最近のボスニア(旧ユーゴスラビア)情報

(09/07, 2000)


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [リンク]

 09/01@<国連>千年紀サミットの焦点 各論で難航?理事国拡大(毎日新聞)
 09/01@EUがミロシェビッチ政権包囲網(読売新聞)
 09/01@<ユーゴ>セルビア人のコソボ内投票 副首相表明 論議呼び(毎日新聞)
 09/01@NATOが兵力配備強化へ ユーゴ選挙に対応と司令官(共同通信)
 09/01@<中国>天安門事件の学生に同情的発言 江国家主席がテレビ(毎日新聞)
 09/01@残る廃虚、続く貧困 内戦終結4年のリベリア(共同通信)
 09/01@米、パトリオット配備準備 イスラエルに (共同通信)
 09/01@<米国防総省>地域紛争同時発生の際の「2正面作戦」困難と(毎日新聞)
 09/01@米など未加盟国に参加要請 対人地雷の検討会議宣言案(共同通信)
 09/01@◇Jリーグ磐田のハジェブスキー監督が退団◇(朝日新聞)
 09/02@<ユーゴ連邦軍>セルビア南部で軍事演習を展開(毎日新聞)
 09/02@<ユーゴ大統領選>野党統一候補が国際社会への復帰を公約(毎日新聞)
 09/02@◎任期中にカラジッチ被告逮捕を=米大統領が軍に指示−英紙(時事通信)
 09/02@◎シドニー五輪へ初の3民族合同選手団=ボスニア〔五輪〕(時事通信)
 09/02@<ニュース・キー>米NMD先送り 対中関係、無視できず(毎日新聞)
 09/02@<スーチーさん>ろう城が終わる タイの大学の助教授に聞く(毎日新聞)
 09/02@<CD発売>日本人プロモーターがジンバブエの曲を収録(毎日新聞)
 09/02@<NMD>中国外務省が米大統領の決定を評価(毎日新聞)
 09/02@<ミャンマー>ろう城のスーチーさんらを強制退去 軍政当局(毎日新聞)
 09/02@◇クリントン米大統領、NMD配備の先送りを発表◇(朝日新聞)
 09/02@少数派住民理解へ手引書 ロンドン警視庁が作製(共同通信)
 09/02@<NMD>NATO事務総長も米大統領決定を評価(毎日新聞)
 09/02@<NMD>プーチン大統領が米大統領の先送り決定を歓迎(毎日新聞)
 09/02@<NMD>配備決定先送り 共和党の政権批判必至に(毎日新聞)
 09/02@<サッカー>ベネチア退団の名波が磐田に復帰(毎日新聞)
 09/02@名波、移籍交渉まとまらずジュビロに復帰 (読売新聞)
 09/03@<EU>「欧州連邦制」など討議し非公式外相会議閉幕へ(毎日新聞)
 09/03@移民から温かい歓迎受ける ボスニア・ヘルツェゴビナ 五輪(共同通信)
 09/03@<揺らぐ東方正教会>3派並立 異常事態に ウクライナ(毎日新聞)
 09/03@<揺らぐ東方正教会>広がる民族主義の波=企画「宗教と政治(毎日新聞)
 09/03@モスクワに74民族マフィア(読売新聞)
 09/03@国防長官は一部発注進言 NMD先送りで米紙(共同通信)
 09/03@実効性ある活動できず 休戦ほごのコンゴPKO(共同通信)
 09/03@ABMで建設的対話を期待(共同通信)
 09/03@ロ新政権誕生が最大要因 NMD配備先送りで米紙(共同通信)
 09/03@◇「理性的な態度だ」 米国のNMD先送りで中国外務省◇(朝日新聞)
 09/04@ユーゴ大統領選に4候補(共同通信)
 09/04@<ユーゴ>大統領選を前にEUの圧力増す 民主化へ支援策(毎日新聞)
 09/04@安保理、今年末までにPKO改革の具体策 (読売新聞)
 09/04@<EU>非公式外相会議閉幕 ユーゴ大統領敗れれば制裁緩和(毎日新聞)
 09/04@<日露首脳会談>「国境画定」露が拒否 条約の年内締結は困(毎日新聞)
 09/04@<人種会議>2010年までを「反人種差別運動」と定め閉幕(毎日新聞)
 09/04@環境親善大使に日本人起用(共同通信)
 09/04@<スーチー女史>軍事政権が国民民主連盟をテロ計画容疑で捜(毎日新聞)
 09/04@対照的な2法王を同時列福 保守、進歩両派が妥協?(共同通信)
 09/04@◇緊急人道支援―NGOは自立してこそ◇ (朝日新聞)
 09/04@露「TMD問題」提起か、露軍首脳が見通し(読売新聞)
 09/05@◎ユーゴ連邦選のコソボ実施認める=国連代表(時事通信)
 09/05@<揺らぐ東方正教会>世界総主教庁 孤立深める「本家」(毎日新聞)
 09/05@<中東情勢>パレスチナが独立宣言延期も アラブ結束見守る(毎日新聞)
 09/05@日本は7カ所に配備か 米紙がTMD構想図掲載(共同通信)
 09/05@日ロ首脳声明の要旨(共同通信)
 09/05@東ティモールで再出発 ダイアナ妃ボディーガード(共同通信)
 09/05@◎ミロシェビッチ氏を戦犯法廷に引き渡さず=野党連合の大統(時事通信)
 09/05@◇紛争解決能力強化を 英政府が国連改革案◇(朝日新聞)
 09/05@逆境に負けない強さ 父と二人三脚のドキッチ テニスの話題(共同通信)
 09/06@<ユーゴ大統領選>野党候補が世論調査で現職を大きく引き離(毎日新聞)
 09/06@東ティモール併合派が襲撃、国連職員3人死亡(読売新聞)
 09/06@ロ大統領、国連の役割強調(共同通信)
 09/07@◇民兵集団が国連事務所を襲撃、3人死亡 西ティモール◇(朝日新聞)
 09/07@<国連ミレニアムサミット>各国首脳が集まり NYで開催=(毎日新聞)
 09/07@西ティモール国連職員殺害で容疑者15人逮捕(読売新聞)
 09/07@<地雷禁止会議>世界の使用状況について千ページの報告書(毎日新聞)
 09/07@<西ティモール>職員3人殺害事件で、職員を全員避難へ 国(毎日新聞)
 09/07@PKO強化で声明採択へ 安保理首脳会議を開催(共同通信)
 09/07@国連事務総長選任に拒否権も 常任理に強大なパワー(共同通信)
 09/07@<編集部から>ユーゴ訪問の児童合唱団を同行取材して(毎日新聞)
 09/07@クリントン大統領、米露軍備交渉を後継者に押し付け(読売新聞)
 09/07@◇インドネシアに民兵の武装解除を要求 国連安保理◇(朝日新聞)
 09/07@◇サミットでPKO論議が一気に活発化 国連職員襲撃◇(朝日新聞)
 09/07@14のPKOが展開中 冷戦後、飛躍的に増大(共同通信)
 09/07@◇「窓」―熟年協力隊◇(朝日新聞)
 09/07@国連強化へ論戦展開 米英首脳はPKOで一致 サミット初日(共同通信)
 09/07@米露首脳会談、軍備管理など協調で合意(読売新聞)
 09/07@NMD先送りは協調の成果 江主席にロシア大統領(共同通信)
 09/07@ロシア側に原潜事故データ渡す 米大統領補佐官(共同通信)
 09/07@対人地雷を122万個貯蔵 米軍が朝鮮有事に備え(共同通信)

 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。  [最初のページに戻る]


[このページの最初に戻る]

 09/01@<国連>千年紀サミットの焦点 各論で難航?理事国拡大(毎日新聞)

 ニューヨークの国連本部に世界各国の首脳を集めて9月6日から8日まで開かれるミレニアム(千年紀)サミットとこれに続くミレニアム総会では「安全保障理事会(安保理)の改革」と「国連平和維持活動(PKO)の機能強化」が大きな焦点になる。とりわけ深刻なのが安保理問題で、いまのような機能低下状態が続けば、国連の権威そのものを低下させてしまう懸念がある。2つの問題について、その現状と課題、サミットでの議論のポイントをまとめてみた。【ニューヨーク・上村幸治】
 【安保理改革】
 中国は今年7月の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)への不参加を決めた直後から、国連の重視を改めて声高に訴えるようになった。G8サミットより、国連を重視せよとほのめかしているようにもとれた。
 これには背景がある。中国は国連安保理にあっては拒否権という絶対的な権力を誇示している。しかし、仮にG8サミットに参加すれば、日本やカナダと同じ一つの国に過ぎなくなる。ドイツの外交官からは「これからは国連でなく、G8などの会議で、国際社会の意思を決定すれば良い」という声まで出た。中国としては、国連以外の場所で主要国の意思決定・合意形成が進むと、自国が不利になる。だから国連重視を強調する、というわけだ。
 国連安保理は、常任理事国5カ国(米英仏露中)と非常任理事国10カ国で構成しているが、このうち常任理事国だけが拒否権を持っている。常任理事国は、第2次世界大戦の戦勝国を軸に構成されているだけで、現在の国力・影響力とは何ら関係がない。
 国連の通常予算分担率(2000年)でも、1位こそ常任理事国の米国25%だが、2位は日本20・573%、3位はドイツ9・857%だ。フランス6・545%、英国5・092%で、ロシアはわずか1・077%、中国も0・995%に過ぎない。
 しかも、冷戦期には常任理事国が拒否権を乱発した結果、国連は平和維持の機能をあまり果たせなかった。冷戦が終わり、ようやく国連の出番が来たかと期待されたが、ここしばらくを見ても、国際情勢で重要な役割を果たしてきたとは言い難い。
 劇的な南北首脳会談が行われた朝鮮半島の情勢に関して、国連は何のイニシアチブも発揮できなかった。昨年3月のコソボ紛争では北大西洋条約機構(NATO)が国連安保理の決議なしにユーゴ空爆に踏み切っている。チェチェン危機では、ほかならぬロシアが当事国ということもあり、まともな議論すら行われていない。常任理事国5カ国が国益を優先するため、これらの国がからむ問題では、効果的な対応が出来ないのである。
 国連はすでに、93年12月に安保理改革作業部会の設置を決議し、本格的な改革に乗り出している。97年には、作業部会のラザリ・イスマイル議長が改革案(ラザリ案)を提示し、安保理構成国の数を現行の15から24に増やすよう求めた。
 しかし、ドイツの常任理事国入りを嫉妬するイタリアが「コーヒー・クラブ」と呼ばれる反改革グループを作り、決定の先延ばしを求めた。その後、ロシアや中国もこの動きを支持している。
 それでもかなりの数の国が、安保理常任・非常任理事国の枠の拡大に同意するようになり、常任理事国の拒否権の制限を求める声も強まってきた。
 当初は安保理改革に慎重だったアナン事務総長も、危機感を抱くようになり、今年4月にミレニアム・サミットに向けた報告書を発表、安保理を早急に改革するよう求めた。
 同じころ、安保理構成国の数は21までしか増やすべきないと主張し、改革論議を停滞させていた米国が、日本の説得で「21より少し大きな数に増やすことを検討する用意がある」と表明し、積極姿勢に転じた。沖縄サミットでも、イタリアを含む主要8カ国の首脳が安保理改革を促した。
 これを受けて、グリラブ国連総会議長(ナミビア外相)がミレニアム・サミット宣言の草案の中で安保理改革を促している。ミレニアム・サミットでは、各国首脳の議論を踏まえ、この宣言を採択する。こうした動きにより、安保理改革をめぐる議論に弾みがつくのでは、と期待されている。
 もっとも、総論賛成でもどこが新たに常任理事国になるのかといった個別の問題では、意見が対立しがちだ。実際に改革を実行するには、加盟188カ国の3分の2の賛成が必要ということもあり、実現にはかなり時間がかかりそうだ。
 【PKO】
 「国連は一般市民を大量虐殺から守るという任務に2度と失敗しないようにしたい。これが国連事務総長の最も重要な職責だと考えている」――昨年12月、ルワンダ大虐殺に関する報告書が国連に提出された時、アナン事務総長は沈痛な表情で、こう語った。
 ルワンダ大虐殺は、アフリカ中部の同国で、わずか100日余りの間に、ツチ族住民80万人がフツ族に殺された事件だ。レイプ、拷問なども行われ、凄惨を極めた。
 国連は当時、PKO要員を現地に派遣していた。しかし、その任務が「和平協定の履行監視」にあると説明して中立的な立場に終始し、虐殺を防止できなかった。このため、スウェーデンのカールソン前首相らがまとめた報告書は、国連PKOの対応に問題があったと厳しく指弾している。
 ルワンダ報告を受け、アナン事務総長は、諮問機関「国連の平和活動に関する委員会」にPKOの見直しを要請した。
 委員会はPKOの機能を強化するため(1)和平協定違反者に対し、中立的立場を取らず、現実的に対応する(2)PKO派遣にからむ事務総長の権限拡大(3)緊急展開部隊を創設するための事前登録制導入――などといった提言を行った。
 地域紛争が多発し、従来のPKOが想定していなかった事態が起きているため、これに備えようという色彩が強い。どうすれば大量虐殺のような事態を防止できるかという観点から考えられた内容が目立つ。
 もっとも、現時点でこうした虐殺が懸念されるのは、泥沼のような内乱の続くアフリカだ。たとえばシエラレオネでは、今年5月に、国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)が攻撃を受け、要員約500人が拘束されるという事件も起きている。
 その一方、アジアの国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)や、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)といったPKOは、成功している。したがってアナン版PKO強化策は、とりあえずアフリカを念頭に置いたものということになりそうだ。
 報告書はミレニアム・サミットに提出され、各国首脳らの議論にかけられる。とりわけ、9月7日の安保理サミット(安保理構成国の首脳による会議)で、重点的に討議される予定だ。安保理サミットでは、当然ながらアフリカ問題そのものも焦点になる。
 【ミレニアム・サミットとミレニアム総会の主な議題】
・平和と安全保障
・貧困の根絶
・環境保護
・国連改革
・PKO機能の強化
・重債務貧困国の債務削減
・アフリカ問題
・エイズ対策
・IT(情報技術)
・グローバリズムへの対応
【サミットの主な参加予定者】(186カ国の大統領、主席、首相、国王、閣僚など)
クリントン米大統領▽ブレア英首相▽シラク仏大統領、▽プーチン露大統領▽江沢民・中国国家主席▽森喜朗首相▽金大中・韓国大統領▽金永南・朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員長▽シュレーダー独首相▽ワヒド・インドネシア大統領▽マハティール・マレーシア首相▽バジパイ・インド首相▽バラク・イスラエル首相▽ハタミ・イラン大統領▽ムバラク・エジプト大統領▽アラファト・パレスチナ自治政府議長▽フジモリ・ペルー大統領[2000-09-01-23:42] 10
[このページの最初に戻る]


 09/01@EUがミロシェビッチ政権包囲網(読売新聞)

 【ブリュッセル1日=島崎雅夫】今秋、バルカン半島で選挙が相次ぐのをにらみ、欧州連合(EU)が、ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権に対し、本格的な揺さぶりをかけ始めた。欧州の一角を占めるバルカン半島の安定化には、ミロシェビッチ強権体制が障害になるとの判断を強めたためで、今後、バルカン諸国の民主勢力やユーゴの民主的自治体だけに、選別的に教育や経済援助を実施する。十一月には、ミロシェビッチ大統領を除外した形で初のEU―バルカン首脳会議を開催し、同大統領の孤立化、バルカンの民主化を促す構えだ。
 EUは七月中旬、「草の根の交流」(欧州委)で民主化の拠点を増やすため、ユーゴで反体制派が政権を握るニシュ、ノビサド、パンチェボ、ポドゴリツァなどの市長をブリュッセルに招き、EU域内のアテネ、バルセロナ、リールなどの市長と対話する場を設けたが、今後、これらの自治体を対象に、教材の提供や教師の派遣など、「民主化のための教育支援」と銘打ったキャンペーンを実施する。
 経済面では、ミロシェビッチ政権と関係のない市町村、企業約二百を「ホワイトリスト」(優良団体)に選定、十年近く続けてきた経済制裁の対象外とする予定だ。
 バルカン首脳会議は、それまでの民族主義政権に代わって新政権が今年二月に誕生したクロアチアで開催し、メシッチ新政権を「民主化のモデル」として、バルカン諸国の首脳に改革を呼びかける。
 EUがユーゴへの内政干渉とも言える措置を次々と打ち出す背景には、強硬な民族主義政権の存在が「欧州の庭」で新たな民族紛争を招きかねないという危機感がある。
 バルカン半島では、九月二十四日にユーゴスラビアで連邦議会、大統領選が行われるのをはじめ、総選挙がボスニア・ヘルツェゴビナ(十一月十一日)で、地方議会選がマケドニア(九月十日)、アルバニア(十月一日)、ユーゴのコソボ自治州(同二十八日)で予定されている。こうした選挙を民主化、脱民族主義化の糸口にしようとの思惑もある。
 プローディ欧州委員長は、「EUは(平和維持の緊急展開部隊創設で)欧州安保の軸となることを目指している。欧州の安定に反する勢力を放置できない」と言い切る。
 EUは、九一年のクロアチア内戦以来、民族紛争の調停に再三失敗してきた。今度の新バルカン政策が、バルカン半島に民主化の「ドミノ現象」を巻き起こし、欧州の安定を招来できるか、EUの力も問われている。[2000-09-01-21:54] 13
[このページの最初に戻る]


 09/01@<ユーゴ>セルビア人のコソボ内投票 副首相表明 論議呼び(毎日新聞)

