
スケール:1/20
メーカー:モデラーズ
1999年完成
マクラーレン・メルセデスMP4/13のこと
MP4/13は、1998年のチャンピオンマシンです。ミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードがドライブし、ハッキネンがワールド・チャンピオンになりました。
マクラーレンといえば、かつてのF1ブームでホンダエンジンを搭載して勝ちまくっていたチームです。あの頃は赤と白のマルボロカラーでした。あれ以来、7年ぶりの名門復活を果たしたマシンです。
1997年からシルバーのグラデーションのカラーリングに変わり、モデラー泣かせのボディとなってしまいました(マルボロの蛍光レッドも曲者でしたが)。
キットは開幕戦オーストラリアGP仕様となっています。この年からレギュレーションが大きく変更になり、ナローボディ(車幅は1割減)と溝付きのグルーヴドタイヤが特徴的なマシンです。
全チームが手探りの中で、このMP4/13は圧倒的な速さを見せ、全車を周回遅れにしてワン・ツーフィニッシュという結果で開幕戦を飾りました。
作例は残り3周でミカ・ハッキネンに優勝を譲ってしまい、これがケチの付き始めではなかったかと思われるデビッド・クルサードのマシンです。
マクラーレン・メルセデスMP4/13のこと
キットはモデラーズの「MODEL MP4/13」という怪しいキットです。その後もこの「MODEL」シリーズは続いているのですが大丈夫なのでしょうか?
それはさておき、内容はボディがキャスト製で、他はほとんどがメタルパーツという構成です。F1でこのタイプのキットを作るのは、ラルースに続いて2回目です。
ただし、ラルースはほとんど個人ディーラーキットであったので、きちんとしたメーカー品は初めてでした。
ボディはキャスト製なので、ほとんど苦労はしませんでした。ボディの塗り分けはデカールで処理しています。エアブラシでやるにはちょっと厳しかったのです。ただ、デカールをどの辺りに貼ったらよいのか分からなかったので、貼るときは大変でした。
実車の写真とデカールを見比べながら貼ってます。それでも完璧にうまくは行きませんでした。曲率も合ってなかったし(笑)。ボディの塗り分けは、レーシングシルバーとリアルブラックです。ところが、後にタミヤのキットが出た時点でこの配色が違っていることが判明しました。
正しくは、レーシングシルバーとメタリックグレイです。ただ、ぼかしのラインはブラックの帯になっています。なんとも複雑。テレビで見る限りはシルバーとブラックの塗り分けが正しいかな?という印象です。タミヤのキットを作るときは、ガンメタルを使うでしょう。
大変だったのは、メタルパーツの足周りでした。プラキットならば、パーツ構成が実車に忠実でエンジンからサスペンションアームが延びているのですが、ボディはキャストのムク。ボディから直接アームが生えているため、角度や長さの調整が困難を極めました。手がかりがないのです。
リアは、仮組みだけでも大変でした。アップライトの位置が定まらないのです。仕方なく、ギアボックスのパーツにドライブシャフトなどを接着してしまい、それを手がかりにして仮組みを済ませました。つ、疲れた。
ウィング類も全てメタルパーツです。エッジの精度がイマイチなので、そのまま組むと隙間ができてしまいます。なので、組み立て用のピンは削ってしまい真鍮線で作り直しています。フロントウィングは取り付けの際にピンチになりました。ホワイトメタルは軟らかかったのです。
吊り下げる腕に取り付けるときにたわんでしまい、フロントウィングがバラバラになりかけました。
多少なりの考証としては、車載カメラがあります。キットはミカ・ハッキネンのマシンをメインにしているらしく、コクピット左後方のカメラのパーツが入っていませんでした。開幕戦ではハッキネン車はノーズに、クルサード車はコクピット後方にカメラを積んでいたのです。
ノーズ用の小振りなパーツをプラ板で増積して、クルサード車の車載カメラに変更しています。この他、ステアリングも違っていたのですが、こちらはハッキネン仕様のままになっています。すまぬ、デビクル。
真鍮板のディフレクターにも手こずりました。曲面はうすめ液のビンを使って型をつけています。問題だったのは取り付け位置です。ボディに支柱の穴は開いているものの、支柱の長さがわかりませんでした(笑)。仕方なく、タミヤのキットのパーツを参考にしました。
接着自体は両面テープで、その上から木工用ボンドでコーティングというもの。およそ金属パーツの接着方法とは思えませんが、ある程度粘着力があって、しかも修正(貼り直し)が利くアイテムがほかに思い浮かばなかったのです。結構しっかりくっついたので結果オーライです。
まとめ
作品のデキは「なんとか形になった」といったところです。サスペンションやディフレクターの仮組みが不十分(ディフレクターについてはぶっつけ本番だった)でしたので、最後の組立課程でバタバタしてしまいました。ですので、ボディもろくに磨けなかったのです。
メタルのウィング類も不安定で「カッチリ作ったものをボディと組み合わせる」という感じではありませんでした。ラルースを作ったときも反省に出たのですが、仮組みが甘かったです。同じことを繰り返してしまいました。次に生かしていきたいと思います。
今回の製作でこの手のキットのなんたるかは実感したつもりでいます。今度こそ満足のいくモデリングをしたいものです。
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