Talk about Mike Bloomfield

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1969年、当時16才だった私は行きつけのレコード屋でなじみの店員から、
たまにはこういうのも聴きなよと差し出されたのがマイクとアル・クーパーの
"SUPER SESSION"でした。彼を兄貴のように信頼していた私はそのLPの
ジャケ裏の、そそる写真をみてドキドキしながら家までの距離がもどかしいくらいに感じてました。
そして、、、そして、、、実は、スピーカーの前で私はお地蔵様になっていたのです。

当時の私には余りにもシブすぎたんです。
一発でワカル、サウンドではなかったのです。

ところがある日の深夜、FENからグッとくるギターのフレーズがよどみなく流れてきて、
ラジオの前に釘付けになっていたとき、これはどっかで聴いたような気がする、、
何処でだっけ、何時だっけと考えているうちに"SUPER SESSION"の「アルバートのシャッフル」
じゃないかと気が付いたのです。それ以来、憑かれたようにこのLPを聴く日々が続きました。

貴方がもしブルースが好きで、まだこの「スーパー・セッション」の一曲目「アルバートのシャッフル」
を聴いたことがなければ、なにがなんでも聴いてみて下さい。
始めのワン・コーラスのマイクのアドリブだけで、
ブルース・ギターのパーフェクトすぎるくらい完成された演奏が聴けます。 

アルバム自体はどうやらかなりお手軽に制作され、なおかつ予定にないマイクのダウン
(制作中に睡眠不足でリタイヤ)というハプニングもあって、B面はスティーヴン・スティルスが
代役をつとめたりと、よくまあ商品化したなという、今思うとかなりアヤシイ作品ではあるのですが、
マイク参加の5曲だけで実際このアルバムは歴史に残る作品となりました。
 
私的には、5曲目の「REALLY]も絶品と思うのですが、どうやら、2コ目(ツー・コーラス目)に入るとき
テープを編集しているようなところがあり、ちょっと悲しい。
 
たぶん、ミストーンを出した本来の2コ目をカットしたか、そこだけ後からかぶせたのでしょうが、
でも後半のアドリブは若干のミストーンもかえっキマってるし、なによりオルガンがソロを
とっている間のバッキングが、これはもう絶妙。
 
マイクのソロの大きな特徴のひとつに、指が同じポジションのままベンド
(チョーキング)だけでクォータートーン、ハーフ・トーン、あるいは一音以上、
自由自在にあやつりながら音を紡ぐところがありますが、これは本人自身が言ってるように、
典型的なアルバート・キングのスタイルです。それが、ウマすぎる!本家よりうまい。 

フェンダーのツインとレス・ポール・スタンダード、アタックのキツ目のときに若干ひずむ、
ここ一番ではリアのピックアップだけにして、伸びのびディストーションが効く設定、がお好きなようです。

今でこそ、ブルースはヴォーカル・ミュージックだと強く感じておりますが、
若いときに体内に流れた血はぬぐえず、ましてマイクのギター・プレイは私にとって永遠の The thing です。
 
1981年2月、マイクは薬物の過剰摂取で他界
してしまったのですが、いつでも側に居てくれてる感じがします。
実際、今でも一日が終わってたまにマイクのLPやCDを聴くと、ひょっこりマイクが現れそうな気がしてしまうんです。
会ったこともないのに。
 
-bluesboy Oct.1996


1999年5月21日追記

かねてより、マイクに多大な愛情と理解をお持ちであります、東京在住の佐竹氏が
かつて生で観たマイクのライヴの様子を遂にご自分のサイトにupされました。
'70年代当時のサンフランシスコでの一夜、気のおけない仲間達と暖かいファンに
囲まれて、小さなハコでブルースを紡いでいたマイクの様子が生々しく伝わってきます。
ぜひそちらのページもお読み下さい。

場所はここです。→ GOOD OLD AGE

2000年9月10日追記

堺市にお住まいのMOZUさんのサイトにもマイクのページが出来ました。
彼のミュージシャンとしての生涯と作品についての記事は必読です。
一作品ごとに当時のエピソードが書き添えられていてこれが印象的。
マイクの実像をを知るにもこれ以上のページはないと思います。

場所はここです。 → Some Like It Hot

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