 【ブドバ(モンテネグロ)1日福井聡】ユーゴスラビアのサイノビッチ連邦副首相は8月31日、国連監視下の同連邦コソボ自治州に残る約10万人のセルビア人が9月24日の連邦大統領選挙にコソボ内で投票できると発表した。国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のクシュネル特別代表は「コソボ内でのユーゴの選挙活動は難しい」との立場を取っており、今後論議を呼びそうだ。
 同副首相は「コソボのセルビア人のミロシェビッチ大統領への支持は彼らのコソボ残留意思と同等で、大統領と与党・社会党の政策にも合致している」として、コソボ内での投票所設置を確認した。また、時期は明示しなかったが、ミロシェビッチ大統領がコソボ訪問計画を持っているとも発表した。
 これに対し、UNMIKは「コソボ内でセルビア人政治家が選挙運動を行えば、多数派のアルバニア系住民は激怒し、治安悪化が予想される。ミロシェビッチ大統領は国連旧ユーゴ戦犯法廷で起訴されており、コソボ内に足を踏み入れれば直ちに逮捕されるだろう」と発表した。
 ユーゴ選管はコソボ内の投票所の設置場所など決めていないが、ユーゴの野党側は「コソボのセルビア人は有権者リストがなく、投票の監視も難しい。与党側の不正工作の温床になる」などと異議を唱えている。
 コソボは昨年の北大西洋条約機構(NATO)空爆終了後の国連安保理決議で、「ユーゴ連邦の領土の一部」とされたが、実質上国連監視下に置かれている。UNMIKが治安を理由に投票実施を拒否するかどうか注目される。[2000-09-01-10:24] 14
[このページの最初に戻る]


 09/01@NATOが兵力配備強化へ ユーゴ選挙に対応と司令官(共同通信)

 【ウィーン31日共同】ティラナからの報道によると、アルバニア訪問中の北大西洋条約機構(NATO)のラルストン欧州連合軍最高司令官は三十一日の記者会見で、ユーゴスラビアで九月二十四日に大統領選などが行われるのに合わせNATOが周辺国への兵力配備を強化すると述べた。
 司令官は「不測の事態があっても対応できるよう大規模な配備を実施する」と述べ、選挙結果を受けてミロシェビッチ・ユーゴ大統領が何らかの軍事行動を起こしても素早く対応するとの決意を表明した。
 選挙ボイコットを決めたユーゴ連邦モンテネグロ共和国では、大統領がユーゴ連邦軍を出動させて親セルビアの共和国政府樹立を図る恐れがあるとのうわさが流れている。(了)[2000-09-01-07:33] 133
[このページの最初に戻る]


 09/01@<中国>天安門事件の学生に同情的発言 江国家主席がテレビ(毎日新聞)

 【北京1日浦松丈二】中国の江沢民国家主席(党総書記)は米CBSテレビのトーク番組「60分間」の収録の中で、1989年6月の天安門事件について「民主と自由を求める学生の情熱は理解していた」と述べた。中国指導者が天安門事件に絡んで学生に同情的な発言を示すことは珍しい。
 江主席は事件当時、学生たちが腐敗反対をスローガンに掲げたことを指摘し「この点では学生と党の考え方は一致していた」と、学生たちに理解を示した。
 一方で、「非常事態に乗じて、学生を利用し、民主化を口実に政府を転覆する人々を許すわけにはいかない」と述べ、天安門事件を反政府活動と認定した党の決定は正しいとの認識を改めて強調した。
 江主席は4日から国連ミレニアム(千年紀)サミット出席のためニューヨークを訪れる。番組は訪米を前に8月15日に中国河北省の北戴河で収録。3日午後7時(米東部時間)、全米で放映される。放映に先だって1日、CBSホームページの中で江主席の発言内容が公開された。[2000-09-01-22:06] 165
[このページの最初に戻る]


 09/01@残る廃虚、続く貧困 内戦終結4年のリベリア(共同通信)

 七年にも及んだ西アフリカ・リベリアの内戦が終わって四年。社会基盤の破壊がひどく、今も電気や水の不足が続いている現地を、このほど国連児童基金(ユニセフ)親善大使の黒柳徹子さんに同行して訪れた。国際支援が途絶えた中、各地には廃虚と貧困に苦しむ人々の姿があった。
 首都モンロビアのクララタウン地区の診療所。早朝から患者が列をなし、中には意識がなくぐったりとした乳児も。診療所によると、六○%がマラリア患者だ。貧困のため地域住民の五%しか蚊帳を持っていない。マラリアに続いて多いのが梅毒などの性病だが、検査用具がないため、エイズは検査さえできない。
 大半の医者は国外脱出し、国内にいる医者はわずか三十二人。この診療所でも医療補助員が患者を診ていた。アーサー・カシアさん(45)は、治療に追われながら「医療施設なのに水も電気もない」と嘆く。
 首都の電気と水の供給源だった郊外のダムは一九九○年に破壊された。現在は台湾の援助による火力発電機が稼働しているが、出力が小さい上「電線がないので各地に送電できない」(電力会社職員)状態。きれいな水も、需要の三割程度しかまかなえない。
 シエラレオネ反政府勢力への武器支援や、その見返りとしてのダイヤモンド違法取引の疑惑。リベリア政府は否定しているが、米国は昨年十一月から経済制裁を実施。日本もユニセフを通じた財政支援を昨年から停止した。国民の八割が一日一ドル以下の生活を強いられている。
 リベリア事務所のキマルヨ所長は「再び内戦が始まるとすれば、政治的な理由ではなく、貧困が原因となるだろう」と憂慮する。
 南部の都市ブカナンのリハビリ施設で黒柳さんは、両腕を切断された十六歳の元子供兵士に「自分をこんなにした人を憎んでいるでしょう」と問い掛けた。「教会で許すということを教えられたので、今は許している。戦争だから仕方ない」。子供の返答に、黒柳さんは思わず涙ぐんだ。
 「あの子は腕がなく働き手になれないので、家族も引き取りを拒んでいるという。大人が起こしたことで子供たちが大きな傷を負うのは本当にかわいそう」。黒柳さんは七日間のリベリアの印象をこう振り返った。(モンロビア共同=大野圭一郎)(了)[2000-09-01-16:10] 167
[このページの最初に戻る]


 09/01@米、パトリオット配備準備 イスラエルに(共同通信)

 【ワシントン1日共同】一日付の米紙ワシントン・ポストによると、米国防総省はイラクが米大統領選期間中にイスラエルを弾道ミサイルで攻撃することを警戒、八月三十一日、ドイツに駐留するパトリオット迎撃ミサイル部隊にイスラエル配備の準備に入るよう命じた。
 同紙によると、米軍の偵察衛星は最近、イラク軍のミサイル実験が増えていることを発見。米政府高官は具体的なミサイル攻撃の兆候はないとしながらも、「イラクのサダム・フセイン大統領は過去にも、米国が選挙中で散漫になっている、と誤算したことがある」と述べた。
 また同高官はイラクの大量破壊兵器を査察する国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の準備が整ったことから、イラクが査察を中止に追い込もうとミサイル実験などで威嚇する可能性があると指摘した。(了)[2000-09-01-15:49] 186
[このページの最初に戻る]


 09/01@<米国防総省>地域紛争同時発生の際の「2正面作戦」困難と(毎日新聞)

 【ワシントン31日布施広】米国防総省は8月31日、朝鮮半島を含む二つの地域の紛争に対処する米軍の「2正面作戦」の遂行が困難になっているとの報告書を米議会に提出した。冷戦後の兵力削減などに伴う米軍の戦闘能力上の問題には、これまで国防総省幹部らも言及してきたが、米政府は公式な報告書で2正面作戦の限界を認めたことになる。
 2正面作戦は、朝鮮半島のほか中東、欧州などでの紛争同時発生を想定したもので、二つの軍事作戦で勝利を収めることが、従来の米戦略の基本になっていた。しかし、国防総省の報告書は、米軍が兵力不足や訓練、装備上の問題を抱えていると指摘、今でも2正面作戦の遂行は可能だが「戦闘能力の低下などが作戦実行上の危険を増大させている」と結論づけた。
 また、具体的事例として、海軍の航空戦力の問題を挙げ、海軍所属の航空機や空母が2番目に起きた紛争に対処するのは難しいと指摘、電子戦用の航空機の不足にも言及した。さらに海兵隊の陸上装備の老朽化、空軍の部品不足や技術上の不安などを挙げて、2正面作戦遂行に関する「戦略上の懸念」を示した。
 軍事筋によると、米軍の兵力は冷戦時と比べて、この10年間で40%近く削減された。このためシェルトン統合参謀本部議長は昨年10月の議会証言で、2正面作戦の遂行が難しくなっていると発言した。米国の元議員や国防関係者らで構成する、国防総省の諮問機関「21世紀国家安全保障委員会」も今年4月、2正面作戦は時代遅れとする報告書をまとめ、新たな戦略の策定を求めている。
 こうした動きを受けて共和党は「米軍の強化」を要求、大統領選候補のブッシュ・テキサス州知事は「強いアメリカ」の復活を選挙公約に掲げた。これに対しコーエン国防長官は、米軍の戦闘能力に不安はないと反論していたが、米軍の大戦略(2正面作戦)の遂行が難しくなったとする国防総省の報告書は、大統領選をめぐる論議にも一石を投じることになりそうだ。[2000-09-01-11:33] 205
[このページの最初に戻る]


 09/01@米など未加盟国に参加要請 対人地雷の検討会議宣言案(共同通信)

 【ジュネーブ31日共同】ジュネーブで九月十一日から十五日まで開かれる対人地雷全面禁止条約の第二回締約国会議で採択予定の宣言案が八月三十一日までにまとまった。世界各地の紛争地域で対人地雷が依然として使用されていることを批判、米国をはじめとする未加盟国に参加を強く求めている。
 宣言案は、対人地雷が「罪のない人を殺害し続けている」ことに「強い懸念」を表明。「条約の責務を公式に受け入れていない」国に対し、速やかに条約を批准するよう要請している。
 国名の名指しを避けているが、宣言案策定にかかわった関係筋によると、「対人地雷使用国」はアンゴラなどの紛争地域を、「未加盟国」は米国やロシア、中国などを念頭に置いている。
 締約国会議には条約加盟国の政府代表のほか、条約締結に影響力を発揮した非政府組織(NGO)も多数参加。一九九七年にノーベル平和賞を受賞した地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)が中心となってまとめた「地雷モニター報告」も会議に併せて発表される予定だ。
 通称「オタワ・プロセス」と呼ばれる対人地雷全面禁止条約は九七年、カナダ政府とICBLが主導して調印にこぎ着けた。日本は批准済みだが、米国は朝鮮半島で対人地雷を限定的に使用する必要があるなどの理由から署名していない。(了)[2000-09-01-07:50] 11
[このページの最初に戻る]


 09/01@◇Jリーグ磐田のハジェブスキー監督が退団◇(朝日新聞)

 Jリーグの磐田は1日、ギョキッツァ・ハジェブスキー監督(45)の退団を発表した。鈴木政一コーチ(45)が新監督に就任する。
 出身国のマケドニア代表監督も務めたハジェブスキー監督は昨年末、磐田の監督に就任。2年連続のJリーグ・チャンピオンシップ、アジア・スーパーカップの優勝を目指した。だが、Jリーグ第1ステージは9勝6敗の5位で優勝を逃し、第2ステージも第10節を終えて6勝4敗で5位にとどまっている。2連覇を狙ったアジアクラブ選手権は4月の決勝で敗れた。
 鈴木新監督は1977年、磐田の前身のヤマハ発動機に入り、83年には天皇杯全日本選手権で優勝。指導者となり、磐田ではサテライト監督、スカウト部長などを経て、今季からトップチームのコーチに就いた。[2000-09-01-21:39]
[このページの最初に戻る]


 09/02@<ユーゴ連邦軍>セルビア南部で軍事演習を展開(毎日新聞)

 【ベオグラード2日福井聡】ユーゴスラビア連邦軍は1日、同連邦コソボ自治州から約100キロ東のセルビア南部で軍事演習を展開した。ユーゴ軍のパブコビッチ最高司令官はコソボ内のセルビア人迫害を強く非難し、「ユーゴ軍はセルビア人の治安維持のため、すぐにでもコソボに展開する」と主張したが、コソボに展開中の国際治安維持部隊(KFOR)は「ユーゴ軍が戻る計画はなく、選挙運動の一環」とみている。[2000-09-02-22:46] 3 [このページの最初に戻る]


 09/02@<ユーゴ大統領選>野党統一候補が国際社会への復帰を公約(毎日新聞)

 【ベオグラード2日福井聡】ユーゴスラビアの15の野党でつくるセルビア民主野党連合は1日、ベオグラードで9月24日投票の大統領・議会選挙に向けた選挙キャンペーンを公式にスタートさせた。15党の統一大統領候補、コシュトゥニツァ民主党党首は「当選後、ユーゴを全欧安保機構(OSCE)、国連、主要国際金融機関の正統なメンバーに戻す」と国際社会への復帰を公約に掲げた。
 コシュトゥニツァ候補は会場を埋めた約4000人の野党代表を前に、「私は祖国ユーゴを法と神と人々の名の下に、より良いものに変えることを誓う。権力を得ても私自身は決して変わらない」と支持を呼びかけた。さらに、当選した場合、1年半以内に新憲法制定のための自由選挙実施を約束した。
 最新の支持率調査ではコシュトゥニツァ党首35・3%、再選を目指す与党候補ミロシェビッチ大統領24・4%で、10ポイント以上の差がついている。
 ミロシェビッチ大統領は情勢不利と見て8月31日、国連統治下にあるユーゴ連邦コソボ自治州内での投票所開設を発表。野党側は「投票を拒否しているアルバニア系住民の架空名義を使った大規模な不正投票工作の前兆」と警戒を強めている。[2000-09-02-09:48] 4
[このページの最初に戻る]


 09/02@◎任期中にカラジッチ被告逮捕を=米大統領が軍に指示−英紙(時事通信)

 【ロンドン2日時事】2日付の英紙タイムズによると、クリントン米大統領は、戦争犯罪で国際指名手配中のボスニア・ヘルツェゴビナの元セルビア人勢力指導者ラドバン・カラジッチ被告を自らの任期中に逮捕するよう米軍当局に指示した。同被告逮捕を任期中最後の外交得点にしたい意向という。 [時事通信社][2000-09-02-09:01] 6 [このページの最初に戻る]


 09/02@◎シドニー五輪へ初の3民族合同選手団=ボスニア〔五輪〕(時事通信)

 【ウィーン1日時事】1992年から95年まで激しい民族紛争が続いたボスニア・ヘルツェゴビナの五輪委員会は1日、シドニー五輪へ初の3民族合同選手団を送り込むことを明らかにした。内戦終結から5年目にしてようやく、敵対を続けたイスラム教徒、セルビア人、クロアチア人からなる五輪合同選手団が実現した。
 選手団は9人で、イスラム教徒とクロアチア人勢力でつくる「ボスニア連邦」から5人、「セルビア人共和国」からは4人が選ばれ、陸上、水泳、柔道などの競技に参加する。  ボスニアは、96年のアトランタ五輪、98年の長野冬季五輪にも選手団を派遣した。しかし、セルビア人共和国が合同選手団の結成を拒否したため、国を挙げての選手団編成には至らなかった。長野五輪では、制定されたばかりのボスニア国旗が使用されて話題になったが、セルビア共和国選出の選手はいなかった。(了)[時事通信社][2000-09-02-07:52] 6
[このページの最初に戻る]


 09/02@<ニュース・キー>米NMD先送り 対中関係、無視できず(毎日新聞)

