雲が流れていくよ。東から西へ、北から南へ。僕は雲がうらやましい。この広い空をどこまでも旅していけるのだから。 むかし、僕の先祖はこの空を捨てて、陸を住みかに決めたんだ。なんでだろう、と僕は思う。 僕はまだ飛べるかな、あの雲のように。僕はまだなれるかな、あの雲のように。