九七式3号艦上攻撃機

スケール:1/72
メーカー:ハセガワ
1997年完成

九七艦攻のこと
 九七艦攻は太平洋戦争初期に活躍した日本海軍の艦上攻撃機です。完成当時としては時代の最先端を行く全金属製の飛行機でした。 作例は真珠湾奇襲攻撃に参加した飛龍航空隊の機体です。お腹に魚雷を抱えていますが、実はこの機体は非常に有名な機体で雷装としたのは大失敗でした。 というのも、この機体の写真は鮮明な資料として残っていて、しっかり爆装していたのです(笑)。 その写真は白黒ながらも細かいところまではっきり映っていて、もっと早く気づいていればもう少し手を入れられたにもかかわらず見逃していたのでした。実に無念で、かつ面目ないです。

九七艦攻のこと
 この作品は大祭企画「日米艦上機」用に作りました。その企画は結構いろいろ揃いましてなかなかおもしろかったです。自分はこの九七艦攻と九九艦爆を受け持ちました。
 キットはハセガワのものでなかなか古いものです。もとは違うメーカーの製品だったそうですが、コクピットの内装が色々パーツが入っていて1/72ながら楽しませてくれる好キットです。 ディテールアップは特にしていません。ストレート組みです。前述のとおり、もう少し早く資料に気づいていれば、カウリングの上に照準ゲージが付いていたに違いありません(T_T)。
 今回課題としたのは塗装です。ご覧の通り複雑な迷彩塗装となっています。これをいかに表現するか、これがひとつの課題でした。通常はエナメル塗料を使って溶剤でぼかすという手法を採ります。 しかし、わたしはラッカーだけでできないかとこだわりました。理由は、最後にラッカーのスモークグレーで汚しをしたかったから、でした。
 エアブラシで吹き分けるのは、サイズからして自分の技術では無理です。そのため筆塗りをすることにしました。機体色の濃緑色を吹いたあと迷彩パターンを鉛筆で下描きして、はじめは茶色をそのまま塗っていきました。 一通り塗ったら、今度は茶色と濃緑色を混ぜた色でうすく重ね塗りをしました。うすくすることで下の色が透けることを利用したかったのです。多少ぼかした感じになりましたがコントラストがなくなってしまったので、もう一度色をのせています。 最後の色はやや茶色を多めにした濃緑色との混色です。結果はあまり期待通りにはならなくて、タダの塗り分けに終わってしまいました。重ね塗りの時にドライブラシの要領でたたけばよかったのかもしれません。今後の課題として残りました。 筆を使わずにティッシュペーパーを使ってみるのもおもしろいと思っています。チャンスがあったら試してみましょう。
 結果的に自分の思うとおりに仕上がりませんでしたがおもしろい体験ができました。見ていただいた方にも苦労は伝わったようです。確かに迷彩パターンを描いていくのは大変疲れる作業でした。 でも、塗り分けが進むにつれてだんだんそれらしくなっていく様子は、なんとも言えないわくわく感がありました。模型作りの醍醐味のひとつですな(笑)。


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