 クリントン米大統領は米本土ミサイル防衛(NMD)の配備決定を次期政権に先送りすると表明した。米政権が「将来の国防政策の支柱」と位置付けてきたNMD配備計画の事実上の見直しの背景には、迎撃システムに対する技術的問題だけでなく、対中関係への政治的配慮、国防問題の批判をタブー視しなくなった米国民の意識変化がある。NMDに密接に関連する戦域ミサイル防衛(TMD)の日米共同研究に突き進む日本政府の対応が問われることになる。 【ワシントン・布施広、北京・浦末丈二、政治部・中村篤志】
●軍事バランス配慮
 「NMD配備がアジアの安全保障に与える影響を考えるべきだ」。配備決定を先送りしたクリントン大統領は、中国から南アジアにかけて存在する「危険な核能力」を刺激してはならないと述べ、インド、パキスタンが事実上の核保有国として対立する危うい現状を力説した。
 また、大統領の講演後、記者会見したバーガー大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は「NMDを配備すれば、中国がICBM(大陸間弾道弾)の増強計画を加速させることも考えられなくはない」と、中国の動きが先送りの理由の一つだったことを示唆した。
 米政府は従来、NMDは「ならず者国家」からのミサイル攻撃に対抗するもので、中国やロシアを想定したものではないと強調してきたが、この説明を中国は信用しなかった。当初計画通り2005年までに迎撃ミサイルを20基、2年後に100基前後を設置しても、ロシアの巨大な核戦力は封じきれない。だが、20基前後とされる中国の長距離ミサイルに対しては、大きな抑止力になるからだ。
 仮にNMD配備を決めれば、中国はICBMを増やし、搭載する弾頭の複数化に踏み切るという懸念が米政府内にはあった。中国との軍事バランスを崩したうえ、営々と築いてきた「戦略的関係」を損なっては何にもならない。クリントン政権は、配備に対するロシアの猛反対と欧州同盟国の批判に加え、南アジアや朝鮮半島に大きな影響力を持つ中国の動向を無視できなかったようだ。
●タブー破れて
 NMD配備決定先送りについて、共和党大統領候補、ブッシュ・テキサス州知事はクリントン政権の国防政策を厳しく批判、民主党候補のゴア副大統領は先送り決断を歓迎し、両候補の路線の違いが鮮明になった。
 米国では最近まで、NMD不要論を説くには勇気が必要だった。昨年、議会が可決したNMD法には、共和党に加え民主党議員も多数が賛成した。国防への関心が強い米国でNMD批判はタブーであり、その分、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)やイランなどの脅威が増幅されていった。
 しかし、唯一の超大国となって久しい米国が、なぜ自国の安全にそれほど神経をとがらせるのか、という根本的な疑問は、米国内にも伏在していた。7月の実験直前、ノーベル賞を受賞した米国の科学者50人が「NMD反対」の書簡を大統領に送り、専門家グループは、現行の迎撃システムへの根本的な疑問を提起した。
 そして、「屈辱的」(国防関係者)な迎撃実験失敗で、レーガン政権時代の米戦略防衛構想(SDI)に郷愁を抱く共和党がNMDの重要性を説いても、迎撃技術完成には程遠い現状が明確になった。こうしてNMDに関するタブーはほころび、批判が声高に語られるようになった。
 先送り決断に対し、ゴア副大統領は有効な迎撃システムをつくるには時間が必要だと、大統領の決定を支持する一方、ブッシュ知事は「クリントン政権が国防強化に失敗したことを示す」との声明を発表した。しかし、米国に対する「脅威」の実体が必ずしも明確に見えない中での議論は、国民をしらけさせる可能性があり、共和党が早期配備に固執すれば、選挙で裏目に出る可能性もある。
●ボールは中国に
 中国の江沢民国家主席は6日からニューヨークで始まる国連ミレニアム・サミットで、世界の多極化を進める「新しい安全保障観」(中国外務省高官)を提起する考えだ。その直前の米政府の決定は、米国主導の「支配」をけん制する中国にとって、国際世論づくりを進める上で追い風になるのは間違いない。
 「自国の絶対的な安全を求める国家が、ミサイル防衛網の研究と配備計画を進めている。国際的な軍縮の流れを阻害する」。同高官は、江主席の国連演説や2国間首脳会談でNMD、TMDへの反対攻勢を強めることを明らかにした。
 ただ、中国は先送りを評価する一方、クリントン大統領が理由として挙げた「NMD配備で中国が軍拡に走る懸念」については中国脅威論につながるものとして反論していく構えだ。アジアでくすぶる中国脅威論は、中国が周辺国と友好関係を築く上で、最大の障害となる。大統領の指摘は、周辺国に対中脅威の現実味を改めて認識させる可能性もある。
 また、米政府の今回の決定で、核軍縮推進のボールは中国側に投げられた。中国がどう対応するかが、今後、世界から注視されることになりそうだ。
●日本は
 中国、ロシアなど国際的なNMD配備反対論の中、米政府が配備決定を先送りしたことで、ミサイル防衛に対する日本政府の積極姿勢が際立つ形になった。防衛庁は、米政府の決定について「アジア太平洋地域では核を含めた大量破壊兵器が拡散しており、日本にミサイル防衛のシステムが必要だ」(幹部)と、日米が共同研究を進めるTMDには影響しないとの見方を強調している。
 日米両政府は昨年8月、弾道ミサイル防衛の共同技術研究に関する書簡を交換。防衛庁はロケット部分などの設計に入り、2001年度予算の概算要求では、TMDシステム関連に約37億円を計上した。来年度からはミサイルの弾頭部分で標的の識別、追尾を行う赤外線シーカーの日米並行試作に入る方針だ。
 防衛庁は、7月のNMD実験失敗後、NMDとTMDとの違いを強調。主に大陸間弾道ミサイルを対象とするNMDに比べ、TMDは標的とする中距離ミサイルの落下速度が下がるので「技術を改善すれば十分対応できる」(幹部)と開発リスクを否定している。
 日本がTMDの共同研究に着手したのは、一昨年8月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)によるテポドン発射がきっかけだった。しかし、朝鮮半島で南北対話が進む一方で、日米の共同研究がアジアの軍拡競争に拍車をかけるとの懸念も出ている。今回の米政府の決定を受け、今後の国会審議などでTMD構想の是非論が再浮上するのは間違いなさそうだ。[2000-09-02-23:41] 37
[このページの最初に戻る]


 09/02@<スーチーさん>ろう城が終わる タイの大学の助教授に聞く(毎日新聞)

 【バンコク2日小松健一】ミャンマーの民主化運動指導者、アウンサンスーチーさんの車内ろう城が2日未明、軍事政権当局による強制排除で終わった。今後の国際社会とミャンマーとの関係などについてタイ・チュラロンコン大学政治科学部のチャイヤチョ・チュンシリボン助教授(56)に聞いた。
 ――軍政が強硬手段に出た理由は。
 ◆スーチーさんが、ろう城中に米国と英国が国連のミャンマー問題担当特使、ラザリ・イズマイル氏に仲介を要請する動きがあった。軍政はラザリ氏を通じて国際社会との協調を考えている。ろう城が長期化すればラザリ氏を窮地に追い込み、ラザリ氏のメンツをつぶしかねない。軍政のイメージも悪化する。そういう判断があったと思う。
 ――強制排除は今後、国際社会の対ミャンマー政策に影響を与えるでしょうか。
 ◆軍政は欧米からの批判を意に介していない。最近軍政は「我々には2つの強力な近隣友好国がある」と強調している。中国とインドのことだ。中国が軍政を支援している対抗上、インドも軍政と関係を強化しつつある。軍政がスーチーさんにさらに強硬な姿勢を取らなければ、欧米諸国の軍政批判は一時的なものになるだろう。
 ――ミャンマーの国内情勢の見通しは。
 ◆軍政は将来の複数政党制をにらんで市民組織を育成しており、スーチーさんが率いる野党・国民民主連盟の弱体化を一層進めるはずだ。[2000-09-02-18:50] 63
[このページの最初に戻る]


 09/02@<CD発売>日本人プロモーターがジンバブエの曲を収録(毎日新聞)

 アフリカ南部の国、ジンバブエにほれ込み、14年前に移住した音楽プロモーター、高橋朋子さん(47)が、このほど同国音楽家のCDを初めて日本で制作、発売した。日本ではほとんど知られていない名曲を広めると同時に、売上金の一部を福祉基金として、貧困に苦しむ同国の音楽家や子供たちの支援に充てる。
 作詞・作曲からプロデュースまでこなすクライブ・マルンガさんのオリジナル「ヌダフンガ・クレ」。表題作は現地語で「遠くへ」を意味し、食べ物もままならないこの地から我が身を遠くへと運んで、と竜巻に願う切ない内容のバラード。他に、軽快なダンス音楽5曲を収録している。
 高橋さんは北海道小樽市出身。関西でテキスタイルデザイナーとして働いていた1986年、音楽にひかれてジンバブエに渡った。
 伝統音楽からレゲエまで、さまざまな音楽家に出会ったが、市場を独占するレコード会社が本人に無断でレコードを発売し、印税も払わない現状を知り、92年に地元の音楽家と共に音楽プロダクションを設立。93年、カセットテープなどの売上金や日本の有志の寄付を元に福祉基金を作り、地雷の被害者に義足を、脳こうそくで倒れた音楽家に車いすをそれぞれ贈呈したり、授業料が払えず学業中断を迫られていた孤児の少年に、授業料を贈るなどした。
 ジンバブエではCD制作が困難なため、高橋さんは一時帰国した折に、日本で制作、発売にこぎつけた。高橋さんは「地域などによって微妙に違うアフリカの多様性を知ってもらえたら。基金の金額はわずかだが、これからも続けていきたい」と話している。税込み2500円。年内に2枚目も発売予定。購入希望や問い合わせは長征社(078・371・6491)へ。 【酒井 みな】[2000-09-02-13:31] 64
[このページの最初に戻る]


 09/02@<NMD>中国外務省が米大統領の決定を評価(毎日新聞)

 【北京2日浦松丈二】中国外務省の朱邦造報道局長は2日、クリントン米大統領が下したNMD配備決定の先送りについて「中国は決定を理性的と考える」との談話を新華社通信を通して発表した。NMDと日米が共同研究する戦域ミサイル防衛(TMD)が「地域の軍事バランスを崩し、軍拡競争を招く」(外務省)との立場から、一貫して反対してきた中国は大統領の決定を評価している。
 朱局長はまた談話の中で「米政府は全世界の国と人々の利益を守る決定をするため、この問題について、他国とさらに接触と協議を進めてほしい」と構想の見直しを求めた。
 同日の新華社電と中国中央テレビは、先送りの理由について「ロシアと中国など世界大多数の反対にあい、米国内にも大きな争いを引き起こしたからだ」と分析した。
 中国指導部はロシア、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との首脳会談や、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)など国際舞台でも繰り返し反対を表明し、攻勢を強めていた。
 中国は約20基の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を保有しているが、NMD構想が完成すれば、米国に向けて全基を同時に発射しても迎撃される。対抗するためには、ミサイル弾頭の多弾頭化など大幅な核戦力増強を急ぐ必要があり、大きな財政負担を強いられることになる。
 中国にとって、米国のNMD、TMDは軍事面から米国の一極支配を支えるものだ。一極支配をけん制して世界の多極化を訴える中国は、今回の先送り表明を受けて、さらに反対攻勢を強めることになろう。[2000-09-02-13:02] 67
[このページの最初に戻る]


 09/02@<ミャンマー>ろう城のスーチーさんらを強制退去 軍政当局(毎日新聞)

 【バンコク2日小松健一】ミャンマーの民主化運動指導者、アウンサンスーチーさん(55)ら野党・国民民主連盟(NLD)メンバーら計16人が先月24日から車内ろう城を続けていた問題で、軍事政権当局は2日未明、スーチーさんらを強制的に退去させ、ヤンゴンの自宅に連れ戻した。欧米諸国など国際社会の批判はさらに高まりそうだ。
 ヤンゴンからの情報によると、軍政当局はヤンゴンから約35キロ離れたダラ地区でろう城していたNLDの車を取り囲み、スーチーさんらに退去を命じ、当局が用意した車に乗せた。混乱はなかった模様だ。
 NLDのアウンシュエ議長は1日、「屈服しない。スーチーさんは決してヤンゴンに戻らない」と宣言。各国に6日から始まる国連ミレニアムサミットをはじめ各種国際会議でミャンマー軍政への非難を呼びかける戦術を鮮明にし始めた。
 スーチーさんの健康状態いかんによっては、国際社会からの人道支援拡大を狙っていた軍政に打撃となる。軍政は強硬手段をとってでも早期解決した方が得策と判断したとみられる。[2000-09-02-12:31] 77
[このページの最初に戻る]


 09/02@◇クリントン米大統領、NMD配備の先送りを発表◇(朝日新聞)

 クリントン米大統領は1日、敵のミサイルを撃ち落とす米本土ミサイル防衛(NMD)を配備するかどうかの決定は、来年1月に発足する新政権にゆだねる方針を明らかにした。NMD計画の第1段階となる高性能レーダー建設の発注も見送ることになり、次の大統領が導入を決めたとしても、国防総省が掲げてきた2005年の配備はずれ込むことになった。終盤に入った大統領選では、計画の扱いや、ロシア、中国との関係などをめぐり、民主党のゴア副大統領、共和党のブッシュ・テキサス州知事の両候補の間で論争が交わされそうだ。
 ワシントン市内のジョージタウン大学での講演で発表した。NMD配備の是非は、ミサイル脅威、コスト、技術、軍備管理の4点を踏まえて決められることになっていた。大統領は、予定している19回の迎撃実験が、まだ3回しか行われていないこと、そのうちの2回は標的の撃ち落としに失敗したことを挙げ、「技術に十分な自信を持てない。難しい条件でもっと多くのテストをこなさなければならない」と語った。
 また、全土を覆うミサイル防衛網を築くなら、旧ソ連と結んだ軍備管理条約である弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を見直すか、条約から離脱しなければならない、と指摘した。そのうえで、「この条約は、冷戦が終わった後も、ロシアとの戦略的な安定を保つうえで、重要な役割を果たしている」と述べ、条約修正に反対するロシアとの交渉に時間をかけた方がいい、との考えを示した。
 さらに、次の大統領がNMDの方針を決める際は、「中国や南アジアなど、アジアの危険な核保有国(の軍拡競争)を刺激しないようにしなければならない」と語り、NMDの配備に伴う「否定的な影響」を最小限にするよう外交努力を重ねるべきだ、と強調した。
 大統領は、ミサイルの脅威について、「脅威は現実だ。核やミサイルを持つ敵対国家が崩壊して、不安定な勢力がミサイルを手に入れるかもしれない」と強調した。ただ、NMDを必要とする最大の根拠に挙げてきた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル問題では、「ミサイル能力は深刻な問題で、その意図もはっきりしないが、ミサイル発射実験を凍結しているのはいい動きだ」と指摘した。[2000-09-02-11:20] 83
[このページの最初に戻る]


 09/02@少数派住民理解へ手引書 ロンドン警視庁が作製(共同通信)

 【ロンドン1日共同】「許可なくシーク教徒のターバンに触るな」「アラブ人の女性とみだりに握手するべからず」―。多国籍都市ロンドンの治安を預かるロンドン警視庁がこのほど、文化や習慣の異なる少数派住民と接する際のアドバイスをまとめた冊子を作製。近く二万五千人の職員に配布することになった。
 ロンドンは数十カ国の言語が飛び交う世界有数の多民族・多言語都市。民族絡みの犯罪が急増する一方、異文化が原因の警察官と住民との衝突も目立つ。一九九三年の人種差別主義者による黒人青年殺人事件では、警察内の人種差別感情から適切な捜査ができず、批判を浴びた。
 冊子は、中国系、アラブ系、インド系など民族ごとに移民の歴史や宗教などを解説。少数派住民への理解を深めると同時に、特に習慣上のタブーを明記し、住民とのトラブルを避けることを眼目としている。
 例えば、指で相手を呼ぶ合図は「ソマリア人にとっては犬を呼ぶ合図」と警告している。
 警視庁当局者は「単に平等に扱うのではなく、文化や習慣の違いに応じた対応をすべきだ」としている。(了)[2000-09-02-10:26] 98
[このページの最初に戻る]


 09/02@<NMD>NATO事務総長も米大統領決定を評価(毎日新聞)

 【エビアン(フランス)1日森忠彦】北大西洋条約機構(NATO)のロバートソン事務総長は1日、クリントン大統領の決定につぃて「米国は分別のある判断を行った」と歓迎する声明を発表した。NMDの配備に慎重だった欧州諸国は決定を評価している。
 声明は「今回の判断は多くの要因を考慮した慎重な判断」とし、「この決定はNATO諸国にも恩恵をもたらすだろう。米国は常にNATO加盟国との協議を行い、今後も建設的な対話を続けていくことを歓迎する」とコメントした。
 米国は昨年からNATO諸国に対し、NMD構想について説明を続けていたが、「新たな軍拡の火種となりかねない」(シュレーダー独首相)など、欧州側は慎重論を展開。7月上旬に米国がNMDの実験に失敗した際は、NMD不要論も起こっていた。
 今回、米国が同盟国の欧州諸国の意見も重視する形でNMDの配備延期を決めたことは、NATO内での米国と欧州との対立要素を取り除き、欧州大陸の地域紛争処理に向けた新たな安保体制作りを優先している欧州側にとっても、不要な軍拡に巻き込まれる可能性が薄れた形となる。[2000-09-02-09:52] 99
[このページの最初に戻る]


 09/02@<NMD>プーチン大統領が米大統領の先送り決定を歓迎(毎日新聞)

 【モスクワ2日石郷岡建】ロシアのプーチン大統領は1日、クリントン米大統領が米本土ミサイル防衛システム(NMD)の導入決定を先送りする決定を下したことについて声明を発表し、「米国の同盟国やパートナー諸国の意見も考慮した深い分析と徹底的な考察に基づいて行われたことを確信する。全世界の戦略的安定と安全の強化をもたらす」と評価した。
 一方、軍縮問題の専門家で、米国・カナダ研究所のアルバートフ名誉所長は「近づく大統領選挙を考えると、クリントン大統領はもっと急進的な(新システム導入の)決定を下すことも可能だった」との表現で、大統領の決定を評価した。
 9月初めニューヨークの国連ミレニアム総会の際に予定されている米露首脳会談にも好影響をもたらすと見られる。
 ただ、クリントン米大統領の声明は導入問題について先送りの宣言で、断念決定ではないため、ロシアは米現政府の今後の対応や大統領選挙の行方を注意深く見守ると観測されている。[2000-09-02-09:52] 112
[このページの最初に戻る]


 09/02@<NMD>配備決定先送り 共和党の政権批判必至に(毎日新聞)

 【ワシントン1日布施広】クリントン米大統領が1日、米本土ミサイル防衛(NMD)の配備決定を次期政権に先送りしたことで、共和党が政権批判を強めるのは必至の情勢となった。大統領が先送りを決断した背景としては、朝鮮半島の緊張緩和など国際環境の変化が見逃せず、日米が共同研究する戦域ミサイル防衛(TMD)計画についても、中国を中心に今後、反対論が強まりそうだ。
 米国内でNMD配備要求が急速に強まったのは、1998年8月の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)によるテポドン発射がきっかけだった。共和党主導の米議会は昨年、「技術的に可能になり次第、NMDを速やかに配備する」との法案を可決、大統領もこれに署名し、NMD配備は米国の「国策」となっていた。
 しかし、北朝鮮はその後、韓国との南北首脳会談や米国との初の外相会談を通じて「開放政策」への傾斜を強め、韓国内では在韓米軍駐留への反対論も噴出するなど、NMDを巡る国際環境は変わりつつある。金正日政権への「関与政策」を通じて北朝鮮の「ミサイル発射自粛」を維持する一方、北朝鮮の脅威に対抗するNMDを開発するという米国の「二面性」も整合する必要があった。
 日本も北朝鮮との国交正常化交渉を続ける一方、TMD開発を続けている。NMDとTMDは技術的に大きく異なるが、ミサイルでミサイルを迎撃する難しさに変わりはなく、技術的に可能かどうかの見通しは立っていない。NMDの先送り決定は、技術面と対北朝鮮、対中政策の両面から日本にも真剣な再検討を迫るものだ。
 クリントン政権はNMDという「ヨロイ」によって、軍事的に米国の安全を高めるより、ロシアや中国、北朝鮮との協調を通じて安全保障を維持する姿勢を鮮明にした。これに対し、共和党が「弱腰」批判を強めるのは確実で、米国の安全保障をめぐる論議に米国民がどんな判断を示すかが、11月の大統領選の行方を占う一つのカギとなる。[2000-09-02-02:40] 7
[このページの最初に戻る]


 09/02@<サッカー>ベネチア退団の名波が磐田に復帰(毎日新聞)

 サッカー日本代表MFで、イタリア1部リーグ(セリエA)ベネチアを退団した名波浩(27)が昨年まで所属していたジュビロ磐田に復帰することが決まった。3日に発表される。
 名波は昨年の前期終了後、ベネチアに移籍。リーグ戦24試合で1得点を挙げた。しかし、チームの2部降格もあり、シーズン終了とともに退団。その後、移籍先を探していたが、条件面で合意できなかった。[2000-09-02-23:36] 29
[このページの最初に戻る]


