まえがき
「古(いにしえ)虚言(きょげん)無し」――韓非の言葉です。昔から使われてきた格言には、嘘やでたらめはないという意味です。
「良き金言、警句は、どの時代にも食事と同じように滋養を与え、何世紀にもわたって生きつづけるものである」――ニーチェの言葉です。
私は2000年10月の誕生日で満68歳になりました。格言を使うようになった小学校高学年から数えて約60年、私は格言とともに生きてきました。私がどんな格言をよく使ってきたか、どのように使ってきたか、そして、私の人生にどれほど大きな影響を与えてきたか、などを書きます。
私自身の人生を実験台にして、格言と社会の関わりを考えたいと思います。本稿を多くの青少年に読んでいただき、古き良き格言に出会われることを祈りつつ……
【全12回、2000年11月1日より、月2回(1日と15日)登載する予定です】
2000.11.1
政治評論家 森田 実
その11
人生には解決法なんてない。ただ進んでいくエネルギーがあるばかりだ(サン=テグジュペリ)
その10
一寸の光陰軽んずべからず(朱子)
その9
我らの目的は成功ではない。失敗に負けず前進することである(スティーブンソン)
その8
禍福は糾える縄の如し(史記)
その7
徳は、「過超」と「不足」によって失われ、「中庸」によって保たれる(アリストテレス)
その6
生きることの目的は生きることそれ自体である(ゲーテ)
その5
いかに永く生きたかではなく、いかに良く生きたかが問題である(セネカ)
その4
人の一生は重荷を負いて遠き道を行くが如し(東照宮遺訓)
その3
自分の経験はどんなに小さくとも百万の他人の経験より値打ちのある財産である(レッシング)