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果たして宿は
小鳥のさえずりで目覚めた。昨晩の冷たい雨も上がり、窓の外にすぐ広がる森の木々を渡って朝日が泳いでいる。昨日は暗くて見えなかったが、この宿の周りにはたくさんのスパイスが植えられているらしい。コーヒーコショウカルダモンパパイヤもたわわ。

キッチンで紅茶を入れるためのお湯を沸かしていたら、隣の部屋のスペイン人がやってきた。慣れた手つきで粉をこね、チャパティを作り始める。彼女はもう半年もここに住んでダンスを習っているんだそう。リクエストに応えてちょっと踊って見せてくれる。

テラス最高 そうこの宿ってば、あんな怪しい主人がやってるのに(?)、なんかすごく良いところ。1階はオーナー一家が住んでいて2階の3部屋だけ貸している小さなホテルなんだけど、広いキッチンもついてるし、くつろげる共用テラスもあるし、何と言ってもこのロケーション。後ろは森。そして一歩宿を出ると小さな村。お母さんは井戸端会議(まさに井戸端会議)を繰り広げ、小さな子供がはだかで走り回る。
←2階のテラスからお茶飲みながら村を眺めるのは、かなり最高だったかも。

うーん。いちいちがっつんがっつんストライク。田舎に行けば行くほど、宿ってほんと大事ですなあ。ちなみにホテルのお母さんはマラヤラム語オンリー。イスラム教徒の彼女に通じた言葉は「アッサラームアライクム」だけでした。

庭のコーヒー花いっぱい見えにくいけどコショウです。近所のガキ


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クムリ香水事件

町をぶらぶらしていたら、露店に香水が並んでいた。インド人ってどんな香りが好きなんだろう?興味本位でいろいろと尋ねてみる。露天商によれば、女性に人気なのはジャスミンの香水、そしてコブラという名の香水との事。試しに一本コブラとやらを買ってみた。恐ろしげな名前に似合わず、優しいいい匂い。20ルピーなり。
 

えび夫妻に向かって
アメリカ人疑惑
と聞いてきたおばちゃん。
アメリカンジョークのひとつでも
とばすべきだったでしょうか。

次の日、宿の近くで寄ってきた女の子たちと遊んでいた時、ふとポケットに昨日買った香水が入ってる事を思い出した。女の子達の手首にシュッとひとふきしてあげると、みんな嬉しそうに、キラキラした目で一生懸命匂いをかいでいる。もうっ、インドの子供ったらなんてかわいいのっ!と思ったえびは、やはりまだまだ甘かったと言えよう。インド人の実力を知らなかったのだ。子供といえど、あなどってはいけなかった。

「わーい、外国人に香水ぬってもらっちゃったー」

一人がそんな感じで報告に行くと、とたんに子供が集まりだした。
外国人が何かしてくれたってよ!うそ、いいなー、じゃあ私も!僕も!
もう女の子も男の子も関係ない。そして、われ先にと伸びてくる腕、腕、腕。

この子にひとふき、その子にひとふき、何度ふってあげても同じ子がまた腕を出してきたりするもんだからキリがない。ぐいぐいとひときわ力強く伸びてくる手があると思ったら、 子供に混じってお母さんまで香水をふってもらおうと競ってるし。我が子を思いっきり押しのけながら。こらー、インドじーん。

そのうち、今まで大人しくてかわいらしかった女の子がえびの手から香水をとりあげた。あっ、こらっ!何すんの!止める間もなく女の子がとった行動は、

えび夫妻に向かって
フランス人疑惑
と聞いてきた子供。
やはりマダムなオーラは
隠せませんでしたでしょうか。

驚愕。ワキに香水。

いきなりワキに塗りだす子供。

ち・がーう!香水はそうやって使うもんじゃありませーん!はにかんだ顔で、そんな大胆な行動をとるんじゃなーい!無邪気なだけに、見てるこっちが赤面する妙な事態でありました。


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