昨年の年末年始は九州だったので、今年は寒い地方にバードウォッチングしに行こうと考えていたら、出水にアネハヅルがいると聞いて迷っていた。しばらくするとソデグロヅルもいると聞き、迷ってる場合では無い、出水に行けばタンチョウ以外の日本で見る事のできるすべてのツルが見れるわけだ。上手く行けば6種すべてが「1枚の写真に、、、。」なんてくだらない事を考えて年末が来るのを待っていた。するとタカサゴモズが出たという情報まで入って来て、ニコニコで出発する事になったのであります。

1999/12/29 AM11:30 出水市
 宮崎でフェリーから降りるとツバメが飛んでお出迎え。南国ですねー。走行距離80000Kmをこえる愛車ジムニーは宮崎自動車道を順調に西進し、左に高千穂峰、霧島山を見ながら出水市へと向かった。
 まず観察センターに行き、最新情報を仕入れようと思ったがバードウォッチャーはひとりもいない。仕方が無いのですぐに東干拓に向かった。「あっ、ソデグロだ!」東干拓の東の方にいるソデグロヅルは遠くから見ても真っ白なのですぐに分かる。フィールドスコープでしっかりと観察する。
 さあ次はアネハだ。これは探すのが大変だ。「とにかく小さいやつね。眼の後ろの黒い線が目印だからね。僕は右の方から探しはじめるから。」「ねえ、これじゃないの。」なんと!目の前にいた。フィールドスコープでしっかりと見ようとすると他のツルと一緒に飛び立ってしまった。降りたあたりを探したがブッシュが高くて分からなくなってしまった。再びソデグロヅルの前に戻り、写真を撮ったり、他の種類を探したりしていた。その後、ソデグロヅルは1羽だけで飛び立ち南東へ遠く消えていった。後で聞いた話だがクレイン・パークの近くに降りたそうで、東干拓とを行き来しているらしい。


ソデグロヅルとアネハヅル(部分拡大しています)

1999/12/30 AM8:00 出水市
 今日の目標はアネハヅルの撮影とクロ・カナダをすばやく見つけ、川内市までカラフトワシを見に行く事。アネハヅルとクロヅルはすぐに見つける事ができ、遠かったが何枚か写真撮影した。しかしカナダがなかなか見つける事が出来ない。昨年見ていないのでぜひとも見つけたい。東と西の干拓地を見てまわるがだめだ。やはり、まだまだ初心者だなぁ〜と落ち込みながら、とりあえず川内市に向かった。

1999/12/30 AM11:00 川内市高江
 飛んでいるハイイロチュウヒ♀を見ながら観察ポイントに到着するとワシタカ好きのSさんがいた。「こんにちはー、居ますかー?」Sさんはだまって山の中腹を指差した。いるいる。フィールドスコープで観察し、小さいけど写真撮影しカラフトワシが飛ぶのを待つ。タヒバリ、ハクセキレイ、キセキレイ、ホオアカ、カワセミなど見ながら3時間程その時を待ったが、彼はピーピー鳴いたり羽づくろいしたりするだけで動こうとしなかった。朝に食事を十分にしたらしく飛ぶ気配も無いので、「出水に宿題を残しているので」と言って高江を後にした。

1999/12/30 PM3:30 出水市
 「今日の内にカナダを見れたら明日は早朝に球磨川へ行ける」そう次の日の予定は八代市のオオズグロカモメだが、時間が重要らしく、その日は朝早くか夕方遅くにチャンスがある。なんとか見つけなければ、、、。
 東と西の干拓地の間にニュウナイスズメがいた。「渡りをするだけあって顔が凛々しいねぇ」そんなこと言っている場合では無い。陽がどんどん傾いていく。観察センターの屋上から夕日を左の頬に受けながらカナダを探した。薄暗くなってきて「仕方ない。また明朝がんばろう」と諦めかけた時、保護区の外側で怪しい車が止まった。外に出て来てフィールドスコープで覗いている。あそこに違いない。すぐに階段を降りて車で向かった。しかし、時すでに遅し。あたりは真っ暗で何も見えなくなっていた。

