姉 妹 越 南 散 歩
しまい・べとなむ・さんぽ 

>>>ちょろっとバンコク1


ベトナム。の前にまずはちょろっとバンコクなのである。
バンコクには独身時代からの友人、げのが住んでいる。やつはバンコクでデザイナーとして働いて3年目という、ちょっと聞いた感じはえらくかっこよい経歴の持ち主である。しかも彼氏の家に同居させていただいているという、なんともラッキーなやつでもある。

「うわあああ、ベタベタするう」
そんな爽やかな言葉を吐きながら待ち合わせ場所に現れたげの。たった今バンコクにツアーでやってきました!と言われても全然おかしくないフツーの日本人ギャル(?)のまんま。日本に帰った時もしょっちゅう会ってるのでぜんぜん久しぶりじゃないけど、こうしてバンコクで見ても相変わらずタイに全く染まってない。

げの

げのは在タイ日本人社会でも何かと浮いているようで、最近の飲み会ではエリート意識ムンムンの日○岩井の駐在員に向かい、
「えーと、結納関係かなんかの会社ですかね?」
と暴言を吐いて(岩井=祝いと思ったらしい)嫌われたばかりらしい。ステキだ。
そしてこちらは久しぶりの彼氏Kさん(日本語ペラペラ)。ますます成長したようで貫禄もたっぷり。6つも年下なんて絶対ウソに違いないとひそかに疑っているえびであった。

Kさん

まずはげのの働く会社見学をさせていただいてビックリ。のお兄さんの会社だと聞いていたが、えびとしては「ビルの1階を借りてやってるくらいのデザイン事務所」程度を想像していた。しかしてその実態は、

自社ビル!印刷工場つき!工場労働のタイ人はおそろの青いTシャツ!ドラゴンボールの悟空の等身大フィギアあり!日本のゲームやアニメのポスターいっぱい!

という、アニメとゲームにうずもれた、マニアにしてでっかい会社であったのだ。びびった。いやー、こんなコアな会社タイにもあったのね。しかもげののヤツ、と2人で個室持ち。そこのパソコンでワールドカップを見たり、ぎっしり箱一杯入ったうまい棒(日本より持参)をたくわえてみたり等、やりたい放題 のびのびと楽しげに働いている。

げのの下宿先、の家だってかなりリッチな感じだ。4階建てで、各階にトイレなんかあったりする。頭のふくらんだ髪型の貴婦人が扇子をパタパタしていたり、ツボから水の流れる白い彫像が置いてあったとしてもビビらないだろう。なかったけど。(の兄さん宅にはギリシャちっくな柱やらでかい彫像やらあるらしい)そんなリッチな家の前でパンツいっちょうで体操してるお父さんも味わいがある。彼はげのの友達には裸族(らぞく)として名高いそうだ。洋服代がかからずリッチさにも拍車がかかることであろう。こんな家だったらえびも住みたいよ、住みたいよ。

げののペラペラなタイ語にこの旅同行・えび妹ゆきちゃんも尊敬のまなざしを向けている。一緒に行動するとあちこちで「うわっ、なんでタイ語しゃべれんの!?」とびっくりタイジン続出。日本人まるだしのカッコのげのだから余計驚くらしい。げのも何回も何回もこれを聞かれてかなりめんどくさいらしく、遠い目をしてテキトーに答えている。

食らう。

Kが飲んでて美味しそうだったので飲んでみた、ホットミルク。甘くて濃くて美味しかった。

くそ暑いバンコクで、しかも屋台でホットミルクなんて、この機会がなかったら一生頼む事を思いつかない代物だっただろう。

げののタイでの楽しげな暮らしっぷり、しっかり確認したなり。こうして2日ほど、バンコクで旧交をあたためているうちに、「あー。ベトナム行くのめんどくさー。このまま電車乗ってラオス行こうよー」という気分になり、ゆきちゃんを困らせるえび。そういえば今回の目的はベトナムだっけ?いやいや。しかしなー。イマイチ乗り気じゃないんだよなー。だってベトナム、旅人の間で評判悪すぎ。

あ、そういえばさん。えびの本名、そろそろ覚えた?「ホームページのおねえちゃん」じゃ、なんだか響きがオタッキーなので是非やめるように。