時の見積もり− [to home]
 イベントの準備、段取りはわかっていても何にどのくらい時間がかかるのは初めてですとわかりません。そこで、わたくしの経験から時間の見積もりを作ってみました(手続き関連はワンフェスの場合です)。 人それぞれにやり方がありますから絶対的なものではありません。参考までにご覧ください。

型の作成にかかる時間(型の数にもよりますが一週間から10日くらい)
 型の作成はかなり時間がかかります。シリコンが硬化するのに結構時間が必要なのです。シリコンの種類や季節(気温)によって違いはありますが、私が使っているウェーブHG-017の場合はこんな感じです。

 片面:粘土埋め(半日)→シリコン(流して30分、硬化待ち12時間)→石膏補強(乾燥待ち6時間)
 反転:ワックスコーティング(2時間)→シリコン(流して30分、硬化待ち12時間)→石膏補強(乾燥待ち6時間)

というように、型はオスメス1セットで2日くらいかかります。シリコンの硬化待ち時間を短縮すると、補強の石膏とくっついてしまって具合がよくないそうなので、この辺を端折るのはやめておいた方が無難です。 型を何個作るかで、全日数は変わってきます。ちなみにカンナさんの場合は型を5個作ったので10日ほどかかりました。
 シリコンの硬化を待っている間に次の型の粘土埋めをするなどすれば時間が短縮されます。なので、型を何個も作る場合は、型枠や粘土を2セット分以上用意しておいた方が効率的です。 仕事しながらの日程だと、朝、早起きして石膏流してから出勤したり(帰ってくる頃には固まっている)シリコン流してから寝たりしてました(笑)。時間のやりくりを上手にして生活に支障のでないように型取りしましょう(笑)。

複製にかかる時間(1日で8から10個くらいは抜けます)
 複製のプロセスは「レジン流し」→「硬化待ち」といったサイクルになります。レジンは硬化する際にかなりの高熱を発しますので、冷めるまでが結構時間がかかります。 レジンキャストの種類にもよりますが、私が使ったウェーブ「ノンキシレンタイプ/アイボリー」の場合はこんな感じでした。

 レジン流し(10分)→硬化待ち(50分)

 これは冬の実績です。気温の高い夏ならばもっと時間は短くなるかもしれません。1サイクルが1時間なので、複数の型があればわり算してローテーションを組みます。型が4つならインターバルを15分とって型取りしていく、といった要領です。
 硬化に50分というのは待ちすぎでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。待ち時間を端折るとレジンが軟らかく、パーツが変形してしまうおそれがあるので私は少し長めに時間をとっています。 数分違うだけでも随分パーツの硬さが変わるので、あわてずじっくり待つのが吉です。ランナーがパキッと音を立てて折れるくらい硬くなれば理想的です。
 硬化の時間を長くとるのは「型を冷やす」というメリットもあります。レジンは温かい型に流すと発泡しやすく気泡だらけのパーツを作ってしまいます。気泡だらけのパーツでは買っていただく方に申し訳ないので気を遣うところです。 失敗は型の消耗と時間の浪費に直結するのでこの辺りは冷静に考えて余裕をもって取り組みたいところです。
 ちなみに、レジン流しの時間には、パーツの取り外し、型の掃除、型のクランプ、などの時間も入っています。レジンそのものはA液B液混合から流し込み完了まで1〜2分がタイムリミットです。

原型製作の日程(遅くともイベント1か月前に完成)
 原型製作の第1関門は、本申請の写真提出時です。夏のワンフェスですと5月の連休明け、冬は10月末か11月の頭頃の日程です。本申請では原型の写真を提出します。版権元はその写真で販売を許可するか決めるので、かなり完成に近いところまで作っておかなくてはなりません。 未塗装でも大丈夫のようですが、厳しいところは塗装済み必須というところもあるとの噂です(^^;。
 第2関門は生産前ということになります。型取り・複製・見本やサンプルの作成といった作業が目白押しなので、原型は遅くともイベント1か月前には完成させたいですね。私は完成品の作成に3週間くらいかかってしまうので2か月前くらいを目標にしています。 版権元にもよりますが、基本的に完成品の提出を求められると考えていいと思います。これが間に合わなかったりいい加減だったりすると再提出やペナルティ(次回は当日版権の申請ができない)を受けることになるので、きちんと計画を立てておいた方がいいと思います。 「原型完成=キット完成」ではありませんので、くれぐれもご注意ください(^^;。

型取りの日程(遅くともイベント3週間前に完了)
 原型が完成後1週間くらいで型を完成させるのがスケジュールの目安でしょう。パーツをまとめて型の数を減らせば時間の短縮はできますが、複製で失敗しやすくなります。馴れないうちは余裕を持った日程を組み、リスクの少ない方法でトライしましょう。 「急がば回れ」です。

複製の日程(遅くともイベント2週間前に完了)
 複製を始めるとわんこそば状態になるので、土日など完全にお休みの日を利用して一気にやってしまうのが楽だと思います。ただ、夏場は型が冷えにくいので一連の作業でのショット数は少なめにした方がよいかもしれません。夏の場合は平日の晩に2〜3ずつ1週間複製していく、というのが合っているかもしれません。
 締切は完成品の作成にかかる時間に個人差があるので単純に期限を切ることができないのですが、パッキングや組立説明書の作成なども考慮して2週間前という設定にしました。 完成品は提出用であったり、当日の展示用であったりするのですが、展示品の出来映えが売上を左右することを忘れてはなりません。そう考えると展示品の製作時間を十分に取っておくことは戦略的に意味のあることと言えるでしょう。
 提出用の個数を複製して先に完成品を作るという手もあります。完成品ができたら残りイベント前日までできる限り複製するのです。時間がない場合はこの方法が安全かもしれませんね。持ち込み数が予定より少なくなる可能性はありますが、ギリギリのときはサンプルなどの提出物を揃えることが最優先となってしまいます(^^;。

アイテムの選択(ワンフェス後1か月ちょっと)
 当日版権アイテムは参加申込みの時に申請します。最初の申請は「仮申請」というもので後に取り下げることはできますが、後から追加することはできません。なので、申請するアイテムは参加申込みの時に決めておく必要があります。
 参加の申し込みはワンフェスの5か月前くらい(夏は3月末申込みで8月開催、冬は9月末申込みで2月開催)なので、イベントが終わったら1か月くらいで次のアイテムを決めるサイクルになります。

ディーラーカット(ワンフェス後1か月ちょっと)
 ワンフェスガイドブックに載っているディーラーカットは、参加申込みのときに作成・提出するので、それまでに作っておかなくてはいけません。
 ディーラーカットは当日版権の仮申請と同時期に作るため、見込みの情報も含まれることになります。本申請を見送るアイテムが含まれる可能性もありますから迷っているアイテムは載せない方がいいかもしれません。 ホームページがあればそちらを参照してもらえるようにできますが、多くの人はガイドブックを見てブースにいらっしゃるので、その辺の出し入れは難しいところですネ(^^;。
 巻末の広告は、原稿の締切が本申請の後になるので、ディーラーサイドとしては最終的な情報を掲載することができます。版権が不許可になってしまった場合は空振りになってしまうのですが、広告を使ってより確実なPRをする、というのもひとつの手段です。


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