年末年始の休暇を利用して九州に行ってきました。前回行ったのは、ソデグロヅルが2年連続で来た時だったから、3年ぶりとなります。今回は「らくらくコース」と名付けて、往復フェリーで行ったので、運転はとてもらくらくでした。それと、乗ったフェリーが関西汽船で神戸に立ち寄るため、海から見る神戸の夜景はとてもきれいでした。明石海峡大橋をくぐる瞬間もとても感動的で、写真を撮ったり大騒ぎしていました。

1998/12/30 AM11:30九重町
 フェリーは予定通り別府に到着し、コンビニで昼食を買い、すぐに今回の目玉のキアオジポイント-九重町へと向かった。貰っていた詳細図を頼りに現地に到着すると二人のカメラマンが畑にへばりついていた。その方向を双眼鏡で見ると、シラガホオジロがいたが二人のレンズはもう少し先を向いてるようだ。その時1羽の小鳥が飛んで遥か彼方に消えていった。二人に聞くと今のがキアオジだそうで、一度飛び立つと2時間くらい帰ってこないそうだ。そんなー。
 2時間も待っていられない。今日の内にぜひ見たい。明日は明日で次の予定がある。そんなことを考えながらぐるりぐるりと畑の周りを捜しまわった。昼食をとるのを忘れて必死になってさがしたが、いるのはタゲリとタヒバリばかり。陽はどんどん傾いていく。
 薄暗くなってきた時、シラガホオジロの群れを見つけた。この中に混じっていれば、、、と、ていねいに探したが、彼はいなかった。明日、予定を変更してもう一度来ることにし、予約してある宿に向かうことにした。陽の沈んだ西の空がとてもきれいだった。

1998/12/31 AM8:00九重町
 宿泊場所が別府だったのと寝坊のせいでこの時間に現地に到着した。すでに車が5台ほど1列に並んでいて、窓からレンズがのぞいている。ゆっくりと最後尾に並んだ。20羽ほどのシラガホオジロが散らばっている中に、念願のキアオジが混ざって採餌している。あーやっと出会えた。フィールドガイドと見比べていると、キアオジ達がパニックになった。ハイイロチュウヒが接近していた。キアオジを見失わないようにと目をこらす。ハイチュウが行った後、葦(ススキ?)の上に止まった。とてもいい図だ。しかし遠い。カメラをのぞくが米粒ほど。1台の車が、近い場所と替わってくれようとしてくれたが、そのとき再びハイイロチュウヒがあらわれ、一斉に飛び立って見えなくなってしまった。
 写真は撮れなかったが見ることができたので、この地を後にして南へ向かうことにする。
 やまなみハイウェイは昨夜から降っていた雪が積り、とても九州とは思えない白銀の世界となり、ハンドルを握る手が緊張した。。しかし、阿蘇に近付くにつれ、雪は減り、とてもここちよいワインディングロードになった。広々としたすばらしい景色だった。

1998/1/1 AM7:30出水
 あけましておめでとう。今年も3年前と同じように鶴を見ながら初日の出を見た。カナダヅルがいないようだ。クロもいるらしいが良く分からない。あれこれ探している内に飛び立ってしまい分からなくなってしまった。観察センターの反対側に行くと、ミヤマガラス、コクマルガラスがいた。1羽だけ淡色型がいた。そーっと近付き、シャッターを押そうとした時、遠くの何かに反応して、ここら辺りのカラスが一斉に飛び立ってしまった。あー残念。今回の探鳥旅行ではほとんど写真が撮れていない。ストレス、ストレス。

1998/1/1 AM9:00江口川河口
 半月前にここへ来た友人から聞いていた、ニシセグロカモメを見に来た。「そんなんわかるかなー」「黄色い脚見たらそれがそうやでー」「でも亜種とちゃうの?」「そのうち別の種になるらしいでー」見つけられなくても、まぁいいか!という気持ちで現地についたが、車を降りてすぐにわかった。本当に脚が黄色い。他のセグロカモメに混じって右に行ったり左に行ったり。こいつ、自分が別の種だと言うことがわかっているのだろうか?

