Q ライセンス取得までどのくらい日数がかかるのでしょうか?

A パラグライダーのライセンスは国家資格ではなく、JHF(日本ハンググライディング連盟)という民間の団体が管理・発行を行っています。このためライセンスは「免許」ではなく、「技能証」という呼びかたをしています。
 で、そのパラグライダーのライセンスで主なものは、
  ・A級技能証
  ・B級技能証
  ・ノービスパイロット技能証(NP証)
  ・パイロット技能証(P証)

 の4段階があります。

(これ以外に、上昇気流を乗り継いでエリア外への遠距離飛行する時に必要なクロスカントリー技能証や、タンデム(二人乗り)フライト用のタンデムパイロット技能証、そしてイントラになるのに必要な技能証があります。これらはパイロット証の上位に位置づけられ、その方向の目的を持った人のみが取得すればいい技能証なので、今の段階で気にする必要はありません。またモーターパラグライダーの場合は別の技能証体系がありますが、それは別の機会に紹介します。)

 パラグライダーのパイロットとしての技術が上がるにつれA→B→NP→P証と取得し、最後のP証がパラグライダーパイロットとして一人前になったという、ひとつの目安になるわけです。


 で、このP証を取得するのにどのくらいの日数がかかるかという質問なのですが、はいそれは○○日です。と、一概に答えられないのです。
 例えば自動車の教習所の場合、第○段階で何時間ときっちり決められていますが、パラグライダーの場合は直線飛行○時間、離陸着陸○回などと厳密に決められているわけではありません。
 それにどんな乗り物でも一緒だと思いますが、パラグライダーの操縦技能は時間や回数などの数字で表されるわけではないので、インストラクターが講習生の技能の見極めを行ないます。従って当該技能証取得はスクールによって多少の差が生じるわけです。

 また自動車の教習であれば予約しておけばOKですが、パラグライダーは天候に大きく左右されます。晴れていても風が強かったり風向きが悪かったりすれば飛べませんし、飛べる条件であっても空のコンディションは一定ではなく、気流の安定している日、上昇気流の盛んな日、不安定な風がある日など様々です。
 つまりたとえ同じスクールであっても、その日によってコンディションが違うため講習の内容もある程度異なったものとなります。

 さらにパラグライダーの講習は昼間しかできないうえに、エリアの所在地が遠隔地にあることが多いため、多くのサラリーマン・OLにとって講習可能日は週末・祝日に限られてしまうという制限が加わってきます。 多くの人にとってすべての休日をパラグライダーのために空けておくことはフツー不可能な話ですので、ライセンス取得までの所要日数を予想するのは、3ヶ月天気予報をピタリ当てるのと同じくらい困難です。

 しかしそれでは答えになりませんので、あくまで目安として答えるなら、週末の趣味をパラグライダー一本に絞り、「それなりに」通ったとして1〜2年というのが、まあ普通の期間なのではないかと思われます。これは実際にパラのスクールに通い始めてからインストラクターに相談されれば、本人の適性やスクールに通うペースを元にだいたいの日にちを示してくれると思います。


 でもこのライセンスを取得するまでの期間を”修行期間”のように捉える必要はありません。この過程も、パラグライダーの楽しさの一部なのです。
 例えば車の場合、仮免許を取るまでは教習所の外に出ることはできません。アマチュア無線でも、無線局免状を交付されるまで電波を出すことができません。 でもパラグライダーはライセンスを取る前から、空を飛びまわることができるのです。
 いい飛びができるかは道具(機体)の差もあるものの、基本的には操縦する本人の腕次第。つまりパラグライダーの場合、講習中の身でもライセンスを取った後でも、空を飛ぶ・フライトを楽しむといった面からみれば大した違いがないのです。

 違いといえば、講習生にはイントラの指導・監視が必要であるということだけ。しかしそれも最初のうちだけで、NP証を取る頃になればイントラから細かい指示を受けることはありません。空中での操作は、基本的に自分の判断で行ないます。





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