F-16D Wild Weasel

スケール:1/72
メーカー:ハセガワ改造
1995年完成

F−16のこと
 F−16ファイティングファルコンは80年代を代表するアメリカ空軍の主力戦闘機です。
 アメリカ空軍にはF−15イーグルという力強い先輩がいたのですが、彼は幻の仮想敵機MIG25に対抗しうる能力を備えたために非常に高価な大型戦闘機でした。 その隙間を埋める形で軽量戦闘機(LWF)計画が持ち上がり、ロッキードなどを中心に各社が試作競争をすることになりました。その中で勝ち残ったのがF−16の原型となるジェネラルダイナミクスのYF−16と後のF/A−18となるノースロップのYF−17でした。
 LWFは「安価で高機動な昼間戦闘機」であり、お金のかかる強力なレーダー装備や長距離ミサイルの運用能力、夜間性能などは外されていました。 これらの要求に、GDはコンピュータ制御のフライバイワイヤ、主翼を延長したような前縁ストレーキ、機体下面に配置された大型固定エアインテイクなど斬新なアイディアとスタイルを採用することで応えました。 このスタイルは、次世代機ユーロファイターやフランスのラファールなどにも採用され、今ではトレンドとなっています。(以下別頁)

F−16D WildWeaselのこと
 F−16Dは後期型の複座機です。主にトレーナーとして運用されます。WildWeaselとは「電子戦用機」の俗称です。 敵の早期発見やレーダーの攪乱といった戦術は現代戦において非常に重要なウェイトをしめます。兵器の高性能化によって「見つかったらやられてしまう」からです。 その電子戦任務を担うために電子装備を強化したタイプがこの機体です。機体の背中にフェアリングを増設してあるのが外見上の特徴となります。 この機体はイスラエル空軍の特注品となっているようです。電子戦用のオペレータが必要となるため、複座のD型を改造しています。

F−16D WildWeaselのこと
 キットはノーマルのF−16Dを使って改造しています。変更部分は、背中のフェアリングと垂直尾翼基部の後部延長、エアインテイク脇のライトの改造などです。 スーパースケールのデカールに側面図が入っていたので、それが元の資料となりました。ただ、上面図がなかったためある程度の想像が入っています。
 フェアリング部分はプラ板の箱で作っています。空中給油用のパネル部分に穴を開け、その部分にはまるようにしました。機体との境目やキャノピーとのつなぎはポリパテを盛っています。 その他では、後部座席の位置が高すぎるので修正しています。床部分をぶち抜いてシートを1mmほど沈めています。1/72で1mmはかなり大きいです。
 塗装はいつものイスラエルカラーです。フリーハンドで迷彩塗装を施しています。エンジンの内側はセラミックなので白にしたのですがこれが白すぎでした。 実機でもススがかなりついているのでもう少し工夫すべきだったと思います。ただ、パーツはのっぺらぼうなので、それらしく見せるのは難しいでしょう。


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