空撮テク(4) 膝に装着−補足



 パラグライダーで飛行中、自分の膝にカメラを固定して撮影する方法(詳細は空撮テク(2) 膝に装着を見て下さい)についての補足です。

 私は、山で飛ぶ普通のパラグライダー(以下PG)とモーターパラグライダー(以下MPG)両方を楽しんでいます。両方とも同じ「パラ」ですから、この膝に付ける方法で撮れる写真も同じようなものだろうと最初は思っていたのですが、実はちょっとした違いがありました。

 どういう違いかと言いますと、撮影された写真の中で、MPGでは自分の頭上にパラグライダーのキャノピー(機体)が写っているのに対して、PGでは自分の姿は勿論写せるのですが、頭上に広がっているはずのキャノピーがなかなか同一フレーム内に収まらないようなのです。
 その理由は、飛行中の姿勢の違いにありました。


MPGの撮影範囲 パラの撮影範囲  図を見て下さい。

 それぞれ膝にカメラを装着したときの状況を模式的に図で表わしたものです。左がMPG、右がPGです。

 MPGのカラビナ位置は通常、肩周辺などの高い位置にあります。また背中に付けたプロペラの推進力を使う都合上、飛行中の人間の姿勢は直立状態に近くなっています。
 この時、膝の上に装着したカメラから上を見上げた時の撮影可能範囲は図のようになります。上体が起き上がっているため、自分の頭上にキャノピーが写ってくれる理由がお分かりになると思います。

 一方、PGの場合です。
 PGでは右側の図のようにカラビナ吊り位置が低く、姿勢も寝た感じになります。
 この時のカメラからみた光景は図に示したように、自分の姿とキャノピーが離れて見えます。つまり、カメラを膝に装着する方法では人間とキャノピーを同じ画面に収めた写真は撮りにくいということになります。
 (もちろん、どちらか片方のみを主題として撮る場合には何の支障もないので、これはあくまで二つとも撮ることを前提とした場合のみの問題です。)

 そこでこの膝へカメラを装着する方法で人間とキャノピーを同じ画面に収める方法としては、カメラをもっと手前、例えば脚の付け根あたりなどに装着して真上を見るような角度にしてみたり、MPGみたいな体を起こした飛行姿勢をとる(かなり無理がありそうですが…)なんてのがあります。

 あと考えられるのは、カメラを膝よりももっと離れた、足首などに装着(作例「サーマルヒット」)することです。
 カメラと体との距離が離れますので、それだけ写る範囲が広がります。脚を下方に伸ばし、ちょっと見上げるような角度で写せばいいんじゃないかと思います。
 ...なんて、実際にやってみるとなかなか思い通りにはならないんですけどね。
 (1998.7)





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