 09/02@名波、移籍交渉まとまらずジュビロに復帰(読売新聞)

 今年6月にサッカー・イタリア1部リーグ(セリエA)のベネチアを退団していた日本代表のMF名波浩(27)が、昨年まで所属していたJ1のジュビロに復帰することが2日、決まった。名波は欧州での新たな移籍先を探していたが、移籍交渉がまとまらず、ジュビロ側からの「チームに復帰したうえで交渉を続けた方が良い」との提案に同意したという。今後はJ1リーグでプレーしながら、海外への道を模索する。
 名波のもとには、スペインとフランスの数チームから正式なオファーが届いている。しかし、フランスリーグはすでに開幕、スペインリーグも今月10日に開幕するが、金銭面や常時試合に出場できるかなどの問題で交渉が難航している。
 名波は昨年7月、ジュビロから1年間の期限付きでベネチアにレンタル移籍。リーグ戦24試合に出場、1得点3アシストの成績を残したが、チームの2部降格とともに退団していた。[2000-09-02-19:29]
[このページの最初に戻る]


 09/03@<EU>「欧州連邦制」など討議し非公式外相会議閉幕へ(毎日新聞)

 【エビアン(フランス東部)3日森忠彦】当地で開かれていた欧州連合(EU)の非公式外相会議は3日、EUの将来像などについて討議、2003年以降のEU拡大政策に加えてドイツが唱えた「欧州連邦制」など長期的な展望についても外相会議としては初めて意見交換し、閉幕する。
 また今回の会議では、今月24日に投票が行われるユーゴスラビア大統領選挙を前に、ミロシェビッチ政権打倒を狙った制裁活動の強化策なども話し合われた。
 外相会議は初日の2日、中東和平問題も話し合い、13日にパレスチナ最終地位交渉の期限を迎えるのを前にイスラエル、パレスチナ双方に対し、和平への努力を要請することで合意した。議長国・フランスの報道官によると「今回を逃すと和平実現は大幅に遅れることをEUとして双方に認識させる」という。[2000-09-03-18:35] 39
[このページの最初に戻る]


 09/03@移民から温かい歓迎受ける ボスニア・ヘルツェゴビナ 五輪(共同通信)

 【シドニー3日共同】民族対立に苦しむ中、シドニー五輪に参加するボスニア・ヘルツェゴビナの選手団が三日、シドニー国際空港に到着、同地に住む同国移民ら約三十人が国旗を手に温かく出迎え、空港は「ボスニア、ボスニア」の大合唱となった。
 今回の選手団はイスラム教徒、セルビア人、クロアチア人の三民族合同で編成され、陸上、水泳、柔道、射撃に出場する九選手。グレーのユニホーム姿で現れたイワン・フミェロビエチ団長は少し戸惑いながらも「こんな歓迎は初めて。歴史的な一歩だ」と、内戦終結から五年目の五輪に感慨をにじませた。
 同団長によると、九選手はイスラム教徒とクロアチア人両勢力で構成する「ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦」から五人、「セルビア人共和国」から四人という。それでも「三民族は一つだ」と強調した。
 髪を赤く染めたセルビア系のディジャナ・コイッチ選手は陸上女子四百メートルに出場。「多くの人と交流を図り、自己記録の54秒28を破りたい」と抱負を述べた。(了)[2000-09-03-15:55] 395
[このページの最初に戻る]


 09/03@<揺らぐ東方正教会>3派並立 異常事態に ウクライナ(毎日新聞)

 救世主キリスト大聖堂はモスクワ川のほとりに建つ。旧ソ連時代に破壊され、再建されたばかりの建物で8月13日、ロシア正教会の最高意思決定機関「高位聖職者会議」が3年半ぶりに開かれた。150人の高僧を前に、基調報告を行う総主教アレクシー2世の声が流れた。「ウクライナの国家指導者と宗教活動家が独立の教会を造ろうと画策している」。ウクライナの教会組織分裂を許さない総主教の声には、断固とした響きがあった。
 ロシア正教会保守派の見解を代弁する「ラドネジ」誌のニキフォロフ編集長が演説を補足する。「ウクライナの分離主義者は国家の支持を得ている。連中にとり、キリストの教えより民族主義が大切なのだ」
 ウクライナには(1)ソ連時代から続くロシア正教会のモスクワ総主教派(モスクワ派)(2)ウクライナ独立と同時にモスクワから独立宣言したキエフ総主教派(キエフ派)(3)ロシア革命前後の欧米への亡命者がソ連崩壊で帰還し、組織した独立派――の3派がある。
 ウクライナ人口の22%を占めるロシア系住民の住む東部をモスクワ派が、ウクライナ系の多い西部をキエフ派と独立派が勢力下におさめ、3派が並立する異常事態が生じている。
 総主教の演説の翌日、ジュリンスキー・ウクライナ副首相は会見で「正教会一本化」の必要性を訴えた。「ロシア正教会は反対のようだが、3分裂しているウクライナの正教会を一つにまとめるのが重要だ」
  ◆  ◆  ◆
 首都キエフで催されたキリスト生誕2000年記念式典で、クチマ大統領が3派の統合構想を明らかにしたのは1月のことだ。
 ウクライナ政府にとり、約9000の施設をもつ国内最大の正教会勢力・モスクワ派がロシア正教会の管轄下にあるのは望ましくない。民族主義・独立色の強いキエフ派(教会施設約3000)と独立派(同約1000)を加えた3派の統合教会ができれば、管理が容易になる。
 皇帝教皇主義――。東方正教会が栄えたビザンチン帝国(東ローマ帝国)で皇帝が教会を統轄した形態を呼ぶ。ビザンチン帝国、オスマン・トルコ帝国、社会主義体制と、東方正教会は政治権力に寄り添い、時に利用して生き延びてきた。
 「我々はクチマ大統領を支持する。何世紀にも及ぶ歴史の中で、教会は国家を助け、国家は教会を助けてきた」。8月22日、キエフ派はクチマ政権の統合構想への支援を表明した。
  ◆  ◆  ◆
 ウクライナが9回目の独立記念日を迎えた8月24日。ウスペンスキー聖堂の修復工事完成記念式典で、クチマ大統領は「教会の問題は教会が解決しなければならない」と発言、3派統合構想を推進してきた強気の姿勢を、軌道修正した。
 東部のモスクワ派信者はロシア正教会からの分離を望んでいない。そして、ロシアとの緊密な関係抜きにウクライナ国家の安全・繁栄は覚束ない。「このまま統合を急げば国内正教会の亀裂が深まり、ロシア政府との関係もギクシャクしてしまう」と、キエフ在住のジャーナリスト、ボリス・クレメンコ氏は軌道修正の背景を解説する。
 大国ロシアとの関係を維持しつつ、正教会統合をテコに国内基盤を強化したい政治指導者と、自派の勢力拡張を目論む聖職者。それぞれの思惑が交錯し、ウクライナ正教会をめぐる情勢は混迷の度を深めている。 【「宗教と政治」取材班】[2000-09-03-23:31] 398
[このページの最初に戻る]


 09/03@<揺らぐ東方正教会>広がる民族主義の波=企画「宗教と政治(毎日新聞)

 「ウクライナに独自の教会を」「ロシアの教会は『心の牢獄(ろうごく)』だ」――。ウクライナの首都キエフ。毎日曜日、数百人が反露デモを繰り広げる。民族主義者の若者が、ずきん姿の老女が、声をからしてロシアからの「教会独立」を叫ぶ。
 ソ連時代に博物館として使われていたキエフのウスペンスキー聖堂。今夏、モスクワを本拠とするロシア正教会直轄のモスクワ派教会に引き渡されるとのうわさが広がった。それが民族主義に火を付け、反露デモの引き金となった。
 8月、約30のウクライナ民族主義団体が集結、モスクワ派教会の排除と宗教の独立を目指す右派団体「ウクライナ聖物保護委員会」を旗揚げした。「聖堂のため、ウクライナ民族のために戦い続ける」。ゴルイニ委員長が宣戦布告する。
  ◆  ◆  ◆
 キリスト教には西方のカトリック、プロテスタントとは別に、ロシアとバルカン半島を地盤とする東方正教会がある。東西教会が分裂した1054年以降、東方正教会はビザンチン帝国内で存続した。イスラム教徒のオスマン・トルコ帝国によるビザンチン征服(1453年)に伴い、バルカンの正教会はオスマン帝国の版図に組み込まれた。
 正教会の中で唯一、自由を享受していたロシア正教会はロシア革命(1917年)後の迫害をくぐり抜け、社会主義政権下で生きる道を選択。イスラム支配からの独立を達成したバルカン諸国の正教会は、ギリシャなどを除き、ソ連を頂点とする無神論の社会主義圏に組み込まれた。
 「ソ連崩壊後、教会は復興の時代を迎えた」。今年5月、初訪日したロシア正教会のアレクシー2世総主教が誇らしげに語った。ソ連時代に迫害された教会が今、力を盛り返している。
  ◆  ◆  ◆
 ソ連の崩壊は同時に民族主義の台頭も招いた。ウクライナ、エストニア、ラトビア……。社会主義のくびきから放たれた地で、反露感情をてこに民族主義が伸長、ロシア系住民がロシア語で祈るモスクワ派教会に攻撃の矛先を向けている。
 ウクライナ人が圧倒的多数を占めるウクライナ西部リボフ。聖ウラジーミル教会はモスクワ派だ。7月、教会はプーチン露大統領にあて「ウクライナ民族主義の脅威」を訴える書簡を出した。教会堂裏の小部屋で広報担当のオクサーナさん(25)が手紙を取り出す。
 「大統領閣下、お助けください。民族主義者の脅威にさらされています。連中は『教会に火をつけて焼き殺してやる。プーチンに頼んで教会をロシアに引き揚げさせろ』と脅しました」
  ◆  ◆  ◆
 ソ連崩壊で「社会主義帝国」は15の独立国に分割された。9年後の今、変革の波は宗教界に達し、東方正教会は各地で民族主義の波に洗われている。 【「宗教と政治」取材班】[2000-09-03-23:31] 406
[このページの最初に戻る]


 09/03@モスクワに74民族マフィア(読売新聞)

 【モスクワ3日=伊熊幹雄】凶悪犯罪が増加するロシアの首都モスクワで、現在七十四民族の犯罪組織(マフィア)が暗躍していることが、モスクワ市警察の調査で明らかになった。
 同市警によると、民族マフィアの最近の特徴は、住み分けを進めていること。チェチェン・マフィアが強盗、街頭でのひったくりに強いほか、アゼルバイジャン人は花売りや露店のとりまとめで稼ぎ、グルジアマフィアは窃盗を専門にするなど、各民族マフィアはなわばり争いを経て、特化を進めている。また民族マフィアの中には、税関職員を抱き込んで不当な関税の上前をはねるものもあり、市警では「全容解明した五件だけで五十万ドル以上の被害があった」としている。
 ロシアには、百以上の民族が存在。モスクワ(八百四十万人)は、ソ連時代から民族のるつぼだった。市警調査は、近隣東欧諸国なども含め、ロシアと関係する主要民族のほとんどが犯罪組織を結成し、モスクワが国際犯罪都市になっていることを裏付けている。
 ロシアの犯罪は、ソ連消滅前の八九年の年間百八十万件から、昨年は三百万件に増加している。[2000-09-03-21:14] 430
[このページの最初に戻る]


 09/03@国防長官は一部発注進言 NMD先送りで米紙(共同通信)

 【ワシントン3日共同】三日付の米紙ワシントン・ポストは、クリントン米大統領による米本土ミサイル防衛(NMD)配備決定の先送りに先立ち、コーエン国防長官が第一段階としてアラスカ州にレーダーだけ建設着手する「一部発注」を進言したと報じた。
 しかしオルブライト国務長官らがロシアなどの反発を招くよりも、残された大統領任期中に新たな外交成果を追求すべきだと主張し、結局、大統領は国務省の意見を採用したという。
 同紙によると、国防総省は七月の迎撃実験が成功すれば、二○○五年までに二十基の迎撃ミサイルをアラスカ州に配備するよう進言するつもりだったが、実験は失敗。最終的にレーダー発注だけは実現させるため、八月末の大統領のアフリカ訪問前にコーエン長官が進言した。
 しかし大統領は帰国した八月二十九日、コーエン長官、バーガー大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らに先送りを伝えた。(了)[2000-09-03-17:12] 433
[このページの最初に戻る]


 09/03@実効性ある活動できず 休戦ほごのコンゴPKO(共同通信)

 国連ミレニアム総会で七日開かれる安全保障理事会サミットでは、期待外れの結末が多い国連平和維持活動(PKO)の機能強化が中心議題となる。紛争の泥沼化で設立から九カ月過ぎても実効性ある活動ができずにいる国連コンゴ監視団(MONUC)の現状を報告する。
 「われわれが仲介した休戦は七回だったか、八回か。どれも一分ともたなかった」。砲撃で崩壊した家屋が残るコンゴ(旧ザイール)北東部キサンガニで、MONUCのママドゥ・シソコ少佐(マリ出身)がルワンダ、ウガンダ両国軍間の六月の戦闘を振り返った。
 ダイヤモンドの採掘利権が絡むコンゴ紛争の構図は複雑だ。カビラ政権と三つの反政府勢力、周辺五カ国が当事者。昨年夏の停戦協定後も各地で戦闘が続く。
 停戦監視などを任務として昨年十一月設立されたMONUCは、いまだに本格展開の見通しが立たない。八月末現在でわずか約二百七十人が困難な監視活動を続ける。
 六月の戦闘は六日間続き、市民約六百人が巻き添えになって死亡したという。国連は「維持すべき平和が存在しない」(国連PKO局)として、五千五百人規模の大型PKOになるはずだったMONUC要員の派遣見送りを決めた。
 今年五月には国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)要員の大量拘束事件が起きている。国連はコンゴでその二の舞いを演じるわけにはいかなかった。
 難題は展開後にも待ち構えている。反政府勢力側には、MONUCを勢力維持の道具にしたいとの思惑がのぞくからだ。
 コンゴ民主連合(RCD)幹部のモイズ・ニャルガボ氏は拠点の東部ゴマで「前線から撤兵する用意がある。ただ、その後のMONUC展開が条件だ」と語った。MONUC政治部門の担当者は「コンゴの分裂固定化に手を貸すような事態は避けなくては」と、懸念をのぞかせる。
 国連にはソマリアで一九九四年、平和執行部隊が撤退に追い込まれた苦い経験もある。米国人兵士らが殺害されたソマリアの失敗は、米外交の“アフリカ離れ”をもたらし、国際社会がルワンダ内戦の虐殺で百万人といわれる犠牲者が出るのを防げなかった遠因ともなった。
 MONUC政治部門担当者は、コンゴの「ソマリア化」を懸念する声があることを認めた上で「コンゴで再び国連がメンツを失うわけにはいかない」と苦悩の色を見せた。(キサンガニ共同=金子大)(了)[2000-09-03-16:28] 434
[このページの最初に戻る]


 09/03@ABMで建設的対話を期待(共同通信)

 【ユジノサハリンスク3日共同】インタファクス通信によると、ロシアのプーチン大統領は三日、クリントン米大統領が米本土ミサイル防衛(NMD)の配備決定先送りを表明したことについて「国際的安全保障にとって重要」と評価し、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約修正問題での米国との「建設的な」対話に期待を示した。
 日本公式訪問への出発に先立ち極東サハリン州で述べた。
 六日から始まる国連ミレニアムサミットの際に予定されている米ロ首脳会談で、プーチン大統領はNMD配備を可能にするABM制限条約の修正にあらためて反対し、計画の最終的な断念を迫る可能性が高い。(了)[2000-09-03-16:22] 438
[このページの最初に戻る]


 09/03@ロ新政権誕生が最大要因 NMD配備先送りで米紙(共同通信)

 【ニューヨーク3日共同】三日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、クリントン米大統領が米本土ミサイル防衛(NMD)の配備決定を次期政権にゆだねたのは、ロシアでプーチン政権が誕生したことが最大の要因だったと報じた。
 同紙によると、米政権はロシアとの交渉により弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を修正、NMD配備実現を目指していたが、ロシア側はあくまでも交渉を拒否。背後には「強いロシア」を掲げるプーチン大統領の存在があり、米政府高官は同紙に対し「エリツィン前大統領だったら、取引のチャンスがあったはずだ」と語った。
 昨年末のエリツィン氏辞任後、ロシアはABM制限条約の修正をめぐる米ロ間の話し合いを「交渉」ではなく、単なる「協議」にすぎないと強調。三月に大統領に当選したプーチン氏は、米国とそれ以外の北大西洋条約機構(NATO)加盟国との分断を図る外交攻勢を開始し、六月のモスクワでの米ロ首脳会談でもNMD構想はほとんど話し合われなかったという。
 さらに六月の韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の南北首脳会談が米政権内の慎重派を勢いづかせ、七月の迎撃実験も失敗したことで、積極推進派のコーエン国防長官は孤立し先送りが決まったという。(了)[2000-09-03-15:26] 442
[このページの最初に戻る]


 09/03@◇「理性的な態度だ」 米国のNMD先送りで中国外務省◇(朝日新聞)

 クリントン大統領が米本土ミサイル防衛(NMD)の配備先送りの決定をしたことに対し、中国外務省の朱邦造報道局長は2日、「米国のこの態度は理性的だ」との談話を発表した。談話は「米国政府が、世界の各国と人々の根本的な利益に合った決定を下すために、各国とこの問題で接触と討論をさらに進めるよう望む」とした。中国は今回の決定に一定の評価を示した上で、NMD断念に向けて、ロシアなどとの対米けん制の包囲網の強化をさらに目指していくと見られる。
 また、新華社電はワシントン発で先送りの理由を、NMDが「新たな軍拡競争を生み、米ロ、米中間の緊張を高める」ことなどを考慮したためと分析。「決して弓をしまったわけではない」と懸念を示し、一時的に議論が収まっても「今後も国内政治と国際情勢に重大な影響を与えるだろう」とし、計画の断念を今後も迫っていく必要を訴えた。江沢民国家主席は6日からの国連ミレニアム・サミットで、米国のミサイル防衛網に対する反対姿勢を表明する見通しだ。[2000-09-03-13:51]
[このページの最初に戻る]


