
スケール:1/8
メーカー:BEEDASH
1998年10月完成
さおりんのこと
「さおりん」は1998年現在もっとも勢いのあるソフトハウスのひとつであるところの「リーフ」のビジュアルノベル「雫」に登場するキャラクターです。
結構人気があったらしく、雫以降の作品にも時々顔を出している様子。ちなみにこのゲーム?は持っていない(リーフものは絵が好みに合わない)ので詳しいことはよく知らなかったりします。
では、なぜ知りもしないキャラクターを作ったりしたのでしょうか?そ・れ・は・ですね・・・
Beedashさん謹製キット
この「さおりん」は、某MLで色々お世話になっているBeedashさんが原型を作り、98年の冬のワンフェスで販売したものなのでした。
MLのメンバーでも何人か買いますよ!って言ってまして、わたしもその内のひとりだったわけです。ただ、会場へは行けなかったので送ってもらいました(無理言ってすみませんでした)。
Beedashさんのフルスクラッチ歴は長く、学生の頃から色々作っていたようです。過去の作品では「銀河お嬢様伝説」の「沙雪華」を見せてもらったことがあります(web上でしたが)。
初期の作品ということでしたが、アマチュアにありがちな2次元半ではなくて、しっかり3Dしていたことにセンスの良さを感じました。わたしが特に感心したのは(偉そうですみません)髪の毛の表現でした。
アマチュア作品の多くは髪のボリュームの付け方などが弱点となりがちであるとわたしは感じているのですが、Beedashさんの「沙雪華」はメーカー品と比べても劣らないボリュームを持っていたのです。
「こういうところが苦手な人って多いのに、やるもんですなぁ」と正直思いました。
この「沙雪華」でBeedashファンになってしまったわたしが、Beedashさん謹製のさおりんを買わないわけがありましょうか?いや、ない(反語)。
さおりんのこと
キットのおはなしです。キットはキャストによる型抜き複製品です。複製作業は家内制手工業ってことでスカートに穴が空いていたりしましたが、これは愛嬌のうちです(笑)。
それでも昔のキャストキットに比べれば表面もきれいだし勝ってますね。
まず、離型剤をいつものように専用剤で洗い落としまして、普通に作っていきます。ズレによる段差はあまりなかったように思います。
厄介だったのは大きな気泡(笑)でした。スカートの穴もそれに近かったですが、表面近くに気泡があって、ペーパーをかけたら大穴になるってところがありました。この辺は先に穴をあけてしまってポリパテで埋めています。
まあ、普通の作業ですが。逆に細かい気泡はほとんど目立たなかったので助かりました。
塗装は資料がなくて困ったのですが、リーフ系のCGページから探して元絵としました。便利になったものです。肌色はキャラクターフレッシュ1と2の混色で2色吹いています。
制服の黄色はブルーエンジェルスカラー、スカートはデイトナグリーンです。髪の色は赤と赤茶色の中間の色という感じ。手元に丁度いい色がなかったので新しい色を探してきました。
で、採用したのはドイツ軍のレッド(笑)。トマトジュースの色みたいな赤でした。でも、いい感じじゃないでしょうか。
さおりんのこと
作ってて楽しかったさおりんですが、惜しいところをいくつか書いておきます。ひとつは「腕が長い」こと。左腕でバレーボールを抱えているのですが、ボールにつられる感じで肘から手首までが結構ロングになってしまいました。
それ自体はあまり目立たないのですが、左右のバランスで右腕も同じく肘から下が長い。しかも何も持っていないので結構目立ってしまい、そこが弱点となってしまいました。正面斜め上から見ればOKですが、下から見上げるとかなり迫力があります(笑)。
ポーズの元となったイラストにも多少無理があったように思うのですが、惜しいことをしました。手首の位置が指先くらいなら丁度よかったと思います。
あとはBeedashさんらしさという気もするので言いにくいのですが、目が深すぎかなと感じました。モールドにメリハリがあるのは特長だと思いますが、目元はちょっとメリハリ効きすぎた感じです。
というのは、目を塗るときにどこまで睫毛として塗っていいのか困ってしまったのです。目の縁が深いので全部睫毛にしてしまうとかなりの面積になります。ですが、正面から見るとほとんど見えなかったりするのです。
この部分はもう少しモールド甘めでもいいかな、と思いました。
フォローもしないと(^^;
アマチュアのキットってはじめてだったのですが、色々自分が気にしているところがきちんと作られているキットだったので、感心しながら楽しく作らせていただきました。
後輩にフルスクラッチをやっているのがいまして、わたしは自分ではできないのに結構バシバシ注文つけたりしています。その注文を並べていくと、Beedashさんの作品は必要な要素がほとんど盛り込まれていて目標とすべき形になっていると言えます。
これはお世辞ではなくて、ホントに完成されているなぁとわたし的には思えるのです。人型を立体化するのはそう簡単にはできませんからねぇ。すごいと思います。
次の作品にも期待してます。願わくば、わたしの知っているアイテムであることを(笑)。
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