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海辺の町マハバリプラム
マドゥライからバスに揺られ続けて10時間あまり。到着したチェンナイの騒々しさに嫌気がさし、そのまま海辺の町マハバリプラム行きのバスに飛び乗った。今日は2002年1月の1日、まる一日移動で脳もはれる正月であった。マハバリプラムに着いたのは夜もとっぷりとふけた頃。静かで真っ暗な通りに聞こえる波の音にほっとした。

しかし朝を迎え、この町をウロウロしてみると、ちょっと印象が変わった。うーん、なんていうのかな。他にあてのない田舎なだけに外国人観光客主導で町が動いてる感じ。そういう町にありがちなように、宿はそう高くなく快適なものがそろってるけど、その他の物価が何だか少しずつ高い。

チャイ屋も強気に高い料金を言ってきやがる。シーフードレストランではレゲエなんてかかっちゃってる。土産屋の主人がインド人男性をとっかえひっかえしている白人女性の悪口を言う(マハバリでは今のところ、日本人女性のこの手の話はそうひどくないみたい)。やっぱり観光地だからしかたないか。自分もまぎれもなく観光客の一員だし。

いやほんと、海風が気持ちよくて、未舗装の道をブタやヤギがかけまわる、のんびりしたいい町なんですけどねー。

むっちりイタリア人
 

海辺だけあってヨーロピアンリゾート客多数。
同じ宿に泊まっていたイタリアン人でゲイの彼は
ゴルチェのぴっちぴちTシャツにサロンを巻き、
プラダのリュックを背負って海辺を歩いてた。
道で会った時の挨拶は
イタリアン 「こんにちはー(オネエ風日本語)」
えび 「チャオ(なんとなく対抗)」

ASOKAを求めて
見たいヒンディー映画があった。2001年インド映画の話題作のひとつ、ASOKA。ケララでも、タミルナドゥでも、あちこちでポスターを見た。話したインド人は皆「見たよ。いいよ」と言った。なのに、なかなか見ることができない。どの町でも「ちょうど昨日終わった」とか「来週から始まる」とかで、タイミングが合わないのだ。ずっとその調子できてしまい、最後の滞在地マハバリプラムに望みをかけた。

しかし、なんという事でしょう。マハバリプラムには・・・・映画館がない!そうね、小さいもんね、この町・・。じゃあVCDを買っていって日本で見ようと思っても、店においてあるのはカセットやCDばかり。そうね、小さいもんね、この町・・。

子犬と戯れる夫。メルヒエン。

で、とあるレストランでウエイターにその事を愚痴っていたら、彼はASOKAのVCDを売ってるお店を知ってるという。
「ボクが今からバイクで買いに行ってあげるから、大丈夫!」
そう言うなり、勤務中のはずの彼は(しかも店内大賑わい)バイクにまたがって風のように去って行った。あああ、店のありかを教えてもらえばいいだけの事なんですが・・・。全く、インド人ときたらこういう時だけ行動がすばやい。まあいいか、多少高くても手に入るんだったら。

かなり長いこと待って、ようやく戻ってきた彼の手には確かにASOKAのVCD(タミル語バージョン)が握られていた。
「はい、500ルピーね」
「えっ、高いっ。高すぎだよ。DVDじゃないんでしょ?」
「だって新作なんだよ。特別に売ってもらったんだ」
「そんなに高いの買えないよ」

交渉し、250ルピーで買った。しかし彼は上機嫌。そりゃそうだろう。だって
絶対このVCD、自分の家に取りに帰ったやろ!あわてて自分のVCDを探してその辺にあった袋に入れてきたのだろう。なんかCDの表面にマジックでいろいろ書いてあったりするし。それにしても、そうならそうと言えばいいのに何で店で買ってきたなんて言うのかなあ。買い叩かれると思ってるのかなあ。それともプライドが高いのか。ミエミエなのにウソをついてしまう彼らは、ちょっとカワイイのでした。

と、ようやく苦労して手に入れたASOKAだが、インドからの帰りに寄ったシンガポールのインド人街にあっさり置いてあった。しかもこちらは英語字幕つき!・・・泣く泣くもうひとつ買いましたともさ。なんか私の人生無駄が多い。

夫にいじめられる犬海辺のシュール牛いいかんじ宿カメラ好き犬


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