ここでは、製作に関する云々を長々と語らせて頂きます・・・
大した内容ではないのですが、今回妙に長くなってしまいました。

ご興味ある方、お茶でも飲みながら宜しくお付き合い頂ければ幸いです。

管理人:naoya





1.組立て

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パーツ一覧。スカートは前後で分割された2ピース構成(写真は既に接着済み)です。
全14パーツです。


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傾いていましたので、軸足(右足)に重心が乗るように修正します。
このとき、右足を垂直に立てると動きが無くなるので、そこに注意しています。
膝頭の位置が左右でバラバラにならないよう、2箇所で左足の長さ調節しました。



2.ディテール工作

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毛先の細分化をします。
左半分は工作中ですが、右半分が元の状態です。


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細分化終了。表面です。
ちょっとした跳ね毛をシアノン+アルテコで付け足したりしています。


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同じく裏面です。


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毛先が細いように見えますが、実際は前後に長い為、
パテ類で毛先を付け足しても割と頑丈に仕上がります。


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前髪も細分化します。
後ろ髪に合わせて、右→左になびく、流れをつけてやりました。
あと、おでこ付近の前髪のボリュームを増しています。


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白い部分がアルテコ+シアノンで修正したところです。
後ろ髪と違い毛先が細いので、取り扱いに注意しないとポキポキ折れます。


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襟のモールドが荒れていたので、作り直すことにしました。
まずは、元のモールドを削ぎ落とします。


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元のモールドを参考に、0.3mmのプラ板でモールドを作ります。


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曲げクセをつけたりしながら、瞬間接着剤で貼り付けていきます。


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0.3mmだと厚みがあるので、最後に表面を削って厚みを落として出来上がりです。


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足にはチュールを貼り付けることを考えて、靴のベルトは一度削り落とします。
チュール貼付け後、上からプラ板でベルトを再現することにしました。
まずは、寸法と位置の確認のため写真を撮っておきます。


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ベルトは0.5mmと0.3mmのプラ板の貼り合わせです。
チュールの厚みを考え、多少ブカブカに作って置きます。
靴の踵側に溝を掘り、差込式にしました。


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肩口の袖の付け根はモールドが無かったのでスジ彫りを加えてみました。
単なるスジ堀に見えないよう微妙な段差や丸みをつけて別体感が出るよう、
こだわってモールドを入れてみました。


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左肩の袖の付け根も同様にこだわってみました。
光硬化パテで、微妙な盛り上がりを加えたりしています。


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マイクの集音部は、ゴルフボール(ディンプル)のようなモールドで表現することにしました。
等配に、千鳥配列で、ピンバイスで軽く皿もみしてやります。
外周に従って間隔が広がり間延びするので、ドリルを0.8→1.2mmと変えながらモールドしました。


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大きく口を開けていますが、歯のモールドはありません。
上あごに0.5mmプラ板を貼り付けて、「歯」をつけてやります。



3.下地処理

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個人的には必要性を余り感じていませんが、おまじないと思って塗装前の下地に
プライマーを原液のままエアブラシします。
ただ、塗料に応じたプライマーの相性があるはずなので、知見を広げたいところです。


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経年で変色したわけではないと思いますが、昔のアイボリーキャストですので、
肌のサフレス塗装には黄色味が強すぎました。軽くホワイトFS17875を吹いて肌下地としました。
左の胴体が未塗装キャスト地、右の顔がホワイトFS17875塗装後です。


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肌以外の下地にはタミヤファインサフLを使ったのですが、凹み(溜り)に
気泡が生じ、軽く削っても泡が表面に出てくるだけなので、気泡を全て削り落としました。
またファインサフLは塗膜が柔らかくヤスリ目が残り易いので、綺麗に削り落とすにも手間です。
一部モールド修正にプラ材などを使用しているため容易にドボン出来ず、修正に手間取りました。
こうしたこともあるので、早く自分に合ったサフを見つけたいところです。


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上記のようなトラブルを経て下地処理の済んだパーツです。



4.肌塗装

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肌塗装に先立って、試験的に先に白目の暗部にエアブラシを入れてみました。
この後、白目をマスクして肌色を吹きます。