 09/04@ユーゴ大統領選に4候補(共同通信)

 【ウィーン4日共同】今月二十四日に実施されるユーゴスラビア連邦大統領選の立候補受け付けが四日午前零時に締め切られ、現職のミロシェビッチ大統領ら計四人の候補が出そろった。
 独立系ベタ通信によると、三日夜に申請したミロシェビッチ大統領が率いるセルビア社会党のガエビッチ幹事長は、百五十万人以上の署名を添えたと述べ、「再選を願う国民がいかに多いかを示している」と自信を見せた。
 大統領選には他に、最大野党、再生運動のミハイロビッチ候補(ベオグラード市長)、他の主要野党が推すセルビア民主党のコシュトニツァ党首、連立与党を占める急進党のニコリッチ連邦副首相が出馬した。(了)[2000-09-04-19:19] 33
[このページの最初に戻る]


 09/04@<ユーゴ>大統領選を前にEUの圧力増す 民主化へ支援策(毎日新聞)

 【エビアン(フランス)3日森忠彦】今月24日のユーゴスラビア連邦の大統領選挙を前に、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)側によるミロシェビッチ・ユーゴ連邦大統領への圧力が増している。3日までフランス東部エビアンで開かれたEU非公式外相会議でもこの問題が取り上げられ、ユーゴの政権交代を目指した民主化支援策が話し合われた。
 EUは昨年春のコソボ紛争以降、ミロシェビッチ大統領が実権を握るユーゴ政権関係者へのビザの発行禁止や経済制裁を続けてきた。その一方では民主化政策の一環として野党勢力や反ミロシェビッチ派を支持。ユーゴ連邦をセルビア共和国と共に構成し、親欧米路線が目立つモンテネグロ共和国のジュカノビッチ政権への支援も行い、ミロシェビッチ大統領の追い込みを続けている。
 ユーゴ側と欧米側の対立は、7月にミロシェビッチ大統領が7月に憲法改正を強行して、政権存続への布石を打ち始めたことから再燃した。さらに8月に入ってからは連邦政府がモンテネグロ周辺の警備を強化したり、大統領が紛争後、初めてのコソボ訪問の可能性を示すなどの”挑発的”行為が続いている。
 これに対してユーゴ連邦・コソボ自治州に治安部隊を駐留させるNATOや国連は、同大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)から戦犯(大量虐殺)として起訴されていることから「大統領がコソボに入れば直ちに逮捕する」(国連コソボ暫定統治機構)と警告した。NATOのラルストン欧州連合軍最高司令官(米国)も先週、今秋のユーゴ連邦内の選挙が民主的に行われるようにNATO軍を追加派遣する意向を示し、大統領への威圧を続けている。
 EU側としても、今回の選挙でミロシェビッチ政権を崩壊に追い込みたいのが本音だ。3日までの会議でも政権幹部に対する制裁の強化案や、市民受けを狙った経済制裁の解除案などが話し合われた。非公式会議の性格上、威圧的な勧告などは避けたが、野党候補が現政権を破った場合は経済制裁を緩和する方向で一致した。
 議長国フランスのベトリヌ外相は「セルビア共和国も欧州の一部。責任を持った選択が行われるべきだ」と語り、ユーゴ国民に”欧州の良識”に基づく選択を呼びかけた。[2000-09-04-10:08] 34
[このページの最初に戻る]


 09/04@安保理、今年末までにPKO改革の具体策(読売新聞)

 【ニューヨーク3日=松浦一樹】国連ミレニアムサミット開会中の七日に開かれる国連安全保障理事会メンバー十五か国首脳会議で採択される共同声明案の全容が三日までに明らかになった。
 本紙が入手した声明案は、「国連平和維持活動(PKO)の強化を決意する」とうたい、「二〇〇〇年末までに」PKO改革の具体策をまとめる方針を明示。また「遂行任務の明確化」「緊急展開能力の強化」など、PKOの機能強化を図るための基本指針を掲げており、安保理として、PKO改革を積極推進する姿勢を打ち出している。
 声明案は、前文と六章からなる本文で構成。前文で「PKO強化」の決意をうたい、本文中で改革に取り組む姿勢を示した。また、改革推進の「決意」を示すため、「首脳会議を必要に応じて開く」との一項も加えられた。
 注目されるのは、PKO強化を実現するための基本指針が示されたことだ。声明案は、PKOに「あいまいな任務」が課され、その機能が十分に発揮されない事態もあったとの反省から「明確で、達成可能かつ適切な任務を採択する」との指針を明示。
 また、PKOが出動している紛争地帯で国連要員や民間人の犠牲者が多発している点を考慮し「要員の安全確保と民間人保護のための効果的手段を(PKO創設決議)に盛り込む」との一文を加え、装備強化をうたった。緊急展開能力確保の重要性も強調された。
 コフィ・アナン国連事務総長は先月、PKOの早期展開や自衛能力の向上など機能強化策を内容とする報告書を安保理と国連総会に提出。
 PKOが現地に展開していながら、大量の民間犠牲者を出したボスニアやルワンダの失敗例を踏まえ「PKO改革」を促したもので、声明案はこれに呼応する形となった。[2000-09-04-03:05] 35
[このページの最初に戻る]


 09/04@<EU>非公式外相会議閉幕 ユーゴ大統領敗れれば制裁緩和(毎日新聞)

 【エビアン(フランス東部)3日森忠彦】エビアンで開かれていた欧州連合(EU)非公式外相会議は3日、今月24日に投票が行われるユーゴスラビア大統領選挙が民主的に行われるよう要求、再選を目指すミロシェビッチ大統領が敗れた場合、対ユーゴ経済制裁を緩和する方向で一致し、閉会した。
 EU議長国フランスのベドリヌ外相は閉幕後の記者会見で「セルビア共和国も欧州の一部。欧州市民として責任ある選択をすべきだ」と語り、野党側へ投票する呼びかけた。
 会議はまた、2003年以降のEU拡大政策に伴う協議にとどまらず、ドイツが唱えた「欧州連邦制」などEUの将来像についても外相会議として初めて意見交換した。独仏がさらなるEU統合の推進に意欲的な考えを示したのに対し、英国は慎重な姿勢を守った。[2000-09-04-00:44] 290
[このページの最初に戻る]


 09/04@<日露首脳会談>「国境画定」露が拒否 条約の年内締結は困(毎日新聞)

 森喜朗首相とプーチン・ロシア大統領は4日、午前と午後の2回に分けて東京・元赤坂の迎賓館で首脳会談を行った。森首相は焦点の北方領土をめぐる国境線画定問題について、1998年4月の川奈提案と同様に「ウルップ島と択捉(えとろふ)島の間に日露間の国境を引く」ことを提案するとともに、2000年までに平和条約締結を目指すとしたクラスノヤルスク合意の達成を促した。プーチン大統領は領土問題の存在は認めながらも、首相の提案に「ロシア側の考えとは一致しない」と拒否する考えを伝えた。両国は交渉の継続では一致したものの、平和条約の年内締結は事実上困難な情勢となった。
 1回目の会談は、午前9時半から約1時間半行われた。森首相は「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を結ぶことが重要だ」との基本姿勢を示し、「日露間の国境を画定することによって、双方にとって受け入れ可能な平和条約を見いだしたい」と述べた。首相は四島の施政権の扱いについては川奈提案と同様、当面ロシア側にあるとして先送りを認めた模様だ。
 これに対し、プーチン大統領は「日本の考え方は勇気ある、熟慮されたもの」と感想を述べたが、受け入れる考えのないことを正式に伝えた。また、大統領は森首相のモスクワ訪問を招請し、首相も「喜んでお受けする」と答えた。クラスノヤルスク合意を重視する姿勢を見せるため、訪露は年内になる見通しだ。
 領土問題について日露首脳が論議するのは、1998年11月に当時の小渕恵三首相が訪露し、エリツィン大統領と会談して以来。しかし、この時は大統領が健康問題を抱え突っ込んだ会談にならなかったため、本格的な交渉が行われるのは同年4月に静岡県・川奈での橋本・エリツィン会談以来、2年4カ月ぶり。
 午後の会談は両国の経済協力や国際情勢について約2時間行われた。経済問題について首相は、ロシアの投資環境整備の必要性を強調。サハリン州ユジノサハリンスク市内で日露の合弁企業「サンタリゾートホテル」がロシア側に乗っ取られたケースや、国際協力銀行の対象案件が進んでいないケースなどを指摘、「こうした問題点をひとつずつ解決することが、両国の貿易を推進するうえで不可欠だ」と改善を求めた。
 プーチン大統領は、日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国交正常化交渉が進んでいることを歓迎するとともに、日本が国連安保理常任理事国となることに支持を表明した。
 両者は5日午前、3回目の首脳会談を行ったあと、共同記者会見に臨む。[2000-09-04-20:51] 300
[このページの最初に戻る]


 09/04@<人種会議>2010年までを「反人種差別運動」と定め閉幕(毎日新聞)

 【ヨハネスブルク3日藤原章生】南アフリカのヨハネスブルクで開かれた「人種差別に関する国民会議」が2日、閉幕した。同国で来年9月に予定される国連主催の「反人種差別会議」を前に、南ア政府などが国内向けに開催した。会議は今年から2010年までを「反人種差別運動の10年」と定める決議を採択した。
 会議では南ア人権委員会や報道代表、米国の人種問題専門家ら約20人が講演した。毎日新聞と会見したズマ副大統領は「白人と黒人がオープンに人種問題を語り合える場が必要だった」と会議開催の意義を強調した。しかし、11月の地方選を意識した与党政治家らは人種間の犯罪防止などについて具体的な提案に言及しなかった。
 南ア国籍の白人作家、アンジー・クロッグさんは「新たに設けられる融和の日(12月16日)に我々白人は正式に黒人に謝るべきだ」と呼びかけた。
 南アでは人種間の犯罪は年々悪化し、一般国民の人種対立意識は大きく変わっていない。このため会議は一部の白人の反省をエリート黒人が「寛容に受け止める特異な場」という冷ややかな受け止め方もあった。[2000-09-04-19:51] 301
[このページの最初に戻る]


 09/04@環境親善大使に日本人起用(共同通信)

 川口順子環境庁長官は四日、国連環境計画(UNEP)のクラウス・テプファー事務局長と北九州市で会談し、UNEPの親善大使に日本人を任命することで合意した。過去に米国の歌手オリビア・ニュートン・ジョンが選ばれており、二人目となる。
 親善大使には日本や世界の環境の状況を視察したり、地道に環境問題に取り組んでいる人々の激励といった活動を通じ、環境問題の重要性を内外にアピールしてもらう。
 テプファー事務局長は女性がいいとの意向を伝えており、川口長官は「民間人で発言に影響力のある人を選びたい」と話している。
 UNEPでは他の国でも親善大使を任命し、環境問題の啓発をしていくことにしている。(了)[2000-09-04-19:49] 306
[このページの最初に戻る]


 09/04@<スーチー女史>軍事政権が国民民主連盟をテロ計画容疑で捜(毎日新聞)

 【バンコク4日小松健一】ミャンマー軍事政権当局者は4日、事実上の自宅軟禁状態にあるアウンサンスーチーさん(55)が率いる野党・国民民主連盟(NLD)に対して、タイ国境山岳地帯で反政府武装闘争を続けるカレン民族同盟(KNU)などとテロを計画した疑いで捜査中だと語った。当局者はNLD本部を封鎖していることを明らかにし、NLDメンバーらの一斉検挙に乗り出す可能性が高まってきた。
 軍政は3日、スーチーさんらを「軟禁していない」との声明を発表したが、当局者は4日、「スーチーさんらに外部との連絡を絶つよう要請している」ことを認めた。そのうえで「スーチーさんが病気になった場合は当局が面倒をみる」と語り、軟禁状態が長期に及ぶ可能性を示唆した。軍政がテロ防止を名目にスーチーさんの口を封じながらNLDを弾圧した場合、欧米諸国の対ミャンマー制裁が強化されるのは必至だ。
 当局者によると、NLDに対する容疑は、KNUなどと共謀し無線操縦の模型飛行機に爆弾を仕掛けてテロを計画したというもの。だが、西側外交筋の間では「NLD弾圧のためのでっちあげ」との見方が強い。
 軍政は今年6月から7月にかけて大学の授業を3年半ぶりに再開するなど民主化への道筋を示しながら、国際社会と協調する姿勢を見せ始めたばかりだった。ここに来て強硬姿勢に転じた背景として、消息筋は軍政内部の権力闘争が影響しているとみている。
 軍政トップのタンシュエ国家平和発展評議会議長が近くマウンエイ副議長に全権を移譲するとの観測が流れ、実力者の一人、キンニュン第1書記との確執が高まっていると言われる。
 キンニュン氏は穏健派として知られ、1998年と今回のスーチーさんの車内ろう城問題を担当。98年にはスーチーさんを自宅に戻しただけで欧米諸国の批判を最小限にくい止めた。だが再度のろう城にマウンエイ氏ら強硬派がいらだちを強め、今回も柔軟な対応で決着した場合、キンニュン氏は軍政内の基盤が弱まる恐れがあった。
 消息筋は「キンニュン氏はマウンエイ氏の動向を見ながら強硬手段をとった可能性がある」と指摘する。[2000-09-04-19:30] 382
[このページの最初に戻る]


 09/04@対照的な2法王を同時列福 保守、進歩両派が妥協?(共同通信)

 【ローマ4日共同】ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は三日、十九世紀の超保守的な法王だったとされるピウス九世と、一九六○年代にカトリック教会の近代化を図ったヨハネス二十三世を聖人の前の段階である福者に列した。
 ピウス九世はユダヤ人抑圧でも知られ、宗教間対話に水を差すとして、ユダヤ人団体などが列福に強く反対していた。しかし、イタリア統一運動の混乱期に法王領を失いつつも、教会組織を守り抜いたと教会内保守派は評価。進歩派が推すヨハネス二十三世との抱き合わせは政治的妥協の産物とみられている。
 サンピエトロ広場での列福式で、法王は「教会は特定の歴史的選択を称賛するのではなく、個人の美徳を模範とし、尊敬するために福者を選ぶ」と説明、ピウス九世を「非常に愛され、同時に憎まれ非難される」法王と紹介した。
 ピウス九世は一八六九年に第一回バチカン公会議を招集、法王無謬(むびゅう)説を採択させた。四六年から七八年まで三十二年の法王在位は史上最長。
 ヨハネス二十三世(一九五九―六三年在位)は、ラテン語に限られていたミサの使用言語を各国語に改めるなど、教会近代化の道を開いた第二回バチカン公会議を六二年に招集した。(了)[2000-09-04-07:51] 387
[このページの最初に戻る]


 09/04@◇緊急人道支援―NGOは自立してこそ◇(朝日新聞)

 非政府組織(NGO)が中心になり、政府や経団連とともに海外での緊急人道支援に取り組む枠組みとなる「ジャパン・プラットフォーム」ができた。
 民族紛争による難民の発生や、地震などの災害のために、国際的な救援活動が必要になることが増えている。そのために、外務省があらかじめ五億円程度の資金を用意し、企業も通信機材や車両などの提供を約束する。それを使ってNGOが現地に入り、救援活動をする、という三者協力の体制である。
 日本には国際緊急援助隊や自衛隊による政府主導の救援活動の仕組みはあるが、法的制約もあって小回りがきかない。一方、NGOには機動力はあるが、資金や機材が乏しい。
 このプラットフォーム(基盤)で政府と経済界、NGOが協力することによって、大規模な救援活動が迅速にできるなら望ましいことだ。とかく冷淡だった経団連が、国内のNGO支援に乗り出したのも歓迎したい。
 「援助の顔が見えない」と言われることが多い外務省は、NGOを通じた援助競争で欧米に対抗したいと考えているようだ。NGOへの協力を、社会貢献をPRするよい機会とみる企業があってもよいだろう。
 ただし、政府や経済界はNGOの活動を支える立場を守るべきで、活動にいちいち口を出すのは慎んでもらいたい。国益や国際政治の思惑にとらわれず、人道を基準にするのがNGOの救援活動本来のあり方である。
 ジャパン・プラットフォームという受け皿ができたからといって、政府は緊急援助に従事するNGOへの資金協力ルートをここだけに絞ってはなるまい。さまざまな援助団体が世界各地で多様な活動をすることが、日本の評価を高めることにつながる。
 緊急人道援助と、医療や教育、生活水準の向上につながる長期的な援助とのバランスを失しないようにすることも大切だ。多くの紛争の背景には貧困がある。貧困克服のための開発協力は援助の基本と言える。
 問題は、欧米に比べ、日本のNGOは資金力や組織力、専門的人材、経験の蓄積など、あらゆる点で弱さが目立つことだ。
 慈善活動の伝統が乏しく、NGO活動の歴史が浅いためだろう。それだけに一層、NGOの自立を社会全体で支えるための制度づくりが欠かせない。寄付に対する税制優遇措置の導入を急ぐべきだ。
 他方、NGO側には人材を育成し、専門性を磨く努力を求めたい。運営や資金管理の透明性も必要である。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、日本や東南アジアのNGOのために東京に設立した研修センターも大いに活用してもらいたい。
 最近、欧米のNGOは、国籍にとらわれずに活動の舞台を広げている。人道救援や開発協力を学びたい若者には、欧米の巨大NGOでまず武者修行する道もある。もはや日本のNGOが肩ひじ張って「日の丸」を背負うような時代ではあるまい。
 市民としての連帯感から、国境を越えた支援に取り組む。それこそ、グローバル化時代のNGO活動の姿といえよう。[2000-09-04-00:38] 391
[このページの最初に戻る]


 09/04@露「TMD問題」提起か、露軍首脳が見通し(読売新聞)