1999/12/31 AM8:00 出水市
 昨日居たであろう場所へ一番に向かったが、1羽も居ない。センター前は餌がまかれてすぐのパニック状態でこの中から探すのは難しく、先に東干拓に向かった。今日は午後から八代市に行きたいので、なんとしてでもカナダヅルを見つけたい。本当は使いたくなかったが、最終手段「他力バードウォッチング作戦」でいくことにする。出会うウォッチャーすべてに「カナダヅル見ました?」と聞いていく。しかし、みんなの返事はすべてNO。「僕もカナダだけ見れていません」なんてことだ。みんなカナダヅルで苦労しているのだ。
 西干拓の海側で白黒のコクマルガラスを見た後、センター前に戻って端から端まで探したが、見つからない。もう諦めて熊本へ向かおう。駐車場にもどる途中さきほど東干拓で声をかけた青年とすれ違った。「カナダいましたね」「えーっ、本当に!」すぐにもどって、フィールドスコープに入れてもらった。なんと、目の前に居たのであった。頭から「まん中には居ないだろう」と決めつけて探していたので、見落としていたらしい。反省、反省。「どうもありがとう」本当に感謝しています。これで無事6種見れました。

出水でみれた鳥(12/29〜31)
カイツブリ ウSP ゴイサギ ダイサギ コサギ アオサギ ヘラサギ クロツラヘラサギ ツクシガモ マガモ カルガモ ヒドリガモ ハイタカ ハヤブサ チョウゲンボウ クロヅル ナベヅル カナダヅル マナヅル ソデグロヅル アネハヅル  タゲリ ハマシギ  イソシギ タシギ セグロカモメ キジバト ヤマセミ ヒバリ キセキレイ ハクセキレイ タヒバリ モズ ジョウビタキ シロハラ ツグミ アオジ カワラヒワ ニュウナイスズメ ムクドリ コクマルガラス ミヤマガラス

 

1999/12/31 PM13:30 八代市球磨川河口
 3度目のチャレンジのオオズグロカモメ。海を見ていたウォッチャーに様子を聞いた。「昨日も見れてないし、今日もまだです。3羽ほど来てるらしいのですが、、、」またまた今回も×でしょうか?
 わずかにある干潟にいるズグロカモメ、ユリカモメ、ハマシギ、ダイゼン、トウネン、シロチドリを楽しんだ。ミサゴのダイビングと食事をずーっと観察した。そして、このまま1999年のバードウォッチングは終了ということになりました。オオズグロカモメは、またということで、、、、。

2000/1/1 AM9:00 佐賀市国造干拓、有明海
 今日は和白へタカサゴモズを見に行くが、昨日お会いした人に「モズだから高い所にいるし、10分もあれば見つける事ができるでしょう」と聞いていたので、午前中は佐賀でゆっくりする事にした。
 干拓地内で猛禽類を探すが何も見つからず、カササギと追っかけっこ、かくれんぼをしながら楽しませてもらった。警戒心があるのか?無いのか?ややこしいやつらだ。とてもかわいい。
 有明海は引き潮の時間で海は遥か彼方。わずかに残されたツクシガモ、ハマシギを見た。次は春に来るね、と約束して福岡へ向かった。

2000/1/1 PM1:00 福岡市東区和白
 和白の畑に到着するとバードウォッチャー10人ほどが海の方を見ていた。あれ、タカサゴモズはいないのかなぁ〜。「どうかしたんですか?」我ながら変な質問の仕方だったが彼は答えてくれた。「誰かがハジロコチドリを見つけました」本当だ。久しぶりにお目にかかるのでじっくりと見る。小さな嘴。きれいな脚の色。
 おっと、タカサゴモズを探さなければ、、、。朝と昼にすこし現れたらしい。なかなか彼は出現しない。暇つぶしに後ろを振り返り、ツクシガモ、ミヤコドリ、ズグロカモメ、クロツラヘラサギを見る。なんて贅沢な時間だ。
 PM3:30ごろトイレに行こうと車に乗り、道路へ出ると双眼鏡を持った人が指をさして教えてくれた。「こちらに居ますよ」探していた畑とは別の畑にいた。大きい。人相が悪い(人では無いが)。眼の黒い部分の羽毛は外側に膨れている。8人ほどが道に並んで畑を見ていた。地元の人は不思議そうにこちらを横目で通り過ぎてゆく。ホント住民の方、農家の方お騒がせしました。これから行かれる方、畑に入らないようにネ。

タカサゴモズとカササギ(部分拡大しています)

 そんなこんなで九州の旅はこれで終了となりました。

 

最後まで読んでくれた方 ほんとうにありがとうございます