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今回の肌色は、色白で赤系を考えていました。
使用したのはMr.114 RLM23レッドです。クリアーで数十倍に薄めたものを吹き付けています。
色白ということで、濃淡も控え目にしました。


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塗り終わった肌色です。右手は塗り直しのため写真から外れています。
隠れてしまうお腹の辺りの造形は殆どまっ平らですが、らしく濃淡を入れてみました。



5.グラデーション塗装

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グラデーション塗装は影部を濃く塗るのが基本なので、無塗装状態で影の出方の写真を撮って
置くと、後で参考になるかな?と。


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服の白い部分などは、クリアーパープルでシャドウ吹き(影付け)を行っています。


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シャドウ(クリアーパープル)は極微量なので、少し引っかいただけでも塗装面を痛めます。
この後マスキングして赤を吹きますが、吹き漏れやリタッチを考えてクリアーで保護します。


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ところで、上の写真と全く同じ状態ですが、赤のテストピースを横に置いただけで
影(クリアーパープル)が目立たなくなってしまいました。


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案の定、赤を吹いて見ると影が全く目立たず、服の白さばかりが目立ちます。
この辺の按配は、経験の無さがネックです。


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再度マスキングして、クリアーパープルでトーンを一段落としてやりました。


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モールドを引き立たせる為、墨入れをしました。
修正を考えて光沢面に対して墨入れをしていますが、光沢面は薄めたエナメルを
弾くので綺麗に墨が入りません。
墨入れというより、細い線を引く感じで行っています。


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チュールを貼り付けるストッキングは、ガイアカラーのクリアーパープル青味
を薄く吹き付けることで色味をつけてみました。


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シャドウ吹きは多色のグラデーションですが、ここからは単色でハイライトを塗り残す
(所謂抜いた感じの)グラデーションを行います。
ベタ塗りの上にホワイトでハイライトを入れても濁ってしまいますが、
この方法だと綺麗なハイライトを入れることが出来るものと思われます。

粒子が荒れない位にシンナーで希釈した塗料を、細吹きで何度も何度も根気良く吹き付けます。
3段階に工程を分けて、まず一番濃い影となる部分に吹き付けた第一段階です。
この状態にするのに、1〜2時間程度掛かりました。


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第二段階は、濃い色を徐々に塗り広げていきます。
これ以降は若干エアブラシも開け気味にするので、時間はそれ程掛かっていません。
20〜30分といったところです。


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第三段階では、全体を好みに応じた濃さに調整をしています。


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同じく上半身も同様の手順を行いました。
第一段階です。この状態にするのに2〜3時間掛かりました。


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第二段階です。
テストピースと見比べながら、最終的な濃度を確認しながら作業しました。


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第三段階です。
スカートに比べると濃淡を潰し過ぎてしまった感があります。
後戻りは出来ません・・・


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背中面の第一〜第三段階です。
服の赤を塗るのに、丸一日をエアブラシを吹き続けました・・・


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時間が掛かった割りには微妙な仕上がりですが、
今回は、「とりあえず一度これで仕上げてみよう」ということにしました。


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同じくハイライトを残す塗装を行った髪の毛ですが、まずは失敗例です。
ミッドナイトブルーとダークアースの混色で、自然な黒髪をイメージした色を
粒子が荒れない位(物凄く薄いです)に希釈して細吹きします。


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とにかく影部に沿って、根気良く吹き続けます。
これで、3〜4時間程度吹き続けた状態です。
ただ、淡い部分の濃淡のムラが出てしまっていて、これが後の致命傷になりました。


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さらに吹き続けること2〜3時間


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先ほどの濃淡のムラを目立たなくするよう吹き足した結果です。
全てを塗り潰してしまいました。
初期に出来てしまった濃淡ムラは、後々まで響きます・・・


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結局、その後も同じ手間をかけたものに同じ失敗を繰り返すだけで、
濃すぎる(黒に近い)色を均一に薄く吹くことを、今回は諦めました。

