「開業歯科麻酔認定医のためのフォーラム」当日予定                   1996年10月5日 16:15〜 於;3F第3会場 ご挨拶   ;染矢源治先生(新潟大学歯学部歯科麻酔科教授、大会会長) 司 会   ;足立裕康先生(兵庫県氷上郡開業) 指定発言  ;氷室秀高先生(北九州市小倉北区開業)        梅村 智先生(神戸市御影区開業) 討 論   ;参加者全員     (梅村先生)  麻酔科に入局した多くの医局員たちが、一度は呟く言葉が『それからの歯科麻酔』 であります。大学を離れ、外の病院で麻酔の研修を終えて、また大学の医局にたむろ している医局員が、折に触れて呟く言葉なのです。  麻酔科に入局した多くの医局員たちは、何の目標を持って麻酔を研修しているので しょうか?大学で、病院歯科で、歯科麻酔本来の仕事である全身麻酔、鎮静法、ペイ ンクリニック、有病者管理を行っていることを考えているのでしょうか。しかし歯科 麻酔科医の多くは自分の医院を設けて、開業歯科医として仕事をしています。その医 院で、どのように『歯科麻酔』を実践していこうと考えているのでしょうか?セール スポイントとして?それとも純粋に患者管理に必要なため、でありましょうか?  私自身も、大学病院時代10年、開業して5年で歯科麻酔に対する取り組みが変わっ て来ました。  私の住んでいる地域の2次医療機関には、私と同じ歯科麻酔科医が数多くおり、全 身麻酔や鎮静法の危険性、経済効率を考えるとき、私は自院ではこれらを実践してい ません、その代わり、これら2次医療機関への紹介を行っています。  歯科医療界も在宅歯科診療、障害者医療とクローズアップされ、重症患者の歯科治 療を行う機会が多くなってきています。このような状況の中で、私たち歯科麻酔を研 修した者への期待は大きく、私は歯科麻酔(学教室)と地域歯科医師会とのパイプ役 としての役割を実践していこう、と考えております。  歯科医師会の求められている内容は、心身障害者の歯科治療にしてみても、在宅往 診歯科治療にしてみても、すぐに実践できる内容が多くあります。これらの医療の現 状は、マニュアルの作成段階であったり、見直しの時期であったり、私たちとしても、 そんなに無理をせずに力を発揮できる場ではないかと思います。  本日のフォーラムでは、現在の私の行っている『歯科麻酔』への取り組みについて 述べてみます。