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なんとか・・・なった?

さてここクムリーは、トラやら象やらいるというペリヤール国立公園動物保護区への基点となっている町。森の中に100年前に作られたという人造湖をボートで一周して、水場に集まる動物を観察するクルーズが呼び物だ。かなりの確立で象が見られるという話を聞いて、夫の期待はもはやはちきれんばかり。

クルーズは一日何回か出るのだが、動物を見るためには朝一番のが良いとの情報を聞き、無理やり6時起きして保護区へ向かう。朝早いのでリキシャも特別料金を取りやがる。それもこれも象のため。これくらい何であろうか。

しかしチケット売り場へ行ってびっくり。
まつり?というくらいの人の山。なんでもただ今パキスタンとの情勢が悪化しているため、北インドの観光客が安全な南の方へ押しかけてきている(インド人談)らしく、金持ちそうなぼっちゃんじょうちゃんがわらわらと。チケット買うのもかなり大変そうだが、それもこれも象のため。並ぼうではないですか。

が、いくらもたたないうちに列に並んでいた人々があちこちに散りだした。ん?なんで?・・・えっ、なんと!チケットはソールドアウトですと!そしてさらによく聞けば、ソールドアウトなのは今から乗るつもりだったクルーズではなく今日のチケットは全てという事らしい。ちなみに朝のクルーズはとっくの昔に売り切れていたそうな・・・。えええー!まじでー。

しかしそこはインド。どうにかならないはずがない。なるはずだ。それもこれも象のため。
「はるばる日本からここの象を見るために来たんだけど(ウソ)、誰か助けてくれる人知らない?」
チケット売り場のオヤジに色目を使ってみるものの、本当にチケットがないらしく、残念そうに首をふられるだけ。そうするうちに刻々とクルーズの時間が迫ってくる。あっ、もう船着場に船が来てる!

「今からのチケット持ってるよ!」
という男を見つけた時にはもう乗客が船に乗り始めた時だった。
「のろうと思って買ったんだけど、やっぱりやめたから・・・」
あー、もうそんな見え透いた言い訳しなくても、あなたが私が捜し求めていたダフ屋である事は一目瞭然なんだから早くチケット売ってよ!間に合わない!船着場の方へダッシュしながら料金交渉をする3人。いいよいいよ、正規の料金の何倍かでも出しますよ。まったくもう、それもこれも全て象のため!

ダフ屋とともに息を切らして走り(何故か付き合って走ってくれた)、滑り込みセーフでクルーズ船に間に合った。やっぱりインドはなんとかなっちゃうんだなあ。金持ち日本人である事に感謝。

クルーズ船象日差しが強いのでみんな怖いカオに撮れるおハイソなホテルのお庭

が、インドといえどもなんともならない事もあり。これだけ苦労して乗ったクルーズの2時間で見たものはノブタの群れオンリー。ぞ、象はどこに?カケラも見あたらないんですが。インドくんだりまで来て、あのような苦労をして、私ら夫婦が見たかったものはブタだったのか・・・。

えび夫婦 象に乗らせていただくの図

しかしその後、夫の「象に乗るんだい!」に負け
乗らさせていただきました。象くん、ありがとう。
そりゃあもう、馬やらラクダやら話にならんほど
高かったです、象の背中は。


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