 ワレリー・マニーロフ・ロシア軍第一参謀総長代理(大将)は三日からのプーチン露大統領訪日に先立ち、日米が共同研究を進める戦域ミサイル防衛(TMD)網の問題が今回の訪日で露側から提起される、との見通しを明らかにした。ロシアは最近、中国に同調して「TMDのアジア配備」への反対を再三表明。米政権が一日、技術的困難などから全米ミサイル防衛(NMD)網配備決定の次政権への先送りを宣言した事態を受け、発想や技術面で共通点の多いTMD計画への中露の反対攻勢が一層激化する可能性は高い。プーチン政権が日本でTMD揺さぶりに出るかに関心が集まっている。(東京で、モスクワ支局 瀬口 利一) マニーロフ大将の発言はタス通信が二日に伝えたもので、大将は「露日軍事協力の優先課題」として「軍首脳同士による軍事情報の交換」をあげ、具体的な討議分野として「アジア太平洋地域や世界」での「TMDに関する問題やNMDへの日本の態度」が含まれると言明した。ミサイル防衛問題を「協力分野」と位置づけていることから揺さぶりを狙い、何らかの提案を示す可能性も排除出来ない。
 プーチン大統領は、一日のクリントン米大統領のNMD配備決定の先送り声明を受けて、同夜、特別声明を発表、関係各国と協調してミサイル防衛を含む軍備管理問題に対処する用意を表明するなど、陰りの見えはじめたNMDなど米ミサイル防衛計画に対する封じ込め戦術を加速化させる構えを示した。また、訪日後、ニューヨークで開かれる国連ミレニアムサミットに向かい、米大統領、江沢民・中国国家主席らと会談する予定で、「NMD配備先送り」を受けて改めてミサイル防衛網反対の攻勢をかける見通しだ。[2000-09-04-00:07]
[このページの最初に戻る]


 09/05@◎ユーゴ連邦選のコソボ実施認める=国連代表(時事通信)

 【ウィーン4日時事】プリシュティナからの報道によると、ユーゴスラビア・コソボ自治州の管理に当たっている国連暫定統治機構(UNMIK)のクシュネル国連事務総長特別代表は4日記者会見し、9月24日のユーゴ連邦大統領・議会選が同州でも実施されることを認めると発表した。 [時事通信社][2000-09-05-06:04] 149 [このページの最初に戻る]


 09/05@<揺らぐ東方正教会>世界総主教庁 孤立深める「本家」(毎日新聞)

 イコン(聖像画)の並ぶ礼拝堂に、聖書を朗読するギリシャ語が響く。黒ずくめの聖職者が玉座に向かうと、金と赤のマント姿の東方正教会世界総主教、バルソロメオス1世が祝福を与える。1日、総主教庁内の教会で正教暦の新年祝賀ミサが営まれた。
 アジアと欧州の「十字路」に位置するトルコの巨大都市イスタンブール(旧コンスタンチノープル)。木造の世界総主教庁は金角湾沿いの貧困地区にある。教会を出ると、近くのモスク(イスラム礼拝堂)から礼拝を呼びかけるアザーンが響き始めた。
 ビザンチン帝国(東ローマ帝国)の首都として正教世界にそびえ立ったこの都市だが、今はイスラムの海に浮かぶ小島にすぎない。人口700万人中、正教徒はわずか3000人だ。
   ◆  ◆  ◆
 「ペテロの座(ローマ)はすべての教会の頭であり、コンスタンチノープルはすべての教会の首位と称する」
 7世紀初めにビザンチン帝国皇帝が勅令を発したように、「世界総主教」の称号を帯びるコンスタンチノープルは、西方のローマ・カトリック教会と対立しつつ、ロシアなどへの宣教を通じて勢力を拡大してきた歴史を持つ。
 しかしオスマン・トルコ帝国に征服され、「世界」の名にふさわしい影響力を維持できず、代ってロシア正教会が伸長。19世紀、ギリシャとバルカン諸国の正教会が独立、管轄地を失っていった。今も残るのは世界総主教庁としての自負だけだ。
   ◆  ◆  ◆
 「東方正教会とハンガリー・カトリック教会の和解、そして全カトリック界との和解に向けた節目だ」。8月19日、建国1000年に沸くカトリック国ハンガリーの首都ブダペストで、バルソロメオス1世は、キリスト教改宗を進めたハンガリーのイシュトバン初代国王を、正教会の聖人に加えた。カトリックはすでに17世紀に国王を列聖、東西教会が同一人物を列聖するのは1054年の分裂以来の画期的出来事だった。
 「民族主義の地獄を退け、東西の融和を進めるために世界総主教庁は特別の責任を果たさなければいけない」。東西教会の融和の訴えの裏に、世界総主教の存在をアピールする思惑が見え隠れする。
 しかし、凋落しながらも東方正教会の「本家」を自任する振る舞いは、他の独立正教会の反発を招いている。
 「世界総主教庁はアテネに代表部を置くことすら許されていない」。ギリシャ国営ラジオの元記者(57)が明かす。「ギリシャ正教会は、自らの方がビザンチン帝国の伝統の後継者にふさわしいと考え、世界総主教庁のアテネ移転の動きもあった」
 東方正教会の主導権争いの中で、世界総主教庁が活動できる地域はギリシャ、ロシア両正教会の影響が薄い東欧や米国などに限られている。
   ◆  ◆  ◆
 トルコでの立場も追いつめられつつある。トルコ政府に聖職者養成学校の閉鎖で、今では司祭の確保さえままならない。「世界総主教庁はトルコの一組織で、世界を代表する宗教機関ではない。トルコもギリシャ、ロシアの両正教会も『世界』と名乗ることが気に入らないのだ」。トルコ紙ミリエットのカドリ・ギュルセル氏(39)が解説する。
 東西融和の懸け橋を目指すコンスタンチノープルだが、かつての栄光と現実との狭間で、その努力は空転を強いられている。 【「宗教と政治」取材班】[2000-09-05-23:48] 175
[このページの最初に戻る]


 09/05@<中東情勢>パレスチナが独立宣言延期も アラブ結束見守る(毎日新聞)

 【カイロ5日高橋弘司】パレスチナ最終地位交渉の期限を13日に控え、パレスチナ自治政府が同日に予定したパレスチナ国家独立宣言を延期するとの観測が強くなっている。アラブ諸国からも宣言延期を求める声が強く、パレスチナ自治政府は交渉継続の方が得策との考えに傾いたようだ。懸案の聖地・エルサレムの帰属問題で、アラブ諸国からの確固たる支持を取り付けた自治政府は“援軍”を得たと評価している。既に焦点は、新たに設定される見通しの交渉期限までにエルサレム問題で解決の糸口を見出せるかどうかに移っている。
 カイロで開かれていたアラブ連盟外相会議は4日、東エルサレムからのイスラエル軍撤退を間接的に求める内容の声明を採択して閉幕した。声明は、第3次中東戦争(1967年)でイスラエルが占領した土地からの撤退を求めた国連決議242号を踏まえ、「強制的に他人の土地を奪うことは受け入れられないと確認した決議242号に基づく和平を強く求める」と訴えた。
 また、中東などのイスラム諸国で構成するイスラム諸国会議機構(OIC)のエルサレム委員会は先月末、モロッコで開いた会合で、「エルサレムは和平か戦争かのかぎだ。妥協はあり得ない」としたアラファト自治政府議長の演説を受け、東エルサレムをパレスチナ国家の首都と主張する自治政府方針を支持すると確認した。
 13日までに交渉が妥結しない場合、一方的にパレスチナ国家の独立宣言を行うとしてきたアラファト議長に対し、イスラエル側は「強硬措置」を公言しており、アラブ諸国は宣言を延期するよう議長を説得してきた。これらの動きを受け、カドウミ・パレスチナ解放機構(PLO)政治局長は4日、「イスラエルとの交渉が続く限り、13日には何も起こらないだろう」と述べた。9日からパレスチナ自治区・ガザで開催されるパレスチナ中央委員会で延期が確認され、最終地位交渉の新たな期限設定が課題になっていく見通しだ。
 東エルサレムをめぐってはイスラエル、パレスチナの共同管理とするエジプトの提案など複数の打開案が検討されている。6日にニューヨークで行われるクリントン米大統領とアラファト議長、バラク・イスラエル首相との個別会談で大詰めの協議が行われる予定だ。[2000-09-05-21:05] 206
[このページの最初に戻る]


 09/05@日本は7カ所に配備か 米紙がTMD構想図掲載(共同通信)

 【ニューヨーク4日共同】四日付の米紙ニューヨーク・タイムズは戦域ミサイル防衛(TMD)構想に関する特集を組み、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の弾道ミサイルから日本を防衛するためのミサイル三種類の配備に関する構想図を紹介した。
 それによると、陸上発射の戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)の場合は東京、大阪、福岡など七カ所に配備することで日本列島のほぼ全域をカバーする。
 低層用地上配備のパトリオットPAC3の場合は、札幌から鹿児島まで十三都市に配備し、それぞれ周辺数十キロを防衛する。
 第三の海上配備型上層防衛システム(NTWD)では、東京と大阪を含む本州中部が防衛対象となる。
 同紙は、構想図は国防関係の研究機関などの資料に基づき作成したとしており、米国防当局の意向を反映しているかどうか不明。
 また米兵多数が駐留する沖縄への配備構想の有無も明らかでない。
 TMDは、在日米軍など特定の施設や地域を守るため、衛星などで弾道ミサイル発射を探知し迎撃するシステム。日米は共同で技術研究を行っている。(了)[2000-09-05-16:46] 247
[このページの最初に戻る]


 09/05@日ロ首脳声明の要旨(共同通信)

 五日発表された「平和条約問題に関する日本国首相およびロシア大統領の声明」の要旨は次の通り。
 一、森喜朗首相とプーチン・ロシア大統領は、日本とロシアの間に、戦略的・地政学的利益に合致する創造的パートナーシップを構築するとの志向にのっとり、平和条約の問題を含め、二国間関係全体について詳細な交渉を行った。
 二、双方は、一九九七年のクラスノヤルスクにおける首脳会談で、東京宣言に基づき二○○○年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすことが合意されて以降、次のような肯定的実績を上げたことを確認。
 @外相レベルの平和条約締結問題合同委員会が設置された。
 A国境画定に関する委員会が設置され、積極的な交渉が継続されている。
 B共同経済活動に関する委員会が設置され、積極的に作業している。「択捉島、国後島、色丹島および歯舞諸島における共同経済活動の発展に関する日ロ協力プログラム」が署名された。
 C海洋生物資源についての操業の分野における協力の若干の事項に関する協定が署名され、成功裏に実施されている。
 D諸島への自由訪問について達成された合意が実施されている。
 E九一年の合意に従って実施されている諸島の住民と日本の住民との相互訪問の参加者の範囲が九八年から拡大されている。
 F九四年の地震に関連して開始された人道支援の分野に、緊急支援の供与を要する場合が含められている。
 三、双方は、クラスノヤルスク合意の実現のための努力を継続することおよび、その肯定的実績を一層強固なものとするよう最大限助長していくことが不可欠であることを一致して認めた。
 四、双方は、九三年の日ロ関係に関する東京宣言および九八年の日本とロシア間の創造的パートナーシップ構築に関するモスクワ宣言を含む今日までに達成されたすべての諸合意に依拠しつつ、「択捉島、国後島、色丹島及び歯舞諸島の帰属に関する問題を解決することにより」平和条約を策定するための交渉を継続することに合意した。
 交渉プロセスの効率性を高めるとの志向にのっとり、双方は、平和条約締結問題合同委員会におけるおのおのの代表者に対し、以下の措置をとるよう指示を与えた。
 @平和条約締結問題合同委員会および国境画定に関する委員会の作業を一層加速するための新たな方策を策定すること。
 A日ロ間領土問題の歴史に関する共同資料集につき、これに九三年以降の時期にかかわる資料を含めることをはじめとして、その新しい版を準備するための措置をとること。
 B平和条約締結の重要性をおのおのの国の世論に説明するための努力を活発化させること。
 五、大統領は、さまざまな分野における二国間関係の一層の発展および平和条約交渉の積極的前進を図るため、ロシアを公式訪問するよう森首相を招待した。森首相は感謝をもって招待を受け入れた。訪問時期は外交ルートで合意される。
 双方はあらゆるさまざまな機会を活用し、今後とも積極的な対話を維持することが有益であると認めた。(了)[2000-09-05-11:00] 251
[このページの最初に戻る]


 09/05@東ティモールで再出発 ダイアナ妃ボディーガード(共同通信)

 【ロンドン5日共同】五日付の英紙タイムズによると、三年前、ダイアナ元英皇太子妃が死亡したパリの交通事故で、同じ車に乗っていて九死に一生を得たボディーガード役の英国人トレバー・リースジョーンズ氏(32)が、東ティモールで国連の警備を担当する幹部としての新たな人生を踏み出した。
 同氏が働いているのは、インドネシア領西ティモールとの境界に近い南西部スアイ。一年契約でオーストラリア、ニュージーランドなどで構成される平和維持軍の警備を担当している。
 同氏は事故で顔に大けがを負い、大手術を受けた後、英国西部の故郷で警備会社に勤めていた。最近、ダイアナ元妃謀殺説を否定する「ボディーガードの話」という本を出した。(了)[2000-09-05-09:18] 9
[このページの最初に戻る]


 09/05@◎ミロシェビッチ氏を戦犯法廷に引き渡さず=野党連合の大統(時事通信)

 【ウィーン5日時事】ベオグラードからの報道によると、今月24日のユーゴスラビア連邦大統領選挙に野党連合から出馬しているコシュトニツァ候補は5日、地元ラジオとのインタビューで、大統領選に勝利しても、戦犯として起訴されているミロシェビッチ大統領の身柄をハーグの国際戦犯法廷に引き渡さないと言明した。 [時事通信社][2000-09-05-19:42] 16 [このページの最初に戻る]


 09/05@◇紛争解決能力強化を 英政府が国連改革案◇(朝日新聞)

 英国のブレア労働党政権と第3党の自由民主党は4日、国連ミレニアム・サミットを前に、紛争解決能力の強化に主眼を置いた国連改革案を発表した。バルカンやアフリカなどの国連平和維持活動の反省をふまえ、人道介入の明確な基準づくりや軍事要員の訓練養成所の設置などをうたっている。改革案には、国連安保理の正当性を高めるため、日本とドイツの常任理事国入りを含む安保理拡大も盛り込まれている。
 改革案は、日独に加え、中南米、アフリカ、アジアの各地域からも一国ずつ常任理事国を出し、非常任理事国も地域バランスに応じて4カ国増やして、安保理メンバーを24カ国にするよう提言。紛争防止の専門機関と各紛争ごとの作業部会を安保理に設置するよう求めた。
 大量虐殺などの深刻な人道被害を未然に防ぐためには、国連が人道介入に乗り出す明確な枠組みが必要だと指摘。介入の基準について、「平和の回復」と「国際人道法の尊重」を挙げている。
 また、国連平和維持軍の能力と質の向上・維持も不可欠だとし、軍事要員の養成施設の創設と、平和維持活動への参加が可能な部隊を日常的に確保するシステム作りを提唱している。
 ブレア政権が、改革提案にあたって紛争解決に主眼を置いたのは、最近の国連平和維持活動や人道介入でさまざまな反省点が指摘されたからだ。
 冷戦後の国際情勢の変化と国防負担軽減のため、同政権は紛争対応型への戦力の改変を進めている。だが、ルワンダや東ティモールでは国連の介入の遅れが多くの民間人犠牲者を生んだと批判され、西アフリカ・シエラレオネでは国連部隊の準備不足と貧弱な装備・訓練から、大勢の要員が武装勢力に拉致された。
 北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴ空爆については、国連決議を経ていないとして正当性を疑問視する声が英国内でも出ていた。[2000-09-05-12:44] 13
[このページの最初に戻る]


 09/05@逆境に負けない強さ 父と二人三脚のドキッチ テニスの話題(共同通信)

 テニスの全米オープン第八日は四日、ニューヨークのナショナル・テニスセンターで行われ、女子の新星、エレナ・ドキッチ(オーストラリア)はシングルス4回戦でセリーナ・ウィリアムズ(米国)に6―7、0―6で敗れ、八強進出はならなかった。
 第1セットでは、強打の相手をあと一歩まで追い詰め、タイブレークで7―9の接戦。際どい判定もあり、「あのセットを取っていれば、彼女にプレッシャーがかかったはず。逆に、わたしが2セットを連取したかもしれない」と、勝ち気な性格をのぞかせた。
 大会開幕後にコーチでもある父親のダミル氏が、食堂で暴言を吐き、会場への立ち入りを禁止されたが、「わたしは精神的に強く生まれている」と、十七歳とは思えない冷静さで、その後も勝ち進んだ。
 ダミル氏は、今夏のウィンブルドン選手権でも記者の携帯電話を地面にたたきつけるなど、トラブルが絶えない。そのたびに娘は同情の目を向けられているが、親子のきずなは揺るぎないようだ。
 内戦を逃れてユーゴスラビアへ移り、さらにオーストラリアへ移住したセルビアの父と娘は、ずっと二人三脚で歩んできた。
 やはり父親がコーチのセリーナは「両親から、家族の大切さを教えられて育った。彼女は自分の父親が何をしても、いつも味方でいる。素晴らしいことだと思う」と理解を示した。(共同=小林伸輔)(了)[2000-09-05-15:01]
[このページの最初に戻る]


 09/06@<ユーゴ大統領選>野党候補が世論調査で現職を大きく引き離(毎日新聞)