1998/1/1 AM10:00万之瀬川
 ギンムク、カラムクを見にやってきた。車をとめると噂のハギの木にもうとまっている。腹の色、大きさですぐにギンとわかった。「あっ!車から出てこないで。」前の車に乗っていたNさんがギンがいるとは知らずに降りてきた。もちろんギンは飛んでいなくなりました。あれれ。先に来ていた人の話を聞くと、1時間に1回くらい来るそうなので、ゆっくり待つことにした。1時間。2時間。3時間。途中カラムクは何回か来るが、ギンはあれ以降姿を見せない。そろそろここを引き上げて、川内川のカラフトワシを見に行きたいのだが、、、。4時間。5時間。しびれを切らして、畑や牛舎の方を歩いて見てまわる。「あれ、さっき4羽ギンが来てたのに。どこ行ってたの?」ガーン。それは無いでしょ。
 しばらく待っていたが、出てこない。あたりが薄暗くなりはじめ、他の人たちもいなくなり、そろそろ諦めようと車に乗った。その時!シューッとギンが現れた。なんてことだ。我々をどこかで見張っていたようだ。そうか、昼間出てこなかったのも我々がいたからだ。黒いダウンジャケットって、ダメなのかなぁ。うーん。そうか、そうか。

1998/1/2 AM9:00佐賀市内
 今日は九州最終日。昨夜は鹿児島からここまでがんばって走ってきた。ゆっくりとカササギでも見て、夕方、新門司に行けばフェリーが待っている。うろうろしながらカササギを見ていると携帯電話が鳴った。出水にいるはずのNさんからだ。「そっちにアボセットがいるらしい!詳しい場所は分からん」そこで珍鳥情報のことなら何でも知っているMさんにTELした。5人もの友人に聞いてもらった後、詳しい場所がわかった。「佐賀空港の西。満潮時間なら、近くで見えるでしょう」とのこと。
 あっ!満潮時間を過ぎている。急いで有明海へと向かった。堤防に上がった。まだ潮は退きはじめたばかりの様で、手前の方にシギやカモ、カモメ達がいる。きっとバーダーがたくさんいるはずだ。いない。カメラマンもいない、、、、、、いた。1人望遠レンズを構えている人がいた。しかし彼が狙っているのはカモメだ。あれ?おかしいなぁ。いないのかなぁ。カメラマンに近付いて聞いてみた。「ソリハシセイタカシギがいるって聞いたのですけど」「あー朝からあっちこっち飛どった」いるらしい。話を聞くとなんと!キアオジの発見者だそうだ。偶然ってすごいなぁ。旅の始めに珍鳥を見て、終わりにその発見者に出会うなんて。他にいろいろな話も聞いた。おっと、それどころじゃない。アボセットを探さなければ。背中の模様が似ているから、きっとツクシガモの近くにいるはずだ。海岸の端から端まで探した。やっぱりいた。あの線で描いたような嘴ですぐ分かる。やったー。ゆっくりと息を殺しながら近付いた。ツクシガモは気配を感じて離れていったが、彼(彼女?)はほとんど気にせず採餌に夢中だ。ヘラサギのような首の振り方だ。夢中でシャッターを切った。潮がどんどん退いてゆき、彼も徐々に離れていった。あー満足、満足。しかし、あと15分遅かったら、見れなかったなぁ。NさんとMさんに感謝。
 その後、和白に向かう予定だったが、雨がふってきたためそのまま新門司へ向かい、今回の九州探鳥旅行は終わったのでした。

  九州でみれた鳥(抜粋、見た順)
シラガホオジロ タゲリ タヒバリ ハイイロチュウヒ キアオジ マナヅル ナベヅル ミヤマガラス コクマルガラス ニシセグロカモメ ギンムクドリ カラムクドリ クロツラヘラサギ コチョウゲンボウ カササギ ニュウナイスズメ ソリハシセイタカシギ ズグロカモメ ツクシガモ ダイゼン トウネン アカアシシギ

最後まで読んでくれた方 ほんとうにありがとうございます