感じます。
私自身の音楽の楽しみ方も、常に現在進行形のシーンを追いかけてきたような気がしています。
その分、歴史的なことやマニアには常識とされるような事柄に結構無知をさらけ出すことがあるのですが、そんなことでめげていては
今日一日を楽しく音楽聴いて過ごすなんて事が出来なくなるので、しかと開き直っています。
小難しいことは専門家に任せて、皆さんもぜひ今日から気楽にジャズファンを自称iして思いっきり楽しんで下さい。

ジャズ・レコード・マニア / スウィング・ジャーナル社 1991年5月30日

数あるジャズ・レーベルの中でも、とりわけマイナーでしかし多くの名作を輩出したレーベルを特集した増刊号です。
各々の代表作品とアナログ盤のセンターレーベル(マーク)も紹介してあり、気分はしっかりコレクター。
ジャズが好きで、さらに突っ込んで聴いてみたいとか、単に人に差を付けたいとかいうときにこれは役に立ちます。
ジャズに限らないかも知れませんが、「通に見えるアルバムってなんだろう」という大方の方に共通の??問いにも答えてくれます。

巻末近くに岩浪洋三氏の上級者の心得みたいなのを今読み返してみてまた考え込んでしまった。
曰く、、上級者はジャズのルーツを知る努力をすると共に常に新しいものにもどん欲でなければならない、、。
そうなんだな、、SJ誌のスタンスっていつも読者を初級、中級、上級と分けているのだ。
もちろんその背景には、常に自分たちが最上級者という意識で雲の上からものを言ってる感じがあるからなんでしょうけど、
こういった姿勢が新しく興味を持った人たちを遠ざけてしまう原因のひとつではないのだろうか。

私にはマニアかマニアでないか、くらいの線引きしか持ち合わせていないので、どうもここが常に引っかかるところであります。


ジャズ・レコード歴史事典 / スウィング・ジャーナル社 1980年5月15日

これは私がコルトレーンやドルフィーにハマってた頃の本で、ずいぶんとお世話になった一冊です。
おさえておきたいめぼしいアルバムには○印が付けてあって、思わず当時を思い出します。
10年ごとにシーンを区切って、名だたる作品を詳細に紹介したまさに事典というにふさわしい一冊。
若い自分を少しでも年寄り臭く?見せようとかなり必死で色んなものを吸収していた時期なので、その背伸びに手を貸してくれたってところですか。

もう手垢にまみれて、タバコのヤニで変色し凄いことになってますが、
実際この本は今でも無茶苦茶役に立つし、これからもずっと手放せない一冊なんです。
今これからジャズを聴こうかなって方は、これから出るだろう本でそういうのを見つけて欲しいです。
とにかく一冊2000円程度は後のことを思えば安い出費です。
ハズレ本を買うと悔しいので、選ぶ際は書店でじっくり立ち読みしてから買いましょう。