2009.11.08 作成

プラリペアを使った台座への固定


ネジ式の台座固定の例です。キャストに直接タップを立てて雌ネジを切っても良いのですが、キャストは軟らかいので直ぐに舐めてしまうと思います。
そこで、強度のある「プラリペア」で雌ネジを作る方法を紹介したいと思います。



今回、1/8フィギュアの右足の踵に雌ネジを作ります。

固定に使うビスはφ2mmx長さ10mmですが、雌ネジ工作用に長めのビス(φ2x25mm)を用意します。

尚プラリペアは、粉末と液体を混ぜ合わせて硬化させるプラスチック樹脂です。


実はプラリペアで雌ネジを作る方法は特に目新しいものではなく、付属の説明書にも使用例として紹介されています。

但し、プラリペアは混ぜると直ぐに粘度が高くなるので、この方法を小さなビスに対して使うと「す」が入りやすく綺麗な雌ネジが出来ません。


固定に使用するビス長が10mmなので、まずは同じ径の「φ2mm」ドリルで「深さ15mm程度」の穴を空けます。


内容が前後しますが、穴の角度が写真の「赤い矢印」のような方向にあると、ビスで締めこんだ際に左足が浮いてしまいます。

真鍮線などで軸を打つ場合は後から軸を曲げることが出来ますが、ビスは曲げられません。この辺は普通の軸打ちと勝手が異なると思います。


先ほど空けた穴に、今度は「φ4mm」ドリルで「深さ7mm」の穴を空けます。

深くなり過ぎない様、予め7mmの位置に目印(テープ)を付けてあります。

※ 写真はペンチを使っていますが、タミヤのモデリングドリルチャックを使うとφ6.5のドリルまで固定できます。

長めのビス(φ2x25mm)を差し込みます。
(先に深さ15mmの穴を空けたのは、このビスを立たせるためです。)

尚、ビスのねじ山にはオイルを塗布して置きます。グリースやメンタムの場合、ねじ山を埋めない程度に薄くぬります。


隙間に、プラリペアの粉を充填します。
プラリペアの粉はサラサラで流動性が高いので、スルスルと入っていきます。

尚、すりきり一杯まで充填せず、1〜2mm残します。


プラリペア液体を垂らすと、サッと浸透します。溢れない程度に充填します。
(粉をすりきりまで入れなかったのは、液体が外に溢れ難くするためです。)

※ 今回の深さは7mmですが、あまり深すぎると最後まで浸透しなくなると思いますので、テストしてからやることをお薦めします。

プラリペア粉を継ぎ足して、充填します。

5〜10分くらいで形が崩れない程度に硬化します。


プラリペアは、完全に硬化すると加工し辛くなるほど硬くなります。
はみ出し分は、完全硬化前に切り取ってしまうと後が楽です。


完全に硬化したらビスを抜き取ります。
雌ネジが出来ました。

逆さまにして粉が落ちてくるようだと、プラリペア液体が浸透しきらず硬化不十分の可能性がありますね・・・ (-_-;)


最後に台座への取付けです。

見やすいように1mm厚の透明板に固定しています。
ビスの頭が小さいので、ワッシャを入れてます。


軽く締めてみました。

右足踵のφ2x10mmビス一本で固定しています。
わざと厳しい条件にしていますが、左足も接地して、しっかり固定されてますね。


長々と書いた割には、大した内容では無いですね・・・(^^;)

ところでプラリペアは、一般に「アクリルレジン」と呼ばれるもののようで、アクリルレジンは歯科技工の材料としてポピュラーなものです。
ただし、一般に小売されているアクリルレジンは「プラリペア」と「タフロンリベース」の2種類位しか分かりませんでした。
どちらも価格がネックですが、歯科技工用はもっと安いみたいです(-_-;)
もうちょっと安く入手出来ればなぁ、と思います・・・




コラム一覧に戻る