 24日投票のユーゴスラビア連邦大統領・議会選挙に向けて、ユーゴ国内に静かな緊張が張り詰めている。野党15党で作るセルビア民主野党連合の大統領候補、コシュトゥニツァ・セルビア民主党党首が、世論調査で与党候補のミロシェビッチ大統領を大きく引き離しているからだ。野党側は、与党の不正工作の有無と選挙後に大統領が結果を受け入れるかどうかを注視している。【ベオグラードで福井聡】
●初の20ポイント差
 ベオグラードの社会科学研究所が発表した最新の支持率調査ではコシュトゥニツァ氏52%、ミロシェビッチ氏31%と、初めて20ポイント以上の差がついた。同研究所の過去2回の調査でもいずれもコシュトゥニツァ氏がミロシェビッチ氏に対し35%対23%、42%対28%でリードしている。別の民間調査機関・メディアムの最新調査によると、第1回投票の得票率は、コシュトゥニツァ氏35・3%▽ミロシェビッチ氏24・4%▽ニコリッチ氏(急進党候補)9・0%▽ミハイロビッチ(再生運動候補)6・8%――の順になると予想。決選投票になった場合、43%対27%でコシュトゥニツァ優勢と出ている。
 コシュトゥニツァ氏は自らを「穏健派民族主義者」と位置付け、ミロシェビッチ大統領の過去10年間にわたる「大セルビア主義」によって国際社会から孤立した国民から、「セルビア人の誇りを取り戻す候補」と期待されている。当選した場合、1年半以内に新憲法制定のための自由選挙実施を約束している。
●コソボの不正工作?
 これに対して、与党側は159万人余の大統領支持の署名を提出し、政府系日刊紙は「真の支持率は調査結果とはまったく逆で、10対1の差で現大統領が勝利する」と主張している。ただし、与党の社会党(旧共産主義者同盟)などが情勢不利と気付き始めたのは確実だ。先月末、国連統治下にあるユーゴ連邦セルビア共和国コソボ自治州内での投票実施を発表したのは、ミロシェビッチ落選回避のための一策とみられている。
 各種の調査によると、有権者約600万人のうち400〜450万人が投票する見込みで、与党側は官庁や企業の締め付けなどで既に150万票を固めたと推定されている。決戦投票になれば野党側有利と見られ、与党側は第1回での当選を確実とするために「80万票を不正工作で創出する」(野党側)と危ぶむ声が出ている。その際、最大の懸念となっているのがコソボだ。
 野党側によれば、3年前のセルビア共和国大統領選挙の際、コソボ内のフラニエ選挙区の有権者は30万人だったのに今回は64万人、ポロクリエ選挙区では20万人だったのが今回72万人に急増しているという。コソボ内に現在セルビア人はこれほど居住しておらず、投票に行かない計86万人のアルバニア系住民の架空名義での大規模不正投票工作が準備されていると警告している。
 ●選挙後の行方
 同研究所の調査結果によると、大多数が選挙で野党が勝利すると回答しているのにもかかわらず、全回答者の46%は「ミロシェビッチ大統領は選挙後も政権の座にとどまる」とみている。つまり、野党側勝利の結果が出た場合も同大統領が選挙無効などを理由に居座る可能性大と考えているわけだ。
 野党側は3万5000人の選挙監視員を配備し、不正防止に努める方針だ。
 <コシュトゥニツァ候補はこのほど、毎日新聞の質問状に次のような書面回答を寄せた。>
 ――第1回投票でミロシェビッチ大統領が小差で勝ち、何らかの理由で第2回の決選投票を中止して勝利宣言した場合、どうしますか。
 ◇もしそうなった場合、私は人々と共に行動する。投票結果がごまかされれば有権者の声が政治家のそれを上回る。
 ――ミロシェビッチ大統領はあなたを「北大西洋条約機構(NATO)支援者」と非難していますが。
 ◇私がNATO支援者というのは全くのナンセンスだ。昨年のNATOによるユーゴ空爆を正当化する理由はどこにもない。
 ――大統領選に当選すれば、コソボの地位をどう定義しますか。
 ◇コソボは国連がユーゴ連邦の一部と定義している以外の何ものでもない。しかし、アルバニア系とセルビア人双方の立場から、コソボの地位問題は簡単に解決できるものでなく、当事者が外部の圧力なしで長期的解決策を粘り強く話し合うべきだ。
 ――「穏健派民族主義者」とはどんな意味ですか。 ◇自分たちのルーツを知り誇りを持つ人々で、これこそが他の人々のルーツ尊敬につながる唯一の方法だ。私は民主主義と民族主義の調和が現代社会に最も敵した政治形態だと信じている。[2000-09-06-18:24] 4
[このページの最初に戻る]


 09/06@東ティモール併合派が襲撃、国連職員3人死亡(読売新聞)

 【ジャカルタ6日=菱沼隆雄】インドネシア領西ティモールのアタンブアで六日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の現地事務所が東ティモールの独立に反対する数百人の武装勢力に襲われ、外国人職員三人が死亡、一人が行方不明になっているほか、三十人以上が負傷した。武装勢力を野放しにしてきたインドネシア政府への批判の声が高まりそうだ。
 国営アンタラ通信によると、犠牲者三人はクロアチア、南アフリカ、フィジー国籍のUNHCR職員で、殴殺された後に遺体を焼かれた模様。約三十人の負傷者については、ヘリコプターによる救出作業が行われた。この襲撃で同事務所は半焼した。また、近くにある国際人道機関の国際移住機構(IOM)の事務所も襲撃されたが、負傷者は確認されていない。
 現場は昨年八月に住民が独立を選択した住民投票が行われた東ティモールとの境界付近。UNHCRは同投票後に発生した騒乱で西ティモール側に流出した避難民のうち今も残る約十万人の帰還活動を行っている。ただ、併合派住民らは、支援活動が独立派に偏っているなどと反発し、UNHCR職員への襲撃事件が続いていた。[2000-09-06-23:48] 7
[このページの最初に戻る]


 09/06@ロ大統領、国連の役割強調(共同通信)

 【ニューヨーク6日共同】プーチン・ロシア大統領は六日、国連ミレニアムサミットで演説、昨年のユーゴスラビア空爆など国連安保理の承認なしで地域紛争解決にあたる欧米諸国の動きをけん制、紛争解決には国連が重要な役割を果たすべきだとの立場を表明する。
 国内にチェチェン紛争を抱えるロシアは、ユーゴ・コソボ紛争に、北大西洋条約機構(NATO)がロシアの強硬な反対を押し切り、国連安保理の承認なしに武力介入したことに根強い不信感を抱いている。
 安保理常任理事国のロシアとしては、地域紛争解決に当たっての国連の役割を強調、米国の「一極支配」に対抗、「多極化」を目指す同じ常任理事国・中国との連携を強めることで欧米側の動きをけん制する狙いがある。(了)[2000-09-06-17:37] 1
[このページの最初に戻る]


 09/07@◇民兵集団が国連事務所を襲撃、3人死亡 西ティモール◇(朝日新聞)

 昨年の騒乱で東ティモールを脱出した住民が難民生活を送っているインドネシア・西ティモールで6日、数百人の民兵が国連や非政府組織(NGO)の事務所を次々に襲撃する事件があり、国連職員3人が焼き殺され、1人が不明、多数が重軽傷を負った。騒乱後、東ティモールでは侵入した民兵と国連平和維持軍との戦闘で国連側に死者が出ているが、民生部門の国連職員が犠牲になったのは初めてで、国連の平和維持活動(PKO)への打撃は深刻だ。国連は西ティモール全体から職員を引き揚げ、難民の支援活動を一時中断することを決めた。
 襲撃事件があったのは、東ティモールと境界を接する西ティモールのアタンブア市。地元紙の記者によると、同市を拠点とする民兵組織のオリビオ・メンドーサ代表が5日、自宅で殺害される事件があった。これに怒った数百人の民兵が6日、銃やオノを手に市内にある国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国際移住機構(IOM)、難民の支援をしているNGOの事務所などを襲撃した。
 現地からの情報によると、民兵集団は事務所を包囲して国連職員を閉じ込め、放火した模様だ。焼死した3人の国籍について、インドネシア警察当局はクロアチア、プエルトリコ、エチオピアと発表した。国連によると、もう1人の職員が行方不明になっている。
 独立まで東ティモールの統治を代行する国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)は国連職員を救出するため、ヘリコプター3機を西ティモールに派遣した。UNHCR本部によると、6日夜までに負傷者4人を含む54人の国連職員らがヘリで脱出した。西ティモールの中心都市クパンにいる約80人の国連職員は引き揚げる予定だ。
 インドネシアからの独立を決めた昨年8月の住民投票後、東ティモールは騒乱状態になり、20万人以上がインドネシア側に脱出した。その後、帰還が進んだが、今も西ティモールを中心に約13万人が難民生活を送っている。UNTAETは「難民キャンプが民兵の活動拠点になっている」としてインドネシア政府に閉鎖を要求。同国政府は先月、半年以内に難民キャンプを閉鎖すると発表した。[2000-09-07-01:28]
[このページの最初に戻る]


 09/07@<国連ミレニアムサミット>各国首脳が集まり NYで開催=(毎日新聞)

 【ニューヨーク6日上村幸治】世界各国の首脳が一堂に集まる「国連ミレニアム(千年紀)サミット」が6日午前9時(日本時間同午後10時)過ぎ、ニューヨークの国連本部で開幕した。21世紀の国連の果たすべき役割について討議、国連改革のほか、国連平和維持活動(PKO)の機能強化、貧困根絶やエイズ対策、環境保護などを重点的に話し合う。
 冒頭に演説したアナン国連事務総長は「今日の多くの課題は、グローバルなものであり、われわれもグローバルなレベルで協力することが望まれている」と述べ、グローバリズムが引き起こす問題に対応するため、国連を強化するよう各国に呼びかけた。
 このあと首脳演説に入り、クリントン米大統領はユーゴスラビア紛争などを例に「国連は紛争を解決する手段を与えられるべきだ」と述べ、冷戦後に各地で頻発する地域紛争に対応するため、PKOの機能を強化するよう要請、米国も協力する姿勢を示した。
 サミットには、森喜朗首相ら加盟189カ国から150人を超える首脳(大統領、首相ら)が出席、前回1995年の国連創設50周年サミットを上回る史上最大規模の会合となった。
 8日までの会期中、クリントン大統領がプーチン・ロシア大統領、江沢民中国国家主席とそれぞれ会談するなど、各国首脳は活発に個別会談する。
 南北朝鮮の首脳会談は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金永南(キムヨンナム)・最高人民会議常任委員長がサミット出席を取りやめ、開催不可能となった。このため、クリントン大統領の主導する中東和平交渉が、大きな焦点になる。
 7日には、安全保障理事会を構成する15カ国の首脳が、安保理サミットを開催し、安保理改革問題やアフリカ問題を議論する。
 ミレニアムサミットは、アナン事務総長が世紀の変わり目を記念し、ミレニアム総会(第55回総会)に合わせて開いた。最終日の8日に安保理改革を明記した「ミレニアム宣言」を採択する。[2000-09-07-00:51] 15
[このページの最初に戻る]


 09/07@西ティモール国連職員殺害で容疑者15人逮捕(読売新聞)

 【ジャカルタ7日=菱沼隆雄】インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ調整相(政治・社会・治安担当)は七日、同国西ティモールで六日発生した国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員三人の殺害事件について、容疑者十五人を逮捕するなど捜査を開始したことを明らかにした。
 事件の背後関係について、「政治的思惑が絡んでいる可能性も否定できない」と、ワヒド大統領が進める改革路線に反発する守旧派が、同政権の威信低下を狙い引き起こした疑いもあるとの見方を示した。
 ユドヨノ調整相は「群衆が突然暴徒化し、手がつけられなくなった特別なケース。現地の治安は基本的に維持されている」と強調。また、六日夜には東ティモールからの避難民と現地住民が衝突、二人が死亡したほか民家数軒が焼き打ちにあった、と明らかにした。
 同事件は、東ティモールの独立に反対する武装勢力の指導者の一人が五日、殺害されたことをきっかけに、葬送に参加していた武装勢力の一団が騒ぎだし、UNHCR事務所を襲撃する事態に発展。エチオピア、クロアチア、米国籍プエルトリコ人の三人の職員が殺害された。
     ◇
 ◆国連関係者が脱出◆
 国連は西ティモールに駐在する国連関係者約二百四十人の撤退を決め、七日夕までにほぼ全員が空路、バリ州や東ティモールの中心都市ディリなどに脱出した。[2000-09-07-23:28] 16
[このページの最初に戻る]


 09/07@<地雷禁止会議>世界の使用状況について千ページの報告書(毎日新聞)

 【ジュネーブ7日福原直樹】当地で11日から開かれる「対人地雷禁止条約」の第2回締約国会議に向け、非政府機関の「国際地雷禁止運動」(ICBL)は7日、世界の地雷使用状況について1000ページにわたる報告書をまとめた。ICBLは、条約成立の原動力となり、1997年度のノーベル平和賞を受けている。
 報告は過去1〜2年の間に、世界の地雷の輸出入が停止され、昨年3月の条約発効以来、約1000万個の地雷が破壊されたことを「条約の効果があった」と評価。さらに、地雷を製造する業者が3分の1(16社)に減ったことも指摘した。だが世界105カ国で、2億5000万個の対人地雷が保存されている可能性がある、という。
 このうち、中国が1億1000万個を保有、以下は露6000〜7000万個▽ベラルーシ1000〜1500万個▽米1100万個と続く。また、ウクライナ、パキスタン、インドが各400万個を保有している、という。
 死傷者についてICBLは、アフガニスタン、ボスニア、カンボジアなどで飛躍的に減少したことを指摘。だが、コソボ(旧ユーゴ)、チェチェン(ロシア)など71カ国で新たな犠牲者が出ており、条約発効以来、フィリピンなど世界の20の紛争で地雷が使用された、ともいう。
 同条約は、97年9月、オスロで採択し、9月1日時点で、日本を含む138カ国が署名。だが米が朝鮮半島での地雷の必要性を主張し署名していない。露、中国も「国家防衛のため必要」として署名していない。[2000-09-07-21:21] 18
[このページの最初に戻る]


 09/07@<西ティモール>職員3人殺害事件で、職員を全員避難へ 国(毎日新聞)

 【ジャカルタ7日中坪央暁】インドネシア領・西ティモール(東ヌサトゥンガラ州)で国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の職員3人が殺害された事件で、国連は職員全員を避難させることを決め7日夕、中心都市クパンから脱出した国連職員を乗せた航空機が同国のリゾート地のバリ島に到着した。
 スシロ・バンバン・ユドヨノ同国調整相(政治・治安担当)は同日記者会見し「州政府、国軍、警察に治安を強化するよう指示した」と述べた。
 一方、AFP通信は同日、インドネシア当局が事件に関わったとみられる15人を逮捕したと伝えた。
 殺害されたのはクロアチア、プエルトリコ、エチオピア国籍のUNHCR職員3人。国営アンタラ通信などによると現地では5日、インドネシア最高検察庁が東ティモール人権侵害事件で起訴する予定だった容疑者の民兵幹部が他殺体で発見された。6日はこの民兵幹部の葬送行進が行われ、参加していた民兵の一部がUNHCR事務所を襲ったという。[2000-09-07-19:29] 19
[このページの最初に戻る]


 09/07@PKO強化で声明採択へ 安保理首脳会議を開催(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】国連ミレニアムサミットは七日、安全保障理事会首脳会議を開催、国連平和維持活動(PKO)強化に向けた基本方針を明記した声明を採択する。
 安保理首脳会議は今回のサミットで最も注目される会議。会場となる安保理議場には、クリントン米大統領や江沢民・中国国家主席ら常任理事国五カ国をはじめとする理事国首脳らが一堂に会する予定だ。
 共同通信が入手した声明案は「国連の中核的活動としてのPKOを強化し、その機能を向上させることを決意した」と表明。紛争の予防から紛争後の平和構築に至る「あらゆる段階で実効性を高めることを誓約する」としている。
 またルワンダやボスニア・ヘルツェゴビナでの失敗例などから、これまで各地の情勢に応じたPKOの任務が必ずしも遂行されなかった反省を踏まえて「明確かつ達成可能で、適切な任務を採択する」と明記。安保理のPKO創設決議を現地の状況に応じてより厳格に規定するとの方針を打ち出した。
 さらに今年五月のシエラレオネでの要員大量拘束事件や民間人が紛争に巻き込まれるケースを防止するため「要員の安全確保と民間人保護のための効果的手段も(決議に)含まれる」とした。
 同時に緊急展開能力の向上の必要性を強調するなど、先月公表されたPKO見直し委員会の報告書に沿った記述も見られるほか、アフリカ各地で続発するダイヤモンド密輸などへの対策強化も盛り込まれている。(了)[2000-09-07-16:54] 20
[このページの最初に戻る]


 09/07@国連事務総長選任に拒否権も 常任理に強大なパワー(共同通信)

 【ニューヨーク7日共同】「国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を負う」(国連憲章第二四条)安全保障理事会は国連の最重要機関で、決定はすべての加盟国を拘束する。国連平和維持活動(PKO)派遣決議から新規加盟国受け入れに至るまで権限は広く、一カ国でも反対すれば決議などを否決できる「拒否権」を持つ常任理事国五カ国のパワーは強大だ。
 国連事務総長の選任についても例外ではなく、一九九六年にはガリ前事務総長の再選に米国が拒否権を行使、再選を阻止している。
 安保理の歴史は東西冷戦下の拒否権乱発時代が長く、例えば日本の国連加盟申請ではソ連(当時)が拒否権を行使。日本加盟が実現したのは日ソ共同宣言で国交が正常化した五六年だった。
 また、八三年の大韓航空機撃墜事件ではソ連戦闘機の交信テープが安保理で公開されたが、日米などが提案した対ソ非難決議は、やはりソ連の拒否権発動で葬られている。
 冷戦終結後は九○年のイラクへの武力行使容認決議などに象徴される協調体制に入るが、九九年の北大西洋条約機構(NATO)によるユーゴスラビア空爆は安保理の承認なしに実施。国連の威信低下が指摘されると同時に、拒否権の是非をめぐる議論も再燃しつつある。
 過去、安保理が拡大されたのは六五年に非常任理事国の議席数を六から十とした一回だけで、常任理事国数は国連創設以来五カ国のままだ。(了)[2000-09-07-16:30] 21
[このページの最初に戻る]


 09/07@<編集部から>ユーゴ訪問の児童合唱団を同行取材して(毎日新聞)

 この春、ユーゴスラビアの首都ベオグラードを「ゆりがおか児童合唱団」(山田栄子指揮者、本拠・川崎市)の少女とOG28人が訪れ、さわやかな歌声を披露した。「空爆で傷付いた難民の心を、音楽の力で慰めよう」との趣旨。私も1週間、同行取材をさせてもらった。
 その体験をまとめた感想文集が完成し、一読して打ちのめされた。少女のみずみずしい感性、伸びやかな筆致……。「感じる」力の衰えを思い知らされた。
 引率役を務めたOG2人は、偶然にも私と同い年。すっかり意気投合し、帰国後に同好会を結成、何かと集まっている。名称は、3人の年齢にちなんで「散々倶楽部」。先日の会合では「我々もうらぶれていないで、少女のように感性をきらめかせよう」と誓い合った。かくて会は、「燦々倶楽部」に改称されたのである。 【斉藤希史子】[2000-09-07-14:30] 299
[このページの最初に戻る]


