結局、便利に使っていたA831だったのだがこれも一年でいろいろとトラブルがでてきた。バッテリの持ちが悪くなる、感度が落ちる、通話中に突然切れる、知らないうちに電源が落ちる、ポケベルのメッセージが転送されなくなる、などなど。もしかするとこういった携帯端末の類は一年で寿命がつきるようになっているのではないかと思わせる。で、買い替え。今度は、A831の時と異なり近所の店で簡単に機種更新ができる。その場でちょっと待っていれば番号もかわらずにすぐに使える上、市場価格で手に入るのであり、たった一年でこの違いという点に感動してしまった。なんのかんのといって、PHSはじわじわと市民権を得つつある。
選んだ機種は日本電装のAD-11。小さいこと、PIAFS対応であること、パワーアンテナ対応であること、この程度しかもう基準はない。本当は一端がそのままPCMCIAになっているモデルがあればそれを、と思ったのだけれど、残念ながらその類の機種はまだASTELではでていない。で、AD-11。感度が高い、とか、諸機能が便利、とかいうはなしはおきまりだからどうでもいいとして、やはりこの小ささはすごいと思う。ある友人はこれを見て、「ちょっと気の利いた寿司屋のネタみたいな大きさ」と評したけれどまさにそんな感じ。技術の進歩ですねえ。今年の暮れに買い替える時はどうなっているのだろう。
せっかくだから、パワーアンテナも借りる。さらに、居場所対応としてパワーアンテナを一台追加レンタルする。自宅、僕の仕事場、妻の仕事場、のつもりだったのだけれど、自宅はこの間に室内三本バー状態(!!)となったので、一台あまるかたちとなり、仕事場の他の研究生登録をしてある研究室にも置いて使っている。仕事場は、この一台のおかげで、研究室、実験室をほぼカバーできるようになったわけで、実に重宝している。
さて、A831の条件をひきつぐにはポケベルも用意しなくてはならない。当然ながらAD-11はポケベル内蔵ではないので、テレメッセージのポケベルの中から一つ選ぶことになる。選択したのはVictline-IP。ニュース配信を受けたり、メイルからメッセージを送ったりできる、というのが選択理由。妻の仕事場から、webを通じてメッセージを送れるし、こちらもザウルスから送れる。簡易メイルシステムといった趣。ただ、問題は地下鉄の中ですな。PHSは駅でなら使えるけれど移動中はだめ。そして、ポケベルは地下鉄は全体的にだめ。留守番メッセージで対応しているけれど、ちょっとだけ不便な感じがある。
とりあえず、不満といえばPIAFS対応のプロバイダがまだかぎられていること。ここ、DTIも今年の春に質問したときはPIAFSに対応する予定はない、という返事だったし、それが、急に対応することになった、といってもDDI-Pのみというのが現状だし、どうもプロバイダにPHSのサービスまで左右されるようで気持ちが悪い。メディアはメディア、インフラはインフラとして、ちゃんと自立できないものだろうか。現状ではたぶんそれぞれのプロバイダサービスにPHS側が相当量の手助けをしていて、その分のトレードとして限定サービスになっているのではないか、と勘繰っているのだが、こういうのってユーザーが結局かぶるようなあり方でいいのだろうか。
個人的な希望をいえば、アステル自体がPIAFSプロバイダとなってくれればいいのに、と思う。この場合、メイルアカウントや個人領域を提供するサービスと、ただ単に接続環境だけを提供する割安サービスをおこなってもらえればなおよい。自分のPHSの電話番号が認証となって、PIAFS接続でinternetの各プロトコルが使えればそれだけで随分と便利なのだから。日本テレコムも出資に加わっていることだし、そろそろこういうサービスをはじめてくれないだろうか。小型のPCMCIA一体型端末の発売と同時に開始されれば端末の売り上げだって相応にみこめるだろうし。
(補遺)
このあと、DTIsecondでタイムチャージのみでPIAFSをサポートするようになった。これで、PB2400もZaurusも32K接続。ただ、データカードがなかなか手に入らないのにはまいった。結局、八王子のヨドバシで注文流れで一個入手したけれど。一体型の機種、はやくだしてくれないかな。
1998.05.20,06.09,08.07