髪の毛はマホガニーに変更して、同様の手順で塗装しました。
ただ、時間節約で希釈濃度を少し濃くしたため、粒子の荒れが出ています。


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胸と腰のリボンは、薄いピンク(純色マゼンタ1+ホワイト10)と
濃いピンク(純色マゼンタ2+ホワイト5)の2色使用しています。
まず、薄いピンクでハイライトを残すグラデ塗装を行い、次に濃いピンクでシャドウ吹きをします。
小さいパーツですが、形状のうねりをうまく濃淡で味付け出来たと思っています。



6.チュール貼り(ストッキング)

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チュール貼付けの前に、まずシームラインを決めます。
マスキングして、0.5mm幅の白ラインを塗装しました。
ただ、この塗装がチュール貼付け時に剥れ、邪魔なゴミと化しました。
シームラインは、塗装前にスジ彫りをしておく方が無難だと思います。


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今回使用した白いチュールです。
リボンのフロッキーの付いたソフトチュールを選んでいます。
購入先などは、コラムで紹介しています。


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なかなか気に入った配置にリボンが来なくて、場所選びが何気に手間です。
(このため、柄物を使うときは生地を余分に準備しておくのがベターだと思います)
また、バックシームラインなどにリボンが掛かったりしない等の制約も生じます。
位置合わせの仮固定には、練り消しを使いました。


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片足が貼り終わったので、比較してみました。
目立たない白チュールですが、影をつけてやると存在感が出ますね。


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シームラインは、φ0.8mmプラ棒を使いました。
接着面をDカットし、足の形状の曲げ癖をつけてから接着しています。
接着にはチュール貼付けと同じく、木工ボンドを使用しています。



7.顔描き

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瞳の輪郭と瞳孔の位置は、描き始めということもありますが、
出来上がりのイメージがしにくいので十分な時間を掛けて何度も納得いくまで修正しています。
この状態から出来上がりをイメージするのも結構大変だと思いますが・・・

尚、顔描きは修正を前提に行うので、クリアーコート以外は全てエナメル塗料を使ってます。
ここで一度クリアーコートをします。


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瞳の色入れですが、いきなり失敗例です。
薄茶と濃茶をブレンディングするのですが、何度やっても下の色の溶け出しが止まらず、
見せられるものではありませんでした。写真はまだマシな失敗です。
一週間以上やり直しを続け、正直このときは辛かった・・・


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これが自分にとって確実な方法となるか分かりませんが、とりあえず採用した塗り方です。
左目のように3色をまず塗り、各色の境界にエナメルクリアーを置いて、塗料を溶かしながら
ブレンディングしました。状況に応じて中間色を塗り重ねたりもします。
右目は、ほぼ最終に近い状態です。


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睫毛、舌、耳の墨入れなどを一気に行い、再びクリアーコートの後、瞳のハイライトを入れます。
耳の墨入れはエナメルのクリアーオレンジ、舌も同じくエナメルのクリアーオレンジ+クリアーレッドです。
クリアーコート直前、眉毛が無いことに気が付きました・・・


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別途作っておいた歯を取り付けます。まさに入歯ですね・・・
口内は、エナメルの白+クリアレッド+デザートイエローで、濁りのある肌色を作って塗っています。


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何とか顔が完成しました。



8.台座

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自立はするのですが、一応転倒防止で台座を作ります。
1.2mmプラ板を菱形に切り抜き、3mm角材を一周します。


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余分な角材をカットして整形。
この後、白塗装→クリアーコート→研ぎ出し、を順に行いました。


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右足の踵に雌ネジを切りましたので、ビスで固定します。
(写真に入れ忘れましたが、ワッシャーも入れます。)
雌ネジはプラリペアを使用しましたが、途中写真を撮っていなかったので、
これは改めて紹介したいなと思っています。



9.完成

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仮組時かなり余裕をみていた腰のリボンですが、度重なる厚塗りで嵌らなくなったり、
前髪取付け時に毛先を折ってしまうなど、最後までバタバタしてしまいました・・・




長々とお付き合い頂き、有難うございます!


髪の毛の塗装で妥協してしまったり、後に幾つかの修正をするつもりで
一区切りの完成としました。ただ、組立て時に破損したパーツや塗装の補修など、
これからどうするか、少々悩ましいところです。