 09/07@クリントン大統領、米露軍備交渉を後継者に押し付け(読売新聞)

 【ニューヨーク7日=坂元隆】クリントン米大統領は六日のプーチン・ロシア大統領との首脳会談で、軍備管理分野での米露協調を確認する一方、予備協議段階にある第三次戦略兵器削減条約(START3)を含め今後の交渉は次期米大統領とプーチン氏の間で行うべきだ、との見解を示した。全米ミサイル防衛(NMD)網配備決定の次政権先送りに続き、軍備管理交渉の重責をそっくり後継者に押しつけたともいえる。残り四か月余のクリントン氏の任期中にSTART3交渉などが進展する可能性は極めて薄くなった。
 クリントン大統領は六日記者団に、ロシアが反対していたNMD網配備の決定を先送りしたことで「私の後継者とプーチン大統領が軍備管理に関する全問題に共に取り組んでいくことが可能になった」と述べ、任期中に、NMD配備に必要な弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約改定の問題やSTART3などで突っ込んだ対露交渉に臨む意思がないことを示した。
 クリントン大統領がロシアとの軍備管理交渉を後継者に“丸投げ”した理由の一つは、NMD配備決定を先送りした以上、ABM条約改定にロシアを同意させるため、START3交渉などでの譲歩をロシアに対する取引材料に使う必要がなくなった点にある。
 例えば、START3での核弾頭削減の幅をめぐって、米国は「二千〜二千五百発まで」、ロシアは「千〜千五百発まで」を求めている。米政府内では、ロシアがABM条約改定を受け入れるのと引き換えに、削減幅で露側要求に歩み寄る案も検討していたという。こうした取引は後継のブッシュ共和党、またはゴア民主党政権へ引き継がれる。
 一方、露大統領は六日の国連ミレニアムサミットでの演説で、「宇宙軍拡阻止のための国際会議開催」を呼びかけるなど、着々とNMD封じ込めのための手を打っている。米国の覇権阻止とNMD反対で共同歩調をとる中国とは一層連携を深めそうだ。露側の主な狙いは、次の米政権が誕生するまでの間に、NMD配備に反対する国際世論をかき立て、ABM条約改定への同意と引き換えに米国からもぎとる譲歩の値を可能な限りつり上げる点にある。
 近年の財政難で従来のような膨大な核戦力を維持することが困難になったロシアは、米国がABM条約改定を望んでいるのを逆手に取り、核弾頭の削減幅にとどまらず、START2で禁じられた複数弾頭搭載大陸間弾道弾(ICBM)の部分的復活などの要求を突きつけることを考えているといわれる。
 米露のみが世界で突出した核大国である以上、次期米大統領はどうしても対露軍備管理交渉を継続せざるを得ない。しかもNMDに関しては、民主党候補のゴア副大統領も共和党候補のブッシュ・テキサス州知事も程度の差こそあれ配備推進を主張している。
 次期米大統領がプーチン大統領との交渉テーブルに就いた時、ロシアをNMD配備に同意させるのは現在以上に難しくなっているのは確実だ。妥協を狙えば、その対価を一層つり上げられる恐れは強い。ブッシュ知事は「クリントン大統領はこの重要な問題を未解決のまま次期大統領に押しつけようとしている」と批判したが、実際、大きなつけが次期政権に回って来るのは避けられそうにない。[2000-09-07-23:38] 329
[このページの最初に戻る]


 09/07@◇インドネシアに民兵の武装解除を要求 国連安保理◇(朝日新聞)

 インドネシアの西ティモールで起きた国連の援助機関に対する襲撃事件で、国連安全保障理事会は6日、緊急会合を開き、インドネシア政府に対し、民兵組織を解体・武装解除して暴力に終止符を打つよう呼びかけた非難声明を発表した。国連関係機関は7日、西ティモールから撤収した。
 安保理は、難民救助に当たる非武装の国際機関職員に対する攻撃を「無法で、卑劣な振る舞い」と非難した。さらに、人道援助に当たる人々の安全を尊重するために、関係者すべてがしっかりとした方策をとることを主張。「今回の襲撃の責任者を裁きにかけなければならない」と唱えた。
 この日の緊急協議は、ミレニアム・サミットに出席中の緒方貞子・国連難民高等弁務官らが加わって、事情を説明した。協議を終えた同高等弁務官は「治安がきわめて悪く、いったん停止した援助活動を再開したが、状況が次第に悪化していた」と西ティモールの無法状態が強まる一方の現状を語った。
 これに先だつ国連本部での記者会見で、緒方高等弁務官は「この悲劇で、世界の指導者たちが、未然に防ぎくい止めなければならない紛争の存在に目を開くように望む」と述べ、「ニューヨークのミレニアム・サミットは紛争現場から、あまりにも遠い」と援助現場の難しさを改めて訴えた。
 国連の文民スタッフは1992年から現在までに193人の犠牲を出しており、98年には軍事要員よりも多くの死者を出すなど、次第に増加する動きにある。今回の事件は紛争地域で脅かされている援助活動の現実を象徴する悲劇となっている。[2000-09-07-20:37] 331
[このページの最初に戻る]


 09/07@◇サミットでPKO論議が一気に活発化 国連職員襲撃◇(朝日新聞)

 インドネシア・西ティモールでの国連職員の襲撃殺害事件を機に、ミレニアム・サミットでの平和維持活動(PKO)論議が一気に活発化してきた。6日の緊急安保理は、職員を襲撃した民兵の武装解除を要求する一方、首脳演説でもクリントン米大統領、ブレア英首相らがPKO強化を呼びかけた。国連は12日から始まるミレニアム総会で、先にアナン事務総長の諮問機関がまとめたPKO改革に関する報告書をたたき台に、今後のPKOについて本格的に論議する。
 アナン事務総長は6日のサミット開幕冒頭、参加した首脳に、犠牲者のめい福を祈る黙とうを呼びかけた。サミット開催のタイミングにあわせたように飛び込んだ国連職員襲撃のニュースは、国連改革、とりわけPKOをどう強化するかが、今回のサミットの焦点になることを、皮肉にも証明した形になった。
 PKO改革の重要性は、登壇した主要国の首脳が演説に盛り込んだ。クリントン米大統領は「適切な訓練と装備を備え、緊急展開できる平和維持活動の組織が必要」と話した。
 ブレア英首相は持ち時間の大半をPKO改革について割いた。「西ティモールでの事件に見られるように、現在の紛争は展開が早く不安定である」と指摘。そのため国連PKOの投入はより迅速な対応が求められるとして、「加盟国は自国の軍隊を国連の平和維持活動にゆだねなければならない。一方で国連も軍事計画、情報収集・分析、将兵を大幅に改善させなければならない。これは、加盟国と国連との新たな契約だ」と言い切った。
 これに先立ち、英国は平和維持活動の訓練施設(トレーニングカレッジ)を英国内に創設することを提案。アナン事務総長も歓迎する声明を発表している。
 PKO改革のたたき台となる報告書は、アナン氏の諮問機関が先月、公表した。その中で、(1)発令から7日間で現地に派兵できる「経験豊かで優れた兵士」を100人、常に登録しておく(2)安保理の決議を待たずに、緊急派兵のため5000万ドルの支出を決める権利を国連事務総長に与える――などと提言している。冷戦終結後、かえって増加した武力紛争に対し、PKOを「国連活動の中核として」位置づけるという決意の表れだった。[2000-09-07-20:34] 367
[このページの最初に戻る]


 09/07@14のPKOが展開中 冷戦後、飛躍的に増大(共同通信)

 紛争地域で展開されている国連平和維持活動(PKO)は現在、合計十四。エチオピア、エリトリア間の国境紛争の停戦を受け、同地域へも近く部隊が派遣される予定だ。
 第二次大戦後の東西対立で、国連を軸とした集団安全保障制度が機能しない中、第一次中東戦争を受けて一九四八年に初めて展開した国連休戦監視機関(UNTSO)が最古のPKO。翌年派遣された国連インド・パキスタン軍事監視団(UNMOGIP)がこれに次ぐ。
 冷戦が終結して以降、地域紛争の多発に伴い、活動部隊数は飛躍的に増大した。過去の累計五十三部隊のうち、約四十が冷戦後に展開、昨年一年間だけでも、コソボ、シエラレオネ、東ティモール、コンゴ(旧ザイール)への派遣が決まった。
 部隊の性格も停戦状態の維持だけでなく、難民帰還や選挙監視など広範囲な任務を担う「多機能型」が目立ち始めた。
 しかし、ひっ迫する財政事情に加え、既に千六百人以上が戦闘行為などの犠牲になっており、派遣要員の確保は容易ではない。一方で、九四年のルワンダ大虐殺に対応できなかった反省から、即応性の向上などが求められている。(共同=太田昌克)(了)[2000-09-07-16:29] 386
[このページの最初に戻る]


 09/07@◇「窓」―熟年協力隊◇(朝日新聞)

 悠々自適でもなく、働きバチ生活を続けるのでもない。これまで培った経験を生かす「第二の人生」を過ごしたい。
 そんな思いから、国際協力事業団(JICA)の「シニア海外ボランティア」に応募する人が急増している。
 この春の募集に五百六十人が応募した。秋の募集を含めれば千人を軽く超えそうだ。
 十年前の創設当時の派遣人数はたった三十人だった。この人気ぶりに、今年は派遣数を四百人まで増やすという。
 二、三十代の若者中心の青年海外協力隊の活躍はよく知られているが、四十歳以上の人を対象にした「熟年協力隊」のパワーもかなりのものだ。
 七十歳近い女性栄養士は、南米パラグアイで、学校給食改善への熱心な指導が認められて、大統領勲章をもらった。元機械工の六十代の男性は、ラオスの村々を回って、日本の援助で掘られた井戸を補修している。
 八月末、JICA総裁職を退いた藤田公郎氏(六八)もそんな「熟年」を目指している。
 若い外交官だったころ、日本で最初の無償援助案件である旧南ベトナムの病院の建設にかかわった。一九七〇年代には、国交正常化した中国向け援助の立ち上げを準備した。
 外務省を退官後も、JICA総裁としてアフリカなどの援助の現場を歩いてきた。
 「これまでの社会生活の半分は経済協力のために働いてきた。その経験を、途上国のためにもう一度いかせれば」 派遣先は南太平洋のサモア。政策顧問として、経済活性化策を助言する。
 十月、それぞれ赴任先の決まった百二十余人の仲間とともに、現地へ飛ぶ。
 「人は希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる」 米国の詩人サミュエル・ウルマンの詩を贈りたい。〈脇〉[2000-09-07-14:26] 421
[このページの最初に戻る]


 09/07@国連強化へ論戦展開 米英首脳はPKOで一致 サミット初日(共同通信)

 【ニューヨーク6日共同】国連ミレニアムの六日、首脳演説を続行、韓国の金大中大統領やパレスチナ自治政府のアラファト議長ら六十人以上の首脳らが二十一世紀に向けた国連強化などについて論戦を展開した。
 ブレア英首相は、今サミットの中心課題である国連平和維持活動(PKO)について「強力で早急に展開できる部隊を創設する必要がある」と主張、クリントン米大統領が提唱した緊急部隊構想を支持した。
 日本が最も注目する安全保障理事会の改革問題では、シラク・フランス大統領が常任、非常任理事国双方の拡大が重要との認識を表明。サミット直前に同様の提案を発表した英国と歩調を合わせた。
 しかし中国の江沢民国家主席は先進国の常任理事国入りに否定的な見解を示し、クリントン大統領、ロシアのプーチン大統領は特に言及せず、安保理常任五カ国の対応が分かれた。
 キューバのカストロ国家評議会議長は、安保理拡大によって常任理事国入りする国には拒否権を与えず、透明性を確保しながら拡大を図るべきだとの考えを表明した。(了)[2000-09-07-11:01] 423
[このページの最初に戻る]


 09/07@米露首脳会談、軍備管理など協調で合意(読売新聞)

 【ニューヨーク6日=坂元隆】国連ミレニアムサミットに出席中のクリントン米大統領とプーチン・ロシア大統領は六日、ニューヨーク市内のホテルで会談した。クリントン大統領は、全米ミサイル防衛(NMD)網配備の決断先送りによって米露間の対立が緩和されたことを受け、米露両首脳が改めて軍備管理などの分野で協調すべきだと主張し、プーチン大統領も同意した。両首脳は会談後、戦域ミサイル防衛(TMD)で両国が協力を進めることや、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)の強化を通じてミサイル拡散防止に努力することなどをうたった共同声明を発表した。
 しかし、NMD配備とその前提となる弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約改定を巡っては両首脳の主張は平行線をたどった。
 米露首脳会談は七月の沖縄サミット以来で、プーチン大統領の就任後三回目。
 会談後記者会見したタルボット米国務副長官は、NMD配備先送りが米露間の緊張緩和に役だったことを認めつつも「NMD問題が解決されたわけでないことはプーチン大統領も理解している」と指摘。さらに米露間の軍備管理の最大テーマである第三次戦略兵器削減条約(START3)について「ロシアが(NMD構想を含む)戦略的防衛に関する米国との交渉に正式に加わるまで、START3の正式交渉は始まらない」と述べ、NMDやABM条約改定の問題に新たに取り組まない限りSTART3交渉も本格始動しないことを示唆した。
 両首脳はまた、バルカン半島の民主化やイラクへの国連査察などの地域問題も協議した。クリントン大統領は露海軍原潜「クルスク」が沈没したことに弔意を表した。[2000-09-07-10:52] 431
[このページの最初に戻る]


 09/07@NMD先送りは協調の成果 江主席にロシア大統領(共同通信)

 【ニューヨーク6日共同】国連ミレニアムサミットに出席中の中国の江沢民国家主席とロシアのプーチン大統領は六日、ニューヨークの国連本部内で会談した。
 中国外務省の朱邦造報道局長によると、会談でプーチン大統領は、クリントン米大統領が米本土ミサイル防衛(NMD)配備に関する判断の先送りをこのほど表明したことについて「(中ロの)共通した立場が軍縮面で肯定的な影響を生んだ」と表明、NMDに一致して反対した中ロ協調の成果だとの認識を示した。
 両首脳は、国連の重要性を再確認し、国連活動をより活発化させ、米国の一極支配に対抗する「世界の多極化」を図る方針で一致した。
 二国間関係について両首脳は、相互交流の機会を増やして「重要な問題に対して協調して対処する」ことを再確認し、NMD計画の阻止などに向け協調関係を強める考えを表明。プーチン大統領は「両国の友好関係は世界の安定にも役立つ」と強調した。(了)[2000-09-07-10:36] 449
[このページの最初に戻る]


 09/07@ロシア側に原潜事故データ渡す 米大統領補佐官(共同通信)

 【モスクワ6日共同】ロシア通信などによると、国連ミレニアムサミットに参加するプーチン・ロシア大統領に同行しニューヨーク入りしているイワノフ安全保障会議書記は六日、ロシア原子力潜水艦クルスク沈没事故に関するデータを米国側から受け取ったことを明らかにした。
 書記によると、バーガー米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が同日の書記との会談で、米国側が海中で二回の爆発があったとのデータを持っており、爆発個所、強度についても伝えてきた。米国など外国潜水艦との衝突説を主張するロシア海軍側の照会に答えたもの。
 補佐官によると、二回目の爆発は一回目に比べ数十倍の強度だった。
 米国防総省は、事故当時、現場の北極圏バレンツ海海域に米海軍の潜水艦監視艦船がいたことは認めていたが、米潜水艦とクルスクとの衝突については否定していた。(了)[2000-09-07-08:19] 452
[このページの最初に戻る]


 09/07@対人地雷を122万個貯蔵 米軍が朝鮮有事に備え(共同通信)

 【ジュネーブ6日共同】対人地雷全面禁止条約の推進で一九九七年ノーベル平和賞を受賞した地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)は七日付で「二○○○年地雷モニター報告」を発表、米軍が朝鮮半島有事に備え、韓国などに計百二十二万個の対人地雷を保有していると批判した。このうち約十五万個は日本国内での貯蔵と推定されている。
 また、条約に調印した百三十八カ国のうち、日本やドイツなど五カ国が米軍の対人地雷貯蔵を認めていると指摘。「外国軍の地雷」であることを理由に、条約で定めた締約国の定期報告に記載していないとして透明性の向上を求めた。
 報告は十一日からジュネーブで始まる条約の第二回締約国会議で採択される。
 報告によると、アジア太平洋地域では調査対象となった三十九カ国のうち、中国やインドなどの「地雷大国」を含む二十一カ国が条約に調印していない。このため「未調印国が最も多い地域」として、国際社会の取り組み強化を求めた。
 日本については、在日米軍が保有する対人地雷に関し不透明性を指摘する一方、自衛隊が一九九九年末時点で保有していた対人地雷九十九万八千八百六十六個の廃棄は順調に進んでいると分析。地雷犠牲者への支援も積極的だと評価した。
 世界的にみると、条約の批准国が百一に達し、九九年から二○○○年にかけては目立った対人地雷の輸出がなかったと指摘。しかし世界には二億五千万個の対人地雷が残っているとして、調印・批准国をさらに増やす必要性を強調した。
 千百ページに上る報告は、ICBLを中心とする世界各地の地雷廃絶活動に携わる非政府組織(NGO)がまとめた。(了)[2000-09-07-07:50]


 (注)この「最近のボスニア」コーナーは、一般に報道されている記事に、千田が一部手直しして掲載しているものです。出所は明示しており、各社・各記者の著作権を侵害するつもりはありませんが、著作権上問題があるとお考えの方や、自分(自社)の記事は載せないでほしいという方がいらっしゃれば、このホームページの感想もふくめて、千田あてに連絡してください。
 千田あての電子メールはここをクリックしてください。


[メニュー]   [自己紹介]   [最近のボスニア]   [論